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『ひとりぼっちの夜』 [三文短編小説]

(こんなせかいじゃなかったら
たとえ
たちいれずに
こちらから
そのほう
もっとゆうべんな
ふれる
うかがいしること
できないもの
けっして
りかいできる
けっきょく
だからこそ
せいめいせん
せんりつ
いまだ
まるでいしころ
ちんもくする
かたく
むじょう
そうしている)


ー 『ひとりぼっちの夜』 ー

(唯たびをする
そのきょうちだった
そのためのしゅうさく)


ー prologue ー

(そのひにかのじょは)

れいこ
(こまる
どうしてか
こんなてあい
いつもそうだったきが
いうと
そうらしい)

(かぞくとでかけたひ
じこうは
まだひえる
ブラウスにブルゾンとスカートでブーツ
ゆたかなロングヘアでむひょうじょう
きょむをいだくこと)

れいこ
(さえない
でもどうしても
いい年齢をして
それがいつまでかな)

(こちらから
よくある
リミット
あるいは
もっとじょうぜつで
おもうべき)

れいこ
(もうつかれた
からだがしんどい)

父親
しゃしんをとるよ。

れいこ
どうして?

父親
いいから。

(かんべん
ぎれいてき
くるまに
このひおとずれたばしょ
とおで
そのきねん
きろくで
きおく)

れいこ
(わけがわからない
いつもそうだけど
いいかげんで)

(ふうけいにおいて
そのばしょをかんずる
いま
もはやおもいだせない
ながらくのだせい
どこにいても)


いつじ
さけをやりたいんだ。
うんてんをかわってくれないか。

れんや
そんなの。

れいこ
ぜったいこまるわ。

(こくどうをそうこうちゅう
じょこうする
ロードハウス
れいじをまわる
パーキングにていしゃちゅうのしゃしゅ
おずおずとくるまをおりてなかに
ネオンをおもわす
アーリちょう
ようすは
カウンターとテーブルせき
ざっくばらん
とおまきにばくぜん
さけるようでもあり
こしをすえる
どうにか
ひといき)

れんや
煙草もってる?

れいこ
だめ。

れんや
かってくる。
いい?

いつじ
だったらたのむ。

れいこ
おねがい。

れんや
ちゅうもんしておいて。

(せきをたったかのじょ
グリーンのショートヘア
まるぶちのめがねをかけ
ジャケットとがらのブラウスでスラックスにブーツ
いつじはウェイターをよびオーダーをする)

いつじ
まずドラフトビールのジョッキ。
どうする?

れいこ
うん。
そうよ。

いつじ
それとていしょくを。
だいたい・・・
それでいいだろ?

(だまって
ウェイターはちゅうもんをききさがる)

いつじ
こわれそうだ。
わるいけど。
これいじょうはだめだ。
しかたない。
ゆっくりしよう。

(いつじはわかくない
かみはかりそろえてがんぶちのめがね
まるくびのセーターにデニムのジャンパーとズボン
そしてかわぐつ
しらけたもの
いい年齢をして
けれどこれから
やくそくごとが
それをしらず
ききたい)

れいこ
れいのひと。
ごうりゅうするよていの。
どういうひとなの。

いつじ
むかしのしりあいだ。
ぼくいじょうにかのじょがしってる。
しばらくぶりだ。

れいこ
ほかに。
それだけ?

いつじ
かんけいない。
はなしをすればわかる。

(あしばやに
もどってきたかのじょ
せきにつく)

れんや
かってきた。

(むぞうさにテーブルにおいた煙草のめいがら
それぞれてにとりさっそくふうをきる)

れんや
おかしなやつがおもてで煙草をすってて。
すわりこんで。
さんにんくらいかな。

いつじ
れいせつだろ。
よくある。

れんや
ちゅうもんは?

いつじ
したけど。
さけはやらないだろ?

れんや
もちろん。
たのんで。

いつじ
やるのか?

れんや
そう。
ちゅうもんして。

いつじ
なんで。
ぜんいんそうか?

れんや
かんけいない。

れいこ
いいぐさがおかしい。

いつじ
だったらえらいロスだ。
ほんとうにしんがい。

(オーダーのジョッキがはこばれる)

れんや
わるいけどビールをもうひとつ。
おなじものを。

いつじ
ほんとうにどうするんだ。
よていがい。

れいこ
おっさんね。

(煙草を
つねにそのつど
そのたびに
おこたらず
きざむもの
おぼえてもいないほどに
いそがしく
せわしない)


ー part 1 ー

ラジオ
まもなく3pmです。
みなさんはこのあとのよていはなにか。
どうおすごしでしょうか。
ちかごろはぼうぜんと・・・していますね。
まちびとはこず。
そんなかんじかもしれません。
ばくぜんとしたひびです。
すこしきおいもあるかもしれません。
ではつづいてのきょくです。

(ゆるぎない
そのげんそく
ぼうぜんと
こころなし)

じゅうじ
(なにやってんだ
まったく
しょうもないやつ)

(ハーバーのデッキ
ちいさなテナントのみせのそと
おくがいのテーブルせき
うみかぜにさらされながらびんビールとワイン
それとほそまきのシガー
そのひはくもゆきがあまり
たんじゅんに
ながらくのばしたかたまでのかみ
こおりついたようなひょうじょう
フードのついためんのウェアにデニムのズボン
そのうえにジャケットを
いまはいている、すっかりといたんだ、スニーカーをながめ
おちこむ)

けいたろう
ふけつっぽいはなしだ。
いまいち。

じゅうじ
きのもちようだ。
よくおこたる。
なにかをしていているときにそうなる。

(けいたろうはたんぱつでぶしょうひげ
カラーシャツにほそみのタイ
ヘリンボーンのジャケットとコットンパンツにたんぐつ
はまきをやってまるでサタンのじゅうしゃのようだ)

けいたろう
どうしてだ。
きにかかる。
きじょうで。
ちがいない。
おうおう。

じゅうじ
じぶんのはこにわでは。
ことのてんまつだ。
ぞっとするぞ。
のぞんではいないはずのもの。
さいていだ。

けいたろう
そんなの。
どういうことなんだ。
やっていける。
なにがなにやら。
だいじょうぶなんだろ?

じゅうじ
おちど。
もろいものかも。

けいたろう
だからびょうきだ。
なににあたった?

じゅうじ
ばあいにかこ。
しらないしおもいあたらない。
むじかくだからはなしにならない。
ごめんだ。

(やはり
みえすいた
いまの
ちょうじかんのつかれ
シリアス
すくなくとも
どれほど
きょり
なにをしっていた)


じん
あいてとかおをあわす。
それだけでもただよぎる。
よくじょうをもよおす。
どんな。
ひつぜんてき。
じっさいに。
かならずまわってくるもの。
それいじょうはとくべつ。
たとえばえきのホームでれっしゃをまつ。
 レストランのせきでオーダーをする。

じゅうじ
レストラン。

じん
かならずりょうりはていきょうされる。
おもいたって。
そのあいだじゅう。
ノイローゼで。
くうふくであり。
ながらくのうつのようで。
もちろん。
それはようやくめのまえに。
オーダーどおり。
げんじつてきにいって。
それをたべる。
ちがいない。

じゅうじ
とうぜん。
くうふくであるし。
こまるはず。
なおさら。

じん
いいわけじゃない。
じじょうが。
もしひとりできゃくをまつあいだに。
まったくわからない。
よのなかでなにがおきているのか。
しらず。
もちろんことにはおよぶ。
りゆうは。
まだしらふのほう。
だれとでもおなじようにする。

じゅうじ
だったら。
じぶんてきいいぶんが?
しいていうと。
わからなくはない。

じん
ばあさんじゃなし。
ぎゃくでもない。
だからなにもできなくなった。
あきらかにそうだった。
おろかしい。
まさにおっさんってかんじ。
じぶんてきにじぶんは。
なげきかなしい。
いぜんだったらどうおもうか。

じゅうじ
おっさん?
じぶんてきにいうと。
そんなの。
いかすはなしだ。
いまどき。

(ショートボブ
しろのブラウスにくろのみつぞろいでロングスカート
じんはさっかだった
それがこうじていまはしょうふ
このごじせいにフリーセックスいじょうにこだわること
いいぐさのようでもちぶん
なにをかんがえて
『しっぴつする』
かならずくだらないとおもうはず)

じん
まいにちあいてがちがう。
もちろん。
やりたいこころもちは。
ざっくばらんに。
おなじくらい。

じゅうじ
たんじゅんにしつれんしたら?

じん
いろいろとあるのがよのなか。
そんなはなしはまたにする。
かんがえとくわ。

(いまのへやは
にもつはみせいりでゆかにマットをしいて
じゃばらのガラスのひきどに
シェードのついたライトスタンド
ひざしはほとんどつねに
ひがくれればひとばんあかりをつけてすごす
そとからはまさにシェルター
やまいのためとおもえるほど)

じん
またね。
いまおかねは。
こまってない?

じゅうじ
それはいい。
まあがんばって。

(かのじょをみおくる
なにもかんがえてはいない
れいぞうこにはすでに
どうしても
ねむれず
こまったもの
はらがたった)


ニュース
こうえきとしである『ベレック』のうんえいについて
『ヴィーチャム』および『ヴィガレッジ』
そうほうがけんかいをひょうめい。
ちゅうすうをになうしほんかにたいするコメントに
しちょうは
『じきそうそうではあるがすみやかなたいおうがのぞまれる』
とのべました。
また
ちかぢかおこなわれる
『ちゅうおうせいふによるささつ』においても
ゆうえきなけんかいをしめしたいといこうをひょうめい。
しゅうにんいらいさいだいのできごととのべました。

れいこ
これが。

れんや
そうよ。
そのことをいってるの。
かんがえものよ。

いつじ
いんがだ。
きにするな。

(しないのマンンションのいっしつ
リビングでテレビをみる
ひろくひあたりがよく
かどちでコーナーがありカウンターのキッチン
テーブルにはサングリアのはいったデカンタとグラス)

れんや
こんなごじせいはねがったりかなったり。

(かねのはいざらをてに煙草を)

あすか
あいいれない?

れんや
しかたないとしかいえない。

(あすかはあいいろのショートヘア
やせほそり
ニットのとっくりのセーターにズボン
てにしたグラスをかたむけ)

あすか
くうふく。

れんや
そうね。

(こんなんとは)


ー part 2 ー

(しんだいによこたわる
じしつのベット
からだのおさまりがわるく
いたいほど
いつでもうかつに
ラジオはときおり
すでにわすれていたチューン
さきほども
かんがえるのは
じかん)

いすず
あいかわらず。

(えいえんの
こちらがわ
ねんしょうされる
なまなましい
じかんのはだざわり
ふれるほど
きょうずる
くだり
りっする
なみのよう
おいつめられ
きょうふ
とぎれそうに
ぜんせいき
ひろがる
むみな
こうかんすること
ふいにちんもくするものが)

いずみ
くろうしそう。
めにもみえそう。
じかくがない。

(いすずはながいかみ
ねまきすがた
としごろでたいかくはこがらでかたく
いずみはおなじくねまきすがた
からだつきはおおきくのびやか
いっけんかおだちのいんしょうはよくにている)

祖父
どうした?

いすず
べつに。
なに?

祖父
またれいのともだちかな。

いすず
そうじゃない。

祖父
いまは。
でてこない。
だいじょうぶかい?

いすず
だいじょうぶ。

(へやのとぐちにたったしょろうのろうじん
はくはつでシャツとコットンパンツ
かのじょのそふでそだてのおや
ようすをみてさがる
ながらくのじしつ
へやはせいぜんと
はいいろのかべがみ
ゴシックちょうのいろガラスのスタンド
ゆかいなおきもの
がくぶちのふうけいが
そしてまどからうかがうこうせんとこうけい)

いすず
なにかあるの?

いずみ
いまにわかる。
たぶん。

(いずみはかのじょとしか
あくまでも)


じゅうじ
セキュリティーのてっそく。
かならずアンサーがあるものだ。
それをかくにんしつうほうする。
じじょうはもちろん。
たいきちゅう。
けっしてうろたえず。
つうほうごにことのしだいなんてない。
とうじしゃはじじょうをよみこんだうえ。
そのうえでじはつてきにうごく。
だからだ。
かんりしゃかいではない。
ほんとうのみんしゅてきなありかた。
すべてがとどこおりなくけっしてむじゅんがない。

あすか
むかんしんでも?

じゅうじ
いしきだ。
こころもち。
ふつうにそうおもう。
かんしんがなくぎれいてきでも。
そういうばあいはそうだとわかる。
むずかしいものではない。
だからばんぜんのたいせいだ。

れんや
こうしゃくはいいけど。
ふだつきで。
わかってるの?

じゅうじ
もちろん。
ふつうはいりようもない。
しゅうちにひとしい。

(わざわざつどう
ファミリーレストランの
ドリンクバーに煙草
ボックスのせきにならんですわり
かのじょは
ぼうぜんとして
さすがにつかれていた)

じゅうじ
なまえは。

れいこ
え?

れんや
はじめましてでしょ。

あすか
そうよ。
こまるでしょ。

じゅうじ
しってる。
いみしんってかんじでいったまでだ。
わざと。
じぶんてきにもうおっさんだろ。
しりあい?

れんや
もうろくして。

あすか
ほんとう。

いつじ
だったらすこしそとに。
ひさしぶりだろ。
このあたりは。

(なにがいいたいのか
じもんじとう
あたいしない
ちんもくとはそうではなく
おもいしる
いぜん
ゆうべんではない
おかしないいぐさだけだった
そのあと)


れんや
(しぬという。
それがよぎる。
てっそく)

(あいま
ノイローゼが
へいじのじかん
ふいに)

いつじ
だれがよんだ?
やすうけあいか。

れんや
え?

いつじ
なにかんがえてる。
いえよ。
おちどがあるのか。

あすか
なにいってんの。
わかってるのよ。
ひとりごとでしょ。
じぶんのことばかりいって。

いつじ
だったらいい。
つかれてるらしい。
パフェでもたべる。
オーダーする。
サンデーモーニンング。
いまはしんや。

れんや
(つねにきわめること。
しこうせい。
じんせいかんかもしれない。
かたりぐさ。
いまだかわらずのままに。
そうであれば)

あすか
だいじょうぶ?

れんや
もちろん。

(せじ
いいぐさ
こころない
まだつづく
りゆうもなく)


じゅうじ
(おまえはなにをしている。
いいかおでもしてるのか?)

れいこ
いったいどういうこと。
きいてないわ。

じゅうじ
もうすでにかんけいしゃだ。

(ふくれっつらのかのじょ
ごきげんななめ
おもいかえしても)

れいこ
よくおもいちがいがある。
ぐうぜんなら。
なぜか。
いぜんなにをして。
いまでもぐうぜん。

じゅうじ
ゆいいつのもの。
どこまで。
どこにいようと。
じぶんがネックだ。
ほしぞらをみてもなにもおもわない。
そんなものでしかない。

(ローカルちいき
とおりをはさみ
しゅういはじゅうたくち
ひろいこうえんがあった
ちゅうおうにはいけ
しゅうへんをほどうにそってあるく
さんぽするきんりんのじゅうにん
じかんたいはかんけいなく)

れいこ
どうしても。
うかれてる?
ぎゃくなんでしょ。

じゅうじ
むずかしい。
からっぽってことだ。
なおさらにこんなんがある。

れいこ
からって・・。
わたしそうかな。
いきてるここちがしない。

じゅうじ
かしこいひとはじっさい。
年齢はかんけいない。
そえんでおぼえてもいない。
おりあいがつかなかったわけで。
でもじきにわかるように。
たっかんするいじょうにすべてかわる。

れいこ
さすがににわかくないから。

じゅうじ
ばあさんのほうがいいはずだ。
じょうとうく。
じっさい。
そのうえでじいさんっていうのかな?

れいこ
ろくでもない。
すくいがないうえに。
どんなてあいかわかるきが。

じゅうじ
くやまれるじぶんだ。

(そのよ
たしかにそらは
つきはあかあかとかがやく
じっさいなにかをさとったりきづくことはなかった
ながらくそういうしんじょうがない
ばくぜんと
いったいなにをしていたのか
しんねんもしんじょうも
すなつぶのごとくこぼれおちたもの
じかんのひつようせい
せいめいせん
かんがえているいじょうに
そこない
きづかないもの
ぐちってばかりで)

じゅうじ
しまったな。
だから。
わすれていた。
はらぐろい。

れいこ
なに? 
どういう。

じゅうじ
ノーマル。
ふつうにだ。
かんがえていたことが。

れいこ
ふつうに。
なんのこと。
なにを・・・したいのか。

じゅうじ
たいせつだ。
あきらかにおちどだったよ。

れいこ
でもショック。
いまさら。
それがないてあい。
かんがえてもいない。
わたしってあおにさい。

(おおくの
たしかにおおくのいつわがあるはず
そうおもうこともある
あまりにしらけてぞんざいなばかりに
げんじつてき
おもうもの)


あすか
どうするの?
よていは。

れんや
ちゅうおうのシステム。
それをねんとうに。
いわばはらぐろくする。
ちょっとした。
ショックをうながす。

いつじ
いちばんのいいぐさは。

れんや
おかね。
こてんてきにいっても。
どんなてあいであっても。
そのさわぎにちゅうおうせいふはかんがえどころ。
そんなことではもんだいありでもんだいがい。
あしなみがそろわず。
いわばなっていない。

あすか
だからセキュリティーに。

いつじ
たのみのつなにちがいない。

れんや
しゅっししゃがつどうひ。
ネットワークじょう。
いわばレセプションでそれはそれはってかんじで。
みんなふんぱつする。

いつじ
じっさいあるかもしれない。
よていはどうかな。
かんけいはない?

れんや
ない。
もくてきはあくまでも。
こぞってチェックをきりにゅうきんされる。
そのおかねのいきさき。
それだけがねんとうでじっさいのはなし。
こうざにこそりゆうがある。
それをいかさまではなくじっさいにいただく。
おおやけに。

あすか
どんなかんじ?

れんや
もったいつけるべきなら。
だまってやるのではなくいいぐさを。
そのよういんでいわばしったいとなった。

いつじ
せんせいするのか。
いいんじゃないのか?
べつになのらずとも。
ことがことで。
じっさいめんもくはうしなわれる。
むしろまわりくどい。
いうべきこともない。

あすか
アマチュアいしきって。
なにがどうにいったことか。
だまってるべきだとおもう。
いまさらかんけいない。

れんや
だったら。
じっさいてきなはなしこそがほんだい。
それだけ。
それいがいはない。

いつじ
とりあえず。

あすか
あとはかれってことね。

れんや
そういうこと。
わたしのやくわりについて。
もうおわり。
ぶぶんてきにはすでにあがりね。

いつじ
たいやくだ。
ほんきなのか。

れんや
ことはある。

あすか
それでもけっきょく。
なにかんがえてるのかわからずじまい。
さいご。

いつじ
しばし。
そんなことすらある。

(べつにそのよというだけではなく
かりに
かみはさいをふらず
とうぜん
そんなきまぐれではなんじゃく
どうあっても
たりえてはいないだけ
それにすぎない)


ー part 3 ー

(こうがい
9am
きょうもかってに
いまはコーヒーショップ
ひとり
カウンターせきにすわりてんないをみまわす
ガラスごし
ローカルえきのしゅうちゃくてん
けだるくひとけはあまり
へいじつ
またしてもいちにち
ぼんやりと
ためいきまじり)

いすず
いつもひとりね。

りょう
え?

(シュール
こえをかけられた
すがたはなく)

いすず
きょうはなに。
かんがえてるの?

りょう
べつに。
いつも・・どおりだよ。
ぎゃくになにかあるの?
しらない。

いすず
そうね。
むずかしいかしら。

りょう
かもしれない。

(くうろんのよう
さっかくしている
かれはがくせい
のばしたかみをかりあげ
シャツにデニムのパンツにスニーカー
おおきなジャケットをはおってかわのリュック
どういう
うわぎのポケットからモバイルをとりだし)

りょう
さいきんは・・。

(ものぐさ
あつかっていて
しゃくぜんとしない
かんがえて
てをとめて)

りょう
べつにいい。
でかける。

(あてはない
いつものごとく
てきとうにむかう
しんじょうだった)


(ちんせい
あいま)

れんや
いったいじぶんをどうおもってるの?
ほんとうのところ。

じゅうじ
おいぬさまだ。
ちくしょうであってこうぜんたる。
みればわかる。
ふごうりでこまったもの。
にんげんしゃかいとはあいいれない。
モダンなてあいじゃないわけだ。

れんや
そんなの。
あきれる。
よくいう。

じゅうじ
ぜんいんすどおり。
おいぬさま。
めいわくで。
でもしかたがない。

いつじ
はんぶんはすでにしんでいるかも。

れんや
たしかに。
いきてはいないとおもうはず。
でもぎゃくに。
うごくはめ。
なぜかなざしだ。

(しないのびじゅつかん
しんきでまあたらしく
ひろいしきちのきんだいけんちく
あくまでゆうべんなつくり
そのひのあさそうそうにあしをはこぶ
きかくもののびじゅつひん
かべにかけられたおおきなカンバス
たちどまりめをこらす)

いつじ
あのこに。
どういうこんたんなんだ?

じゅうじ
まさにめがみだ。
ちがいない。
おそれおおく。
べつにさからいはしない。
ふつうだ。

れんや
たんにうすらばかってかんじ。
なにいってんのか。
せつめいになってるの?

いつじ
それなら。
よのなかしょうふばかりでうんざりする。
たしかにきりょうがありおたかくそしていんけん。
こんなてあいなんて。
へどがでる。
さいあくにきまってる。

じゅうじ
だからばあさんだろ?
まさにそんなかんじの。
はらぐろい。
じっさいとしまで。
にこりともせず。
へんくつでかたく。
よこしま。
ふうきすらわるい。

れんや
かんけいない。

いつじ
けっきょくはしたがう。
わたくしごとだけではいられない。

じゅうじ
こころもち。
いいことだけはないよのなかだ。

(かんないはしょうめいをおとし
がんぜん
スポットが
まじかで
しきさい
ひっちをみる)

じゅうじ
いんしょうはいらい。
アトリエから。
そとへ。
こうがい。
じゆうになり。
こんらんする。
かねとひょうばん。
しかつもんだい。
おちどなのか。
えかきのしんきょうに。
こどくを。
あたらしいせだいのわけだ。

いつじ
げいじゅつかこそ。
はやくこのはこから。
にげるべき。
こうげんする。
やばいもの。

れんや
これがルノワールでしょ?
たっぴつね。

じゅうじ
じょうけいがあった。
ふるいせかい。
まさにかくめいごのパリのようだ。
ひとのげんてん。
こうけいはいごにつらなる。
そのじだい。
べつに。
ぜんごしてウィーンにきうんがおきる。
クリムト、シーレ、マックスオッペンハイマー。
そのいっぱが。
がんらい。
ていせいのオーストリア。
さいきょうのこっか。
首都ウィーン。
せいぜんとした。
じょうさいのとし。
せいえい。
なごりであっていまだ。

いつじ
こういうのをどういうんだ?

じゅうじ
きょうらんというべきでは。
すべてがすべてあたらしいていぎである。
おもいしる。
いたらないとおもう。

れんや
こんどうのしようもない。
あたりまえ。

じゅうじ
あくまでアートのはなしだ。
でもじんせいではある。
せかいがちがうせいだ。
なおさら。

(つごうのいいことなんてない
とうぜん
いうはおろか)


りょう
すごい。
あたらしいふうけい。

(そよぐ
いったいは
いりくんだせっけい
おうだんしてしゃどうがとおる
ひろいくかくにたちならぶビルディング
まあたらしいがいへき
ガラスばりのぞうけい
そらすらめにする
ひろいかわにはなかす
りょうがん
しないのちゅうしん
さいかいはつ
いぜんにもまして
かわぞいはせいびされ
ほどう
がいろじゅ
ふきぬけるかぜ
かたく
おだやか
きのうした
とし
ありかた
GPSをたよりにみまわし)

りょう
(・・あのひと)

(いってん
とおまきに
たてものからでてほどうをあるくいっこう
かのじょが)

いすず
どうしたの?

(どうかんがえても)

りょう
たぶん。

いすず
たぶん?

いずみ
きょうは。
まるでぐうぜんみたい。


(ふてくされて
だったらいったいなにがある)

あすか
だいじょうぶ?

れいこ
しんどい。
なによ。
ダッサイ。
きらいなのに。

(いんしょう)

あすか
しかたがない。
ちょうどいい。
しょうかいするわ。
きょうのアンカー。
いうとかいけいね。

れいこ
べつに。
いらない。
かんけいないし。

あすか
かのじょよ。

(そのじんぶつはとしいき
くちひげをはやし
ロングヘアでくびもとのうしろでくくる
セーターとコットンパンツにたんぐつ)

こうぞう
どうも。
はじめまして。
よろしく。
おわかいですね。

れいこ
そうですよ。
はじめまして。

あすか
そういうこと。
というわけ。
もういいわ。

こうぞう
もちろん。
かってにどうぞ。
いうまでもなく。

(ひとりさがる
どうかんがえても
さんまんでかんさんとしたもの)

あすか
あんなのが。
ひとってわからないもの。

れいこ
どうして『かいけい』なの?

あすか
じっさいにかいけいなの。
チェックをきったそのとうにん。
きょうのできごとはすべてあれのいこう。
だから。
べつのいいかたではだいりにん。
そういうのをうけおうてあい。

れいこ
ここでなの?

あすか
ばしょが。
ごめんなさい。
いまはメンテナンスのさいちゅう。
きょうつかうホストコンピューターの。
でもすぐおわるわ。

れいこ
わけがわからない。
もうたおれそう。

あすか
きをつけて。

(いまげんざい
かいそうしたふるいたてもの
にかいは
てんじょうがたかくひろいタイルばりのフロアー
おもおもしく
よていのおおがかりなきざいがおかれて
はいせんがしかれ
べつだん
むかんしんにおんがく
よういされたドリンクはアルコールるい
にっちゅうでもはだざむく
すうにんのくろしょうぞく
スーツすがたのかかりがたいきしていた)

れいこ
たしかにうらかたみたいなひとがいるけど。

あすか
ここはもともと『しゅうどういん』だったの。

れいこ
しゅうどういん?

あすか
ぐうぜんだけど。
しかたない。
だからだれのせいで。

れいこ
そういうことね。
あんなおっさん。

(じきに
まもなくセットアップをおえる)


ー part 4 ー

(しきちない
むぞうさにおかれたベンチ
いりぐちのアーチのホールのそば
おもてどおりのようすすらうかがえる
はいざらがおかれ
そこで煙草を)

じゅうじ
しつれんするな。

れんや
またそんな。

じゅうじ
かんがえてもむだだ。
じぶんにうんざりする。

れんや
どんなりょうけん。

(そばにたち
はいざらにはいだけをおとすかのじょ
じぶんとは
ふるくさいだけのたいど
につまることなどおおよそ)

れんや
よていのプログラムは。

じゅうじ
『アーネスト』。
こてんだ。

れんや
ほんとうにこてん。
さんだんするってやつで。

じゅうじ
けっかしだい。

れんや
それでなにか?

じゅうじ
なに?

れんや
なにも。

じゅうじ
しらない。

れんや
なにか。
べつにうらんでは。

じゅうじ
ちがう。
そんなきはない。

れんや
それでいいけど。

じゅうじ
もうじかんだな。
ここでいうべきなのは。
かんがえてもいない。
それをいっておかないと。

(せきをたちたてもののなかへ
かりに
もしすべて
じんせい
サウンドトラック
すべてが
タブのきちょう
そうであれば
たぶん
けれども
いまはめさきのしごとが)


じゅうじ
じゅんびは?

こうぞう
もちろん。
いつでも。

れんや
そうだな。

(きをぬいて
おもむろにふりかえる
フロアー
なぜかめがあう
だれなのか
どういう
みなれない
いまはわからず)

こうぞう
では。
コンピューター。
きどう。

(プログラムがたちあがる
きょうしんする
しゅうい
びどうにゆれるくうかん
しんどうする
しかいに)

Vo
げんざい。
きどう。
プログラム。
OS『アーネスト』。
きどうちゅう。

(ここに
おおわれた
OSのプログラム
かんきょうは
ラテンきちょう
いんえい
ちりばめたゴールド
かがやくプリズム
スポット
うかびあがるすがた
とうにんたち)

OS
ユーザーをかくにん。
パスワード。

じゅうじ
『セービング・アン・ザ・ランス・ロード』

OS
かくにん。
たいしょうをほそく。
げんざいせつぞくちゅう。

(きょむという
がんらい
じつざいせずそんざいはしない
うかつな
たりえて
わかっては
いいえて
はたして
もちえるものと)

OS
せつぞくちゅう。

(プログラム)

れいん
なんだ?

OS
おんせいモード。
にゅうりょく。

(すがたはなく
ひびきわたる)

じゅうじ
なんにちめにあたる。

れいん
みっかだ。

じゅうじ
どうおもった?

れいん
いったいなにがいいたい。
いってみろ。

じゅうじ
なにも。
もんだいなく。
そのうえ。

れいん
どうする。

じゅうじ
すぐに。
まっさきに。

れいん
もういい。
ぐうぜんか?

(なぜかここ
いあわす)

りょう
ちがう。

れいん
どうおもった?

じゅうじ
ほらそれだ。

りょう
べつに。
ちがう。

れいん
よくある。
いえないか。

りょう
けんかごしだった。

れいん
そうかな。
いっけんしただけで。
たしかか。

れんや
なんのこと?

れいん
はなしをしろ。
いいかげん。
なにさまだ。

じゅうじ
たんじゅんにもにふくす。
しってのとおりキーなんてものはあらえる。
いこうがわかればそのけいこうでぜんぶわかる。
じかんをかければ。
すべてふごうする。
ふつうはそうだ。
とりあえず。

れいん
だからなんだ。
すべてせいじょう。
きのうしてる。
バックアップもある。
いかんではない。
もんだいが?

じゅうじ
あいにく。
げんかいがある。
ひつぜんてき。
ばあいに。
しんきのセキュリティー。
あたらしいパターンのよち。
こうちくしこうしんする。
たんてきにもそのプロセスがある。

れいん
けっきょくキーをふやすだけだ。
あまりさえてはいない。

じゅうじ
プログラムはしろくじちゅうさどうしている。
ぼっとうして。
わかりきっている。
ひつぜんてきなほうしん。
それがほんとうのキーだ。
ここでおわるのなら。
すでにさどうしているはずだ。

こうぞう
はやく。
いまこうざににゅうきんされた。
すでにはなしはおわってる。

れいん
いっておくとだ。
たしかにマスターキーはある。
そのうえでのセキュリティー。
だがわたしのいちぞんであるのか。
かんけいない。
すべていこうどおりにだけさどうする。
ごたくをのべずとも。
ふつうはそうだ。
まったくかんかつがちがう。

(こみいっていたもの
いまだ)

れいこ
しょうじきなにかしらない。

(ひとごとのようで
あまり
うながすもの
けれどこのときそうではなく)

じゅうじ
これで。

(こしのホルスターからじゅうを
かまえて)

じゅうじ
おなじことだ。

(そのとき)

Vo
セキュリティー。
ちゅうおうぎんこうこうざににゅうきん。
げんざいかくにん。
アンサー。

れいこ
・・なに?

れいん
きりょうもなにも。
くだらない。
ほんきか。
いちおうきくが。

じゅうじ
さいしょから。
こんかいはそのつもりだった。

Vo
げんざいこうざにぜんがくにゅうきん。
しゅうりょう。
アンサー。

れいこ
そのおかね。
でもなぜわたしが?


ー epilogue ー

(ふるい
みにしみる
うかつさ
きにやむ)

れんや
こいびとができたらしょうかいして。

りょう
すでに。
かたときも。
さいしょから。

(かわべり
せいびされたひろくあたらしいしゃどう
ろかたにていしゃちゅうのくるま
チャコールのカラーがあわいひざしをうける
マセラティー・クワトロポルテ
ドアはあけたまま
こうぶざせきにすわるかのじょ
そのしゅうい
くるまによりかかり煙草を)

いつじ
もんだいなく?

こうぞう
すべて『かた』のために。
こうざににゅうきんされたがく。
どうがくでたうえにきづかれず。
ぜんいん。
はらをくろくせずにすんだ。
ほんとうにこうえいだ。
だからまったくふどうのままおわった。

(とりあえず)

じゅうじ
よかったのか。
けっきょく。
はんだんはできない。
ちがうともいうだろ。

いつじ
さいはいはかのじょ。
 しかたない。
べつにいかんじゃない。
こんかいは。

れんや
これから?

いつじ
かのじょをおくるつもりだ。
ほかはなにも。

じゅうじ
つきるな。
しんみょうだ。
おいぬさまでは。

れんや
わるいけど。
とちゅうまで。
それだけよ。

いつじ
かのじょのよこにすわれよ。
あとは。
いいか?

じゅうじ
わすれものは?

れんや
はやくだして。

(かれらがのったくるまをみおくる
あっとうてきにぬりこめられた
いったいはふかいあお
いまだに
じかんすらさだかでは)

りょう
きみとあう。
ぜったい。

いすず
どうおもったの?

りょう
こんらんした。
でもきみじゃない。
もっとそれはとくべつとおもうから。

いすず
こんご。
どうなることかしら。

いずみ
なにもないとおもう。
ふつう。
そうでしょ?

いすず
こまったことについては。
もんだいがあったら。
なにかはらぐろいもの。
でもいまはなおさらかまわないきがする。
へいおんね。

(どこにいくべきか
すくなくとも
かりのはなし
たぶんねづかない
かわらず
おとずれをまつ
ちんもく
よかんするものはきせつ
いつわはあくまで
とうじしゃとは
もはや
このできごと
さったあとにはなにものこさず
だれも
いっときのものにすぎない)


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『AbouT』 [三文短編小説]

(またしても
だつらくしゃというもの
そのとおり
まちのぞんだ
ろうせいした
としよりのせかい
すべて
かれらはたぶん
なごりのインク
よごれたふるざっし
はやく
きづけ
フィクション
あらゆることはたっせいしたっかんする
もとめうるもの
このまちに
まちのぞもう
そのことにおけるしゅうしふ
じんせいとも)


ー 『AbouT』 ー

(だれにたいしてではなく
それではない
アウトサイダーたちによる
かれらはあくまでいつだつしている
いうまでもない
ほかをめにすることはけっしてない)


ー prologue ー

(まだいたらずの
ばあいに
かりの
シティー・オブ・『バランタイン』
よていどおりなら
まだしゃくぜんとしない
けれどもとうじつをむかえた)


詩人
かのじょはとうちゃくする。
たぶんそのはず。
でもはなしにならないだろ。
ふつうにそうおもわないか?

そうじ
まったくふるくさい。
たんなるいんしゅうだ。
けっきょくなにもかわらず。
しらんかおだ。

(しがいち
ほどうにめんした
ひろいオープンテラス
せきはそれぞれテーブルのかさのした
もくせいのまるテーブルといす
まだんなくおおきなポータブルのストーブ
ひはまさに
そのときはふたりともサンデーをたべて煙草を
詩人はとしゆきでかみはたんぱつ
くろしょうぞくでオーバーをはおる
そうじはロングのボブカット
しろいほそみのながいセーターにデニムのパンツにブーツ
ベージュのロングのハードコートをべつにそばのせきにおいて)

詩人
しかたない。
いまはべつにほんだいが。
わたくしごとはやっかいでしかない。
ありあまるきじゅつをまったくこなせない。
じっさいはくしのじょうたい。
ふでがまったくだめだ。
すすまない。
とどこおってばかり。

そうじ
しらない。
なんのことだ。
かんけいない。

詩人
だからだ。
ぜつぼうてきでありながらも。
ここだけのはなし。
どういうんだ?

そうじ
それでもへいせいにはちがわず。
おちどはおちどでしかない。

(いつごろからか
もんだいばかり
きづいたとき
うごくすべて
いまだつきせぬ
おろかな
まだおぼえておらず
のぞむべき
へんりん)


ケイティー
くろうするじんせいか。
あおじゃしんがありながらもみにあわない。
たえられず。

らんぜ
たえられない?

ケイティー
のぞんだもの。
みらい。
むじゅんなきいきかた。
そんなありかた。
あくまでちがっていながら。
けれどまったくしらないわけではない。

らんぜ
それだったらなにが?

ケイティー
いまいるばしょ。

らんぜ
バランタイン。

ケイティー
そのいしによってゆるされた。
だからかまわない。
それでいきていければいい。

らんぜ
だってたてまえにすぎない。
そんなものはそれいぜん・・・

ケイティー
そのときどんなことをおもった。
どこででもおなじ。
でもはたしてどうだった?
せかいは。

らんぜ
ひとであればまずはじぶんを。
あさはかでものをいまだしらず。
そのせい。
なんのいいぶんもない。
じふがなくじんせいかんなんて。
ほかになにも。
いうまでもなく。
そんなてあい。
どうかんがえたって。
むじょうけんにいきていけるはずがない。

ケイティー
いまはバランタインのしみんだ。
いうとそれはいっときにすぎない。
それでおわるわけでもなく。

らんぜ
もうかんべんして。
うるさいだけで。

(じゆうというものは
そうおもうもので
ぶんめいとはそれにひつぜん
ゆるぎなき
きょうじんなる
とうぜん
じだいせいにおいて
ふごうする
おそらくいまだ
そうけい
しんそうにあたいせず
ぜつぼうする
なんじゃく
むりょくな
せいしをかけたる
おおいなるなやみ)

ケイティー
すでにかのじょは。
おもうだろう。
そのため。
わたしたちとはべつ。
そのはず。
わたしたちはいつもとおまきに。

(らんぜはかみがグリーン
のばしてうしろのくびもとでくくる
ちいさなまるぶちのいろめがねをかけ
そうはくでいんしょうはかたく
ニットのセータにベルトとベルボトムのパンツにロングブーツ
たけのみじかいジャケットをきてくろのうすいウールのスカーフ
テラスのせきに
いつもひとり
ケイティーのすがたはなくかのじょとしかはなさない
らんぜは
煙草すってばかりでうんざり
しょうもうするものはじかんばかり
おもむろにたちあがる
ライナーのあるふくざつなしたての
おおきなワッペンのついたアミーコートをはおって)

らんぜ
もうかえる。
どうかんがえたってよけいなきがする。

(テーブルのうえの煙草のはことライターをポケットに
そこをはなれる)


ー part 1 ー

(テクノロジー
バランタイン・シティーにおけるひっとう
最大手のネットワークきかんできぎょう
『CRES』
すべてはせいぜんとかどうする
さいこうのサービスとセキュリティー
かんせいされたコンピューターしゃかい
ふごうりはない
いかんなどはありえない
さいていげん
しみんはやくそくごと
ひびとせいかつすいじゅんをまもる
そのためにとどこおらず
つねにそれはかんげんされ
うるおし
さいしゅうてきにとりはからわれることでのてっそく
かんぜんなうんえいしょりにおけるしゅわん
すべてはモラルである
おおよそむじゅんがおこらない
そのほうふにていきょうされつづける
文明社会においてユーザーであることのしんずい
きむずかしさは
おこたらず
そしていまだひとは
だからこそ)

Vo
商業地区でトラブル。
そうどうがぼっぱつ。

殿下
かいしゅうを。

Vo
げんざい対応中。

殿下
よういん?

Vo
おもに作家をめぐるふしょうじ。
しゅうぶん。

殿下
そのてあいはまだ。
そんなじょうたいなのか。
いいだろう。

(殿下がさいご
ふじょうり
できごと
あかげでロングヘア
しろいシャツにモスグリーンみつぞろいスーツにたんぐつ
ノータイでがんぶちのめがね
ほんしゃのちゅうすう
ブースにいつものごとく
がんらいかんさんと
ふるくいぜんのオフィスビルのタワー
さいじょうかい
くらくスタンドのスポットだけによるいんえい
おおがたのメインコンピューターのほんたいとマルチスクリーン
ゆかにはわしたかたいケーブルのコードのたば
さいしんのくうちょうによるてきせいのエア
それはげんばどうぜんのせいどをモニターできる
あくまでそれだけのせかい)


ステー
こんなことで。

Vo
まもなく。

ステー
そうらしい。

(ステー
はいいろのショートヘア
あかいルージュをにがにがしくもかみしめる
うんめいろんしゃであれば
デニムのパンツにタンガリーシャツ
くろいかわのジャケットにスニーカー
むかえたよる
さわがしい
おおしく
へいじ
ていこく
そのとおりを
がいとう
まっすぐ
ショーケースからあかり
ちょうどかのじょがとおる
こうさてんのスクランブル
そのときぐうぜん
じょうくうをつうかするヘリ
おもおもしいノイズ)


(めずらしく
しないのこうえんのベンチ
そのぜんぽう
おおきなしょうめいのあかり
サッカーにきょうずるすうにんのがくせい
ゆうは煙草を
たんぱつのかみにぶしょうひげ
まるくびのしろいシャツにくろのじょうげのスーツ
かわぐつにロングコートをはおる
またしてもシュール
こんなとき)

いずき
ほんとうは。
おまえきがくるっていたんじゃないか?

ゆう
え?
なんで。

いずき
おぼえてない。
ふごうりばかりで。
そういうめぐりあわせすら。

ゆう
きみのわるいはなしだ。
だったらどうなんだ。
しらない。

いずき
あねがいる。
それがけっていてきに。
いんがだ。
ちがわない。
だからながねんひとり。
りゆうもわからず。
いじょうなものだ。

ゆう
うるさい。
なんだ。
きいていれば。
しっけいなはなしだ。

(だったら
いずきとは
としがいに
くろかみのかたまでのロングヘア
ほりがふかくかたいひょうじょう
えりのおおきなシャツにコットンパンツにたんぐつ
うえからおおきなオーバーをきる
やはり煙草
みじかいすいがらであたらしいものにひをつけすてる)

いずき
うんざりする。
ひとをこきつかって。
ほんとうに。

ゆう
あおにさいで。
すでにしりにしかれ。
そんなてあいか。

いずき
ひとくちにはいえない。
アブノーマルかもしれないが。
うまくいえない。
ちがうからだ。
こわいはなしだ。
このさきはだったらなんだ。

ゆう
じごくのさたも。
ばあいによって。

いずき
おちたものだ。
さいしょから。
なんなんだ。
わかるわけがない。
はらがたつだけだ。
もういい。

(かれはたちあがる
すいがらをとおくになげ
そしてゆうに)

いずき
かってにしろ。
これでさいごだ。

(そのときそのそばをサッカーボールが
いずきはひろってボールをきようにおおきくけりかえす)

いずき
ごめんこむる。
うんざりする。

(ゆうはうなだれながら
さっていくいずき
なにかどうも
おちこむ
おおきくかみをてでなげつける
ためいき
よくわからないのがこのきょうち)


Vo
ゆうはすでに。

殿下
しっている。
そこまではいい。
あのおんなもうるさいな。
いったいどんなてあいだ。
くだらないはなしばかり。

Vo
ぞくとう。
まもなく。
ウェポンはすでにはんのうを。

殿下
あたりまえだ。
どこのどいつだ。
てんまつとは。
なおのこのごじせい。


(パブのバーカウンター
わるいくせだ
ちいさなまぐち
カウンターせきとスタンド
このうえにまた1パイントのビールのオーダー
かんがえても
ラジオはいつものごとく
まったくへいじにかわらず
つねにゆうべん
どうきでばあいによって
そういうものだと)

しんや
わたし。
どれくらいのんだかな?

バーテンダー
5、6ぱいくらいかな。

しんや
わかった。
たぶんそうだろうな。

バーテンダー
こんやはとくべつなにかあるの?

しんや
べつに。
なんで?

バーテンダー
めずらしく。

しんや
そうかな。
そうそうに。
はやく。
それでか。

バーテンダー
ぶつぎだった。
あのひとたち。

しんや
え?

バーテンダー
そうらしい。
えらいこと。

(バーテンダーとはしりあい
いんぎんなボブカットのわかいおんな
ブラウスにカーディガンにデニムのパンツにかわぐつ
しんやはよくひとりで
かりそろえたくろかみ
くろいほそみのドレスにヒールのくつ
ブルゾンとおおきなかたかけのバックをよこのせきに
めがおおきくメイクをしてそうはく
煙草をすってよくあたまをさわるくせが
どうもしゃくぜんとしない)

しんや
それが。
きょうはどうもあさから。

バーテンダー
あさからいまのじかんまで?

しんや
なにもかんがえず。
どうおもう?

バーテンダー
まあそうかな。
ふだんだったらそんなかんじ。

しんや
ぜったいそう。
だからなんだ。


(ことのしんい
おおむね
『やく』がある
そのため)


あいる
きがつく。
もはや。

(こうりんする
おうおうしく
その生態兵器
『サラマンダー』
いっけんする
そのなのごとく
サタンににせ
おおきな翼と尾
ぜんしんはフレームにカーボンのワイヤーの腱と筋
そのうえにそうこうがおおわれる
いわばチャクラのいちにけっしょう
それによりぞうふくされじゅんかんするクロノ
はっこうたい
ぜんしんはかがやき)

Vo
げんざいのバランタイン(市)。
じょうくう。

(にくはく
こうけい
ネオン
市街地)

あいる
殿下。
このむくいをうけてもらう。

(サラマンダーの両腰の尾翼
そこにおさまるサーベルがはんのうする
それはさやからおおきくちゅうにこうさするようにとびだす
りょうてにとりかまえ)

あいる
これで。

(生態兵器
メカのブースにいるあいる
とくしゅなさんそによるきたいにみっぷうされた
『リキッドエアシステム』のインターフェイス
バイオコンピューターのOSによるサーチ
そのばのかんきょうにみをおく
そしてこきゅうすることによる
いしきによるごかん
その『感覚』
かんきょうによってしりえるもの
そのエクスペリエンス)


殿下
ノーカウントにしろ。
ふがいない。
てんまつでしかなく。

(いぜんだったら
このまちですら)


ー part 2 ー

(こごえるばかり
ぬかるんで
つみが)

しんや
ゆう。
いったいどういうことだ。
せつめいしろ。

ゆう
むずかしい。
はかりしれず。
ぎゃくになにがあるのかしりたい。

(ゆるされざる
おろかであおさが
なんてざまだ
みかんせい
とじこめられたおもい
ふっきれず
いいなり
やばんなものに
じだい)

しんや
じぶんに。
『かんねん』とはそこにおちいることの『さが』。
どんなものだとおもうんだ。

ゆう
ろうごくとしゅうじん。
くらくへいさてきなこうけい。
いたたまれずさからえない。
せかい。
てんけいてきであり。


(しょうすう
だから?
こんわくし
ていし
いうまでもない
おちど
いたらず
ふがいなき
このたびかさなる
いまだのちんもくじょうたい)

らんぜ
わたしはいい。
でもどうしてなんだ?
なんのことなんだ。
さいごになにを。
いったい。

ステー
あまりかんがえるな。
さいごおちどがのこる。

(ていぎなんて
たぶん
そんなてあいでは
あさはか
べつだんと
だれでもなく
かんがえなし
おちど
とどこおる
たどたどしく
いつもだ
どもって
さいごまでききとれない
さいていだ)

らんぜ
だまっていること・・か。

(ふたりが
えきのコンコース
たかいてんじょうとちょっけつするすうだいのエスカレーター
むかいのかべぎわ
おおきなスクリーン
舞台中継の歌劇『エレクトラ』が)

ステー
どうする。
いまさら。
はてないばかり。
じかんのもんだいだぞ。

(だめなてあい
しょせん
なぜらくごしゃばかりが
そればかりのせかい
ふるくさい
いいかげんであるばかりに)


いずき
おおくのひとがいた。
じっさい。
でもさだかじゃない。
なおさらにおおくの。
げんじつてきに。
それでも。
そのていどだといわざるをえない。
げんかいにつぐげんかい。

(じぶんのはこにわとは
ふつうかんけいないものだ
あれこれといわない
じぶんじしん
らくをしているわけでなく
まずはまぐち
おくゆき
めにするもののもんだい
もっというと
きょうめいする
いぜん
てもあしもでず
ざせつしたおぼえすら
すくいはきっとそこにそんざいしない)

いずき
きみはしらぬまま。
とうじいなかった。
ゆえんはある。
ぐうぜんのように。
じだいとはときにしょうしつする。
だがいまだそれをくりかえす。
そうご。
やくそくごとではなく。
ぐうぜんだろう。
まいもどるものの。
もはやおぼえていない。
ぎゃくにしっていた。
そのてん。
じじょうであってかんがえようもない。

あいる
なにごとにもふごうしない。
それでも?

いずき
じっさいにであえた。
ふっきゅうだ。

(あいるとは
ロングのくろいカーリーヘア
そうはくでたんせいでめがおおきく
こがらではなくやせほそり
ニットのとっくりのセーターにデニムのブルゾンとズボンにスニーカー
かのじょはうわぎのポケットから煙草をとりだす
いずきはライターをさしだしひを
かのじょはそれで
いまふたりが
がいとうの
ろじをはいったそのいっかく
タイルばりのフリースペース
かねのベンチとあかいホーンブース
そしてアーチじょうのかご
つるくさがまきつきはなをつける
じょうくう
ふおんでおわりなきくもりぞら
おおきなしろいくもにあめのけはい
あくまでもちょうじかんを
すくいなきていしじょうたいにまだあるようだった)

いずき
よくない。
ふるいてあいとは。
かことはまさにロマンス。
なにはなくともこんわくする。
そのじだいなら。
『PEN』
(プラチナム・エレクトロニクス・ネットワークサーバー)
の令嬢のはずだった。
しらないだろ?

あいる
だれがこんなせかいに。
どうでもいい。
むりやりひきはなされた。
そのことで。
おおくをしらず。
ただむいにすごしたばかり。
いいかげんで。
いいたいこととは。
あのときのけじめ。
けりをつけるだけ。
なにがおきたのか。

いずき
ざんねんだ。
ほとんどのかんけいしゃはそれでおわれた。
殿下のことを?

あいる
しってる。

いずき
そのためだったら?
ながねんちんもくしそのあとのかたぼう。
けっしてすてたものではないとよくおもった。
だからりゆうはなにか。

あいる
ひとりでいい。

いずき
それはわかっている。
はなしていても。
しょうじきレコーダーみたいで。
きみをにんしきしかくにんする。
そのためだけに。
しっていた。
じっさいてき。
がんらいはもんばんようだ。
えいへい。
このまちのいこう。
ゆいいつ。
だれもがれいがいなく。
いわばすべてセキュリティーのようだ。

あいる
なんのこと?

いずき
むずかしい。
かたどおりでかくいつてきではない。
きにせず。
けれどことはいちどにおこるばあいすら。

あいる
もちろん。
でも・・・
いぜんはいったいなにを?

いずき
『PEN』のしゅにんだった。
いろいろとある。
サラマンダーのせっけいかいはつもたんとうした。
いまはもんだいはないかい?
プログラムにとか。
おちど。

あいる
『エレクトロン』のこうあんしゃなの?
じったいのでんしか。
しつりょうあるビジョンのじつげん。
すべてのコンセプトは殿下のおとうと。
ふたごのいわばかたわれでありぐうぜん。
そのたんとうしゃによるものときいていた。

いずき
ねんとうに。
わりにあわない。
しかたなく。
さいあくだろうとだけおもっていた。

(たぶん
おおくはそのつど
かくにんしこうしんされるはず
ゆうべんなわけがなく
ほかのことばとはもたない)


ステー
じかんだ。
らんぜ。

(ことによる
ステーがつかさどる
がんぜんにしゅつげんした
それはちゅうにういた
『神剣』そのぜんぼう
『スターダスト』
なみうつもろはのきょうめんのながいとうしん
じゅもんがきざまれ
ひしがたのつばにはこうぎょくがおさまり
クロノによってさどうする機械式のこうぞう
ほそいつかはにばいちかく
せんたんにながいチェーン
そのさきにかぎ
がんらいてにとることのできる
しつりょうのあるじったいなきビジョン)

らんぜ
ウェポンが。
でもなぜ・・・

(ステーはスターダストのけしん
らんぜはひかれるようにてをのばす
さいしょ
ありえず
こんわくものだった
きづく
そのさなかに)


(このこどく)

しんや
おまえは。
それでいいのか?

ゆう
むりょくで。
ここにおいて。
いったいなにができたものか。

(なんだったのか
ほどう
むこうがわに
ひとけはなく
マジックアワー
ぜつぼうてきに
ならくのように
いまはふがいなき
へんけんはなく
はてなく
おわりはこない)


あいる
まったく。
まわりくどいだけで。

(市のちゅうしん
かのじょによって
こうりんしたサラマンダー
じょうくう
おおきくはねをひろげ
すがた
そのかげにおおわれんばかり
りょうてにかまえたサーベルをこうささせる
ほんたいのフレームによるしんどう
ぞうふくされそのば
くうかんにひびきわたる
いしきに
てにするサーベルにきょうしんする
きゅうそくにのうしゅくされた
きゅうたい
すいしょうのよう
きょくどであり)


Vo
スターダストきどう。
クロノはげんざいマキシマム。

らんぜ
そんなの。

ケイティー
おわりだ。
いやおうなくそうなる。
3・・・。

(ひかりかがやく
てにした
はちょうをきざむ
きょくげん
りんかいにいたり)

ケイティー
2・・・。

(ふるいおこすこと
けっして
いちどではなくても
らんぜはふりかざす)

ケイティー
1・・・。


(サラマンダー
コアのふってん)

あいる
これで!


(そのとき
スターダスト)

らんぜ
『ライト・オン・ザ・レブ』

(それはしかいに
がんぜんにはっこう
いま
じっさいは
こきざみ
しんどうしぶんかいする
たいしょうが
まっしょうされる
サラマンダーのプログラム
こなごな
あとかたもなくきえる)


ー epilogue ー

(だれが(主人公とはいったい)?)


いずき
あまりさえてない。

(むぞうさ
てにしたちいさなブーケをわたす
ちいさないくつかのはながラッピングされ)

いずき
くらいことばかり。

あいる
わたしはゆめすらたぶんしらない。
すくなくともおぼえてはいない。
なにも。
なにひとつ。
ゆうべんではない。

いずき
ゆめではげんじつなんてしりようもない。
あきらかにちがう。

(とりあえず
そこはとうじの商船ビル
そうこがいのならび
そのにかいに
あくまでしらかべのひらけたそれだけのフロアー
そとむきにガラスばりでおもてがみわたせる
ソファーとライトスタンド
そしておんがく
なにもなく
しつないのあかりはとてもあかるく
あさがたのひかりがまどからへいこうするようにさしこむ
いうまでも
れいがいなきもの
だからこそ)

らんぜ
つかれた。
はらがたつ。

(そこにみをおいて
こしかけビールのせんをぬく
こりず
もうかえるべきで
そのうえ)

らんぜ
煙草がない。
きらした。

そうじ
すこしある。

らんぜ
いい。
もうかえる。

そうじ
だったらちょうどいい。
いっしょにでよう。

(いあわしただけの
ホールをでる
かいだんをおりしょうめんからそのままおもてへ
みあげるとこぼれるあかり
たちならぶふるいたてもの
かいがんせんにめんしたハイウェーのこうか
ひとけはなく
まっすぐあるく
あまりにふかくそのひといきのちんもく
そのこうけい)

らんぜ
でていくもの。
けれどいばしょを。
どこで。
どのせかいで。
どんなありかた。
どういうじぶんであったのか。

(いつごろ
それはいまだに
しらずじまい
とほうにくれるだけ
はたして
よういんとはあるものか)

ケイティー
なににたいして?

らんぜ
わからない。
たぶんなんらかのものが琴線に。
のぞむかぎり。
いったいどこにいるのか。
だからじぶんでいられないものか。

ケイティー
もういちど。
あなたはどこいたの?

(ながいじかん
そして
またしても
はかりしれず
むじょうに
ふごうしない
このばあい
ある死について
あるむりょくにおいてのテイク
いたらなさ
そのことについての)


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『Ran ZE 8』 [三文短編小説]

(どうしたもの
せいしするかのように
いこうする
せかいには
いくつか
ごさ
おちどが

あがなうもの

ちょうげんじつ
しんじょうを
ものごとが
じだいというべきことに)


らんぜ
なんだろうな。
たとえば。
むかしだったら。

あれな
どんなかんじか?
もんだいはつげん。

らんぜ
たいどがある。
そんなことでは。
いまいち。

あれな
いっけんするとげんきそうだけど。

らんぜ
よくない。
こういうてあいは。
だらしがなくて。

あれな
やせたんじゃない?
すこし。

らんぜ
そんなの。
いくらなんでも。
じぶんてきに。
でもふりかえって。
ほんとうは『魔術師』かもしれない。
わかるかな?
それが。

あれな
それね。
けっこうそんなかんじ。
わたしってそうなんだ。
それがわからないだろうな。

(オープンカフェ『バーデン』
講座のかえり
ふたりはそれいがいのじかんはほとんどあわない
カフェラテを
ミルクにエスプレッソのショット
おうどうレシピ
そして煙草
それだけの
あくへきとはねぶかい
あまりに
ひび
ひろうかん)

らんぜ
もうかえる。
あたらしいインターフェースにもんだいはなくとも。

あれな
たぶんそうだとおもう。
わたしはいっぱいやりたくてね。
それでかえろうとおもう。
おつかれ。

(そのひインストールしたプログラム
『フリーダイバー』
おもにさぎょうようのネットワークシステム
リアルタイム
どうきするたんてきばくぜんとした
げんじょうやいんしょう
あるイメージやおとでりんじょうするもの)


ー 8 a ー

講師
ひとのせかいとはまさにばんじによります。
そこにはじかんやばしょ。
こじんというありかたにれいがいはなく。
ばあいに哲学的なものです。
そうおもえるとき。
ひとらしいにんしきというものについて。
かりに物理学を。
アイザック・ニュートンがはっした『万有引力の法則』。
うれたりんごがきかららっかしちにおちるいっしゅん。
その万物におけることのはかなさうれいにたいし
そこに『引力』というものがそんざいするというはっそう。
ほかをかいさずじさない。
それこそがにんげんてきなけんかいけんしきである。
いらいのがくもん。
きんねんではさいだいの『相対性理論』について
それはしょしにおけるレイジ
ながらくのがくもんにおけるちんもくといきどおり
めっするというどうりに
こんわくとむじゅんにおおわれたせかい
まよいとふしんを
いっしゅんに
かんじょうもないじょうもかいさない
まっしょうすることによってふりきることでの
さいごのひととしてのてつがく
ニュートンいらいおもんじられる人間性である。
げんてん。
どうりとしたばあいに。
ちなみに『量子力学』におけるさいだいのけんいは
もちろんアルバート・アインシュタインです。
『相対性理論』におけるつどうというけいこう
それをかいめいしないかぎりたりえないものこそが
さいだいの『量子力学』それである。
そのさいごにあたる物理学者であるといわれます。
がくもんとして。
けれどなぜかひととしてのかんせいやかんがえ
そうおもえなくはないものこそがしょしんであるきがやはりします。

(ばかのようにやりすごし
このことのためにないがしろ
だったらなにが
もはや
しょうもうしきった
ついやす
ごつごうしゅぎ
じかんというさいだいのざいさん
いつだつする
いたらずの
ダメージ
ふほんいで
くつじょくてき
いたみによっての
さからいがたく
いらだたしい)

オーナー
どうぞ。
よければ。

(わけもわからず
がんぜんにこうけい)

オーナー
きょうがさいしゅうびなので。
じかんないであれば。
ほかにも。

らんぜ
ありがとう。

(しないのおおどおりぞいにめんした
そのちいさな画廊にたちよった
ゆうぐれどきでぐうぜん
めのまえにかかるおおきなカンバス
えがかれているもの
たぶんがいとうによるろじのこうけい
ぜんたいにうすぐらく
そのちゅうおうによこをむいてたつ
かみがショートカット
げんしょくけいのセーターにロングスカート
いっけんじみなじょせいのうしろすがた
それをえんけいからとらえたもの
油絵でパステル調のうすくたんせいでめいかいなひっち
てんじされたものはそれほどおおくはなく
おもてはショーケースごしにもまっさおだった)

らんぜ
なるほど。
タイトルは『さりがたき家』。

えいら
おぼえているか?
なぜだった。

(いっせんを
そのとおり
めにした
やはり
ひきこまれたということだった)

えいら
いまいち。
そうではないはずのものが。
しょうじきにも。

(それについて
まったくアンラッキー
すでにては
どろねんど
ぬかるみくずれそうな
まのあたりにして
いま
いくじはなく
おもわぬこと)

らんぜ
『ブレーカー』

えいら
キャンセルだ。
けんがい。

(なぜ
いきなりエンディングとおもわざるえない
そのいんしょうがぬぐえず
はたして
このまま
そうならざるをえない)

らんぜ
やはり。
おわり?
ここで。

(よくわすれる
そうぐうし
きはくの
そんざい
いみ
べつに
いこうが
おぼえていられるはずのものではなく)

いざなみ
どうするつもりだ?
またしてもだな。

(げんてん
おおまかに
ただ
りんかくを
ねなしぐさ
かりにこじん
きょうゆうできず
いわざるをえないじじょう
とろうばかり
むしけら
あくじゅんかんである)

いざなみ
わこうどの。
まるで。
このうえになにを。

いざなぎ
しにんにくちなし。

(だったら
そんなはこにわ
ろうごくだった
でていってとうぜん)

らんぜ
いつわりのため。
どれほどにつみが。
もくてきとは。
いったいなにをかんがえて。

いざなぎ
はなしをしよう。


ー 8 b ー

(ちかてつのれっしゃない
つりかわをつかみぼうぜんとしていた
となりにたつスーツすがたのおとこ
かみをたんぱつにかりあげめはほそくやせこけてたんせい
おおきめのくろのじょうげにまるくびのしろのシャツ
そしてむかいのざせきにすわるおんな
おなじくじょうげのスーツにブラウス
みどりいろのロングヘアでメイクをしかたく)

いざなぎ
ふぬけみたいだな。
だからか。
しかたがない。

いざなみ
むりのようだ。
そうおもいこんでるみたいで。
じぶんてきに。
まったくなにもしらずわかってはいない。
わからないということのために。
むじゅんにきづかない。
ほんらい。
ちがうはずが。

いざなぎ
こんなてあいじゃだめだ。
たっかんしそうだ。
もうなにもたりえておらず。
どうりはそこにおいてありはしない。

いざなみ
あたらしいひとならそれでいい。
べつにそれいじょうおもわない。
ひげきだったら。
たぶんぜんいん死刑。
のがれられず。
てんまつは。

いざなぎ
はなしをかえよう。
べつに。
かんがえてみてもいい。
ぜんいんについて。
そうすると。
もういない。
いなくなっていた。
すでに。

いざなみ
そうだった。
ばかなはなしではある。
きょうげん。
いっかいの。
だれも。
しんじようともせず。
かりに。
そういうものだった。

いざなぎ
むざんにも。
つみをおぼえる。
さからいがたい。
じしんではたりえない。

いざなみ
きがくるう。
『ああ、しまった。
なんてことだ』
あまりに。
れいがいはなく。

いざなぎ
ておくれ。
てんまつとする。

いざなみ
かわらず。
ごつごうしゅぎに。
まにうけず。
くうろんであって。
むかしばなしがあった。

いざなぎ
いつおこったものか。
はたして。

(ひとはどこまで
ゆうこうをしめす
あくまで
ぶんめいが
おうおうにして
ありえず
おりあいがつかない
ドグマが
なにをいだかせる)

いざなぎ
かくしんではなく。
あくまでも。

(そのとき
ぼんやりと
らんぜはすざくのへやできづく
たちつくし
すぐにきをとりもどす
ふるめかしいひろいまどりのアパートのいっしつ
たかだいのおくまったばしょ
みなみむきのへやからはうみが
ひはくれて
すかしたガラスどからそよぐがいき
しつないはねんだいもののシャンデリアのだんしょくあかり
おおきなもくせいのしょくたくとサイドボード
べつにひくいソファーとテーブル
オーディオとかびんにはいったせいか
かべにはがくぶちのしゃしん
そしてしろもののまあたらしいでんかせいひん
くろいカバーのかかったボックスのピアノ
すざくはとしいきのろうば
ながいむねまでのはくはつのかみ
やせこけめがおおきい
ブラウスにベストにデニムのパンツ)

すざく
どうしてか。
どうして?

(すざくは煙草にひをつけた
ふかくひといき
うでをくんでたらしらんぜをみる)

すざく
いつからだった?

らんぜ
さすがには。
とてもはなしにはならない。

すざく
いわれたせいで。
それともてまえがって?

らんぜ
そうおもっていた。
なにもできないことがりゆう。
あきらかなざせつ。
それいらい。
ほかはかわらず。
あまりそうじゃない。

すざく
だったらいまさら。
まだあるとおもう?

らんぜ
どがすぎる。
ぬけさくで。
いたたまれず。

(すざくはれいぞうこから缶ビールをとりだしせんをぬく)

すざく
くいているつもり。
そればかりで。

らんぜ
それですらない。

(すざくはビールをくちにする)

すざく
かわらず。
あきらかで。

らんぜ
まるでみなしごみたい。
つたない。
そのせい。
いたたまれず。
そんなばあいにあるのか。

すざく
ておくれで。
きまっていたはず。

(らんぜはしょくたくのうえのカンパリのボトルをてに
そばのグラスにそそいでのむ)

らんぜ
つかれた。
もうしょうじき。
おしまい。

(すざくは
煙草をふかくすってはいざらでもみけす)

すざく
だめなものは。
もののかんがえかただとおもわない?

らんぜ
でくのぼうで。
そんなてあいじゃなかった。

(ゆっくりと
おかれたバナナのパウンドケーキをナイフできって
スライスしたパテのソーセージといっしょにたべる
煙草にひをつけ)

らんぜ
はずべき。
おかどちがいにいろんはない。

すざく
まったくこりつむえんなきがする。
こどくでこどくでしか。
そのことだけでも。

らんぜ
かぞくがいれば?

すざく
ちがう。
しこうせいで。
わからなくはない。
たぶんそういうもの。

(やはり)

すざく
かえるばしょ。
やはりどうあっても。
かならず。

らんぜ
きづかずのままで。

すざく
でもほんとうだった。

(とりもどす
さきほど
こうけいはいま
そのじてん
いこうして
ふうけい
しきさい
びょうしゃは
おもくるしくへいさてきなビルのたにま
ほどうにがいへき
みあげる
しゅうい
えいらとはここのぜんいき
すがたはなく
おもわすものは
あるぜつぼうてきなはいかい
なんどくりかえそうと
てんまつにはいたらず
しいられ
ぬけだせず
はやくかいしゅうしなければ
このあくじゅんかんから
じぶんを)

 Vo
プログラム。
『ブレイバー』をインストール。
『DSVR』アカウント。
らんぜ『ブレイバー』をアップグレード。
『ブレイバー』のしようをきょか。

(ふがいない
なんどもやぶれる
おこたる
おちど
そればかり
なおさらに
またふりだしに
こんなん
ちんもくについて
みおくる
いつでも
おなじてんまつ
いちどもいだけないこと
それはかくしんだった
いまだ)

らんぜ
『サードアイ』

Vo
サーチ。
たいしょうをかくにん。
ほそく。

らんぜ
『FTM』

(いちれん
そのプログラム
じしんのじったいを電子化することによって
そのためにゆうこうとなったショートカットのキー
いこうする
いっきにずじょうたかく)

らんぜ
『ブレイバー』

(でんげきが
ロックオンしたちゅうすう
たいしょうを
こうでんあつのやいばがつらぬく
じょうくう
こぶしによってたたきつける
じったいはなく
ほそくされた
すでにふかぶかとうもれる
やけてたんかした
えいら
そのくだけちったビジョン)

Vo
『ブレイバー』しゅうりょう。
らんぜ。
『ブレイバー』グレードアップ。
『2ステージ』。
『DSVR』アカウント。

らんぜ
どうにか・・・まだいきていられる?

(かわらず
さきほどの)

らんぜ
ありがとう。

オーナー
いえいえ。

(画廊をあとに
おもてをあるく
あたまをひやし
ただ
いまは
かえろう)


ー epilogue ー

(そのじだい
『おうこく』とは
けいけんではなく
なにもおもわず
すたれ
なやみだけは)

れいこ
くさったな。
いまになってどうして。
まださとれてはいない。
よわねを。
なにがいまだ。

(ふうけいだった
たんてきで
つよくいんしょうを
かんじるものは
せんりつのように
ホリゾン
かたく
おぼろげで
いつからか
きちょう
ばあいによって
かわらず
ばしょは
こうしんする
おもかげ
さいしょに
めに
みみにした
あのこうけい
しょうしつするほど
そんざいした
かたくなの
げんてん

こんかいはここまでです)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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『Ran ZE 7』 [三文短編小説]

(ことのおこり
あるせかい
ひとびととは
とおまきにも
ながらく
かれらのことで
いつごろか
おぼえてはいた?
じじょう
このよにいたった
むかし
そんざいしていた
いきさつ
いまにいたるまで)


しずな
やはりそうでした。

(きゅうしする
あいま
よそみするしぐさ
このせかいにもじゅみょうが?
はてなく
いまだ
かわらずの
がいねんすら
さだかではない
ゆらいする
かりに
さいごを
しらずじまいの
けはい
そばに
じっさい
いまだにおいて)

やすひろ
わかるわけがない。
それはぜったいに。

(われにかえって
にちじょうに
へいじの
さくごがある
あいまの
どうしても
おもういじょうの
ねぶかい
いわざるをえない)

教師
だめよ。
ちゃんとね。
ほかにかまけないで。

しずな
もう・・・わかってます!


ー 7 a ー

くれい
『天井画』というものをみたことがない。
しゅういつなものとは。
みあげるとひとがこちらをみおろしているようすが。
うえからそういうふうに。
せかいというもののいわれでこうずをしめす。

(そのばしょとは
ながらく
がいようにはいまだいたらず
たんてきに
ちんもくするとしつき
さだかになく
しかし
けっていてきにそんざいした
けっかとして
そのそうしょうは
『ベルトナ』

とうじランディーのしんじょうだった)

いずき
こんわくもの。
あのひとってイカレてるってきがやっぱりとね。
ほっさてきで。
こだわりがあるせいかな。
むずかしいとおもうせい。
おかしい?

かずさ
べつに。
うまくいっていないわけじゃなし。
そうじゃないの?
たんじゅんなことじゃ。
むずかしいの?

いずき
かんがえるとさっぱり。
なにも。
なにもたりえず。

かずさ
そんなにふかい?
ふつうじゃなし。
むしろぎゃくにね。
いうと。

いずき
まあね。

(すこしかんがえて)

かずさ
あのたんとうのひとってどんなかんじ?
れいのポストの。

いずき
あたらしくばってきされたひと。
きょうみある?
ふつうよ。
でもどうしてかな。
じじょうは。
それはしらない。
りゆうまでは。

かずさ
わかいから。
しゅうさいとか。
そういうひとかな。

(かりにうそつきで
しらずのまま
さだかでなく
うらぎりものであって)

かずさ
あってみたいきがしていたから。
それをいっておきたくて。
とりあえず。
でもそういうわけでもないからね。

(ふたりはごご
ガラスごしにおもて
おくがいのテナント
モールのちゅうすう
ろじにならってならぶ
てんないは
げんしょくけいのしきさい
パイプいすにカウンターテーブル
てんじょうはじゃっかんとたかくダクトが
しごとのあいまのきゅうけいじかん
おそまきの昼食だった
プレートのサンドイッチ
グリルチキンとグリルやさいにチーズ
かたやツナのオムレツにトマトソース
フライドポテトとクラムチャウダー
そして珈琲
いずきはあかげのボブカットにしろいまるくびのブラウス
じょうげにデニムのブルゾンとパンツにスニーカー
おとなしくとも)

いずき
ほらきた。
どこからか。
あくまでリアル。
そんなかんじがする。
ほんとうにそうね。
ほんにんだわ。

(やすひろのすがたが
ぐうぜんみせに
ふりむききづいてそばのせきにすわる
テーブルにばんごうふだをたて)

やすひろ
いい?

いずき
どうぞ。
もうきゅうけいなの?

やすひろ
まあね。
きみらも。
ほんとうに?

かずさ
こんにちは。
ブラウニーのかれね。

いずき
『あなたとブラウニー』のゆらいのひと。

かずさ
こうえいです。

やすひろ
それはね。
ゆうめいないいぐさだ。
とうじはやってたポップスのことだろ?
ぼくがさいしょにきいてそれをいったのがかのじょ。
そのいつわのスラングだ。

いずき
そういうこと。

(やすひろはめがうすくふたえでほりがふかく
かみをかりそろえくちひげ
 セーターにほそみのコットンパンツでうえからジャケットをはおる)

かずさ
しごとはどんなかんじ。
うまくいってる?

やすひろ
かんがえどころだよ。
しょうじきなにをやってもだめなきがする。
ぶなんであればじょうとう。
ほんもうというべきだよね。
いまはそういうかんじ。

いずき
ぜったいうまくいってないとおもう。
よくこりつするから。
そんなひとよ。

かずさ
わかりそう。

やすひろ
べつにそんなのかんけいない。
そっちは?

いずき
いちおうはね。
もうもどらないと。
まだしごとがあるから。

やすひろ
がんばって。

いずき
それじゃあ。
またね。

かずさ
ありがとう。

(ふたりはトレーをもってせきをはずす
ひとり
やすひろはこまったように
オーダーがせきにはこばれてくるあいだ
モバイルをとりだしながめていた)


しずな
どこにいても。
こんわくするそのきょうつうのいいぐさ。
ゆるぎない。
やきつくほどに。

(ひとり
スタンス
まさにわれらが
くりださんばかりに
そのまちは
いつもの
そのはず
よくじっさい
みちをまちがえ
くりかえすものは
おなじうかい
さらしもので
つうかして
めにうつる
かたくおもいしる
どれもが
びりょうで
びみょうな
つかれ
うまくいかない
ばあいで
とりあえず)

しずな
こんなことすら。
すくなくとも。
おおむかしのはなしじゃなし。
すうねんのごさはおおきい。
できごと。
いっていで。
せいめいせん。
いまさらどうしたものなのか。

(そのときは
ちかてつ
れっしゃないに
ざせきにすわり
ふうけいは
いんしょうはかわらず
そのねんりんすらおぼえるもの
こうしんされゆく
りゅうぎ
つうかしていく
こうこく
アナウンス
ていしゃするえき
まあたらしいホーム
ひとびとありかたは
いれかわる
そうじて
うごく
とけいのようでも
このバイパス
ほとんどねむらず
じかんは
うつろい
ゆえん
そうにちがいない
あるかくしんが)

魔神
さいご。
きみこそがひとり。

(このこえ
じかにはなしかけてくる
すがたはなく
かのじょはしらない
すどおりするようにもきこえるものであって)

魔神
かりにしりあえず。
だれひとり。
れいがいなく。
ふしめをいだく。
てんきがある。
おなじことだ。
そういうもの。
もしも。
このぶんめいやせかいはざんねんながら。
きみがしっている『もういっぽうのせかい』は。
わるいがここはこのままでおわる。
もうすぐ。
りゆうもきょうくんすらのこさず。

しずな
ずいぶん。
まるでしにゆくみたい。
じゅみょうなのかな。
そんなきがしたけど。
もうおわりというの?

魔神
ゆうよはある。
それいがいなにもない。
じかんがくればとぎれるように。
かんがえるよちはなく。
おわりむにかえす。

しずな
いったいなにが。
どういうことをいっているの?

魔神
このままここまでの。
かたみち。
じきに。
くだってみろ。
このてんまつを。

(しずなはだっしょくされたグレーのカーリーのショートヘア
めはなだちはほそくたいかくはかぼそい
ちいさなまるぶちのめがねをかけ
くろのタンクトップにみつぞろいのスーツとたんぐつ
にがにがしくおもう
シュールで
そんなものは
そのいいぐさでは
もったいぶっているだけで
めいわくなもの)

しずな
いうところのこの『ベルトナ』とは。

(しかいに
しゃないの
しょうめん
そのかがやくでんりゅうをおびたすがた
かっくうしてがんぜんをよこぎることの
まざまざとめにうつった)

しずな
『サンダーバード』

(きょをつく
そんざいが
はんぶんはビジョン
かがやく
おもわず
むじょうけん
たちあがりしゃりょうをわたる
あとをおって
そうこうちゅうのれっしゃ
れんけつぶのとびらをあけくぐり
せんとうのしゃりょうへとむかう)


殿下
おおよそぜつぼうするぞ。
かんがえるよちはないんだぞ。

くれい
おちどはない。
じぶんたちで。
でももっとちがう。
ただことのうわまえをはねるだけじゃない。
そんなことですらない。
じゅうぶんに。

殿下
でもなにをしている?
このままであれば。
しゅうたいだ。
だからもっとはたらけ。
しごとをしろ。
それをあえてむじょうけんにでもするべきだ。

くれい
いまであればまだそうけい。
じっさいてきにはまだてがうてない。
それがあるためで。

(オフィス
くれいの
どちらかというとがくしゃがたぎ
かべはあかがきちょうでちいさながくぶちがかかり
ラックにはスチームしきのコーヒーメーカー
かんようしょくぶつとサーキュレーター
ほんだなにならぶソフトウェアーとせんもんしょ
おおきなデスクトップPCがひろいもくせいのつくえにおかれ
そのまえのふるめかしいかわいすにすわりじむをする
めずらしく殿下がおとずれたそのひ
そうせつされたばかりだった企業
いまだじょばん
うみべのしんこうちいきにたてられた
そのしゃおくは鉄筋コンクリートの
ひろいまぐちでていそう
そっけなくかんさんとした
けんきゅうしせつのようだった)

殿下
はじだけはかかすな。

くれい
どういう?

殿下
だれのせかいだ?

くれい
そんなの・・・。

殿下
げんじつをみろ。
いつでも。
さっさとしごとをしろ。
いったいなんのため。
わからないわけがない。
いつまでこんなじょうたいだ。
いまさらいたらないことが。
なにがいったい。
すべてこうぜんたるものであって。
どうおもう。
すでにだぞ。

(くれいはいきをついてうなだれる)

殿下
それだけだ。

(そういってへやをでる
くれいはくじゅうの
いまいちうまくいかない
いいえない
たりえていないか
やはりもんだいが)

くれい
こまったもの。
でもだったらなぜポストが?
めいせきでは。
そのためだけに。
殿下か。
ふたごのあに。
いぜんはかおすらあわせたことがなく。
うまくいかない。
なにをしても。
ざんねんながら。
じつじょうは。


魔神
だれをおもう?
いまさら。

しずな
おなじ。
じじょうは。
じぶんはそうじゃないとだけ。
いつだってそんなことで。

(おって
どこまで
そしてどこ
かべとゆかはこげちゃのタイルばり
その回廊というばしょ)


ー 7 b ー

(じかんによりじじょうとは
すでにいこうしていた
リミット
さいだいの
さわぎ
そうどう
じしんによってなしとげる
なりかわることでのぎゃくてんげき
このばあいはちがって
やくそくされたいいぐさはなく
おおきくことなる)

やすひろ
まさにここでヒステリーにいたるということ。

(あきらかに
ふいによぎる
べつの)

魔神
ほかによういんやいいぐさは。
なにひとつ。

しずな
おわり。
ざんねんながら。

(とつじょランディーにぼっぱつした
しみんによる
ぼうとでありぼうどう
かかえたこのこんなんは
よういんはざんねんながらふじょうり
むじょうけん
いかなるちゅうしゃくもなかった)

ゆう
どうなってる。
こんなことで。

(いじょうじたいに
ランディーにおける、ゆう
このさいはてでどうこうをうかがう
もはやいきどおりだけ
そして
すでにしないではひのてはあがる
ほうぼう
そのうえのノイズ
むじょうけんにてんかいする
そのモンスターのイメージはたいとうし
しみんたちはいにもかえさず
うわのせに
ぼうそうをかそくするだけのこうい
じんだいなるもの
いわざるをえない)

ゆう
『スターダスト』のしようをきょかしてくれ。

(『根の国』は)

ランディー
だめだ。
それはまだこのせかいにはない。

ゆう
とめられないぞ。
このままでは。

ランディー
しかたがない。

ゆう
どうして?

ランディー
これはいったいどういうできごとだ。

(しぶりつつ)

ゆう
じっさいなにもかんがえてはいない。
さいごまで。
ひとびとはほっしなかった。
たいぎを。
だがそれでもこのばんこうだけは。
いっときにおいても。

ランディー
かのじょがくる。

ゆう
かのじょ?

ランディー
かりはそれでせいさんされるだろう。
それをかくにんしてみおくれ。
おまえのりょうぶんだ。

(このマインド
おおきくみだれ
そのどうもうなひのて
こうおん
あれくるう
ぼうそう
きょうじんにしてとどまることはなく
ほのお)

くれい
なぜノイズがでている。
こんなにもさいていなのか?

(仕事中だったためいまだ
PCのモニター
ほうぼうのセキュリティーのVTRが
じじょうはどこもおなじらしく
しかたがなく
これがアンダーグラウンドの
げんざいのマインド
まさにさいあくの)

やすひろ
だからいわんこっちゃない。
このまま。
もうろくするのか。
ふがいないない。

(パブのカウンターせき
そのもようはモバイル
てんないのてんじょうにすえたモニターに
べつにいちれんのライブえいぞうが
ゆうぐれにひとしいじかん
じゃっかんのきゃくのいりと
ワンパイントのジョッキをひとりであおる)


クレイン
こうしん。
プログラム
『FTM』
(フリートランスモーションシステム)
アップグレート。

(かのじょがみにつけている腕時計『クレイン』
クレインはクロノによってさどうするコスモグラフ
うすいチャコールのケース
もくめによるもじばん
そこにさんれんのぎんのふちどりのスモールセコンド
かたほうのみみにたんまつのイヤホンを
ウェポンがきどうする)

魔神
なにをかんがえている。
いまさらならば。
けんかいが?

しずな
そうじゃなく。
いぜんに『リキッドエアシステム』のがいようをしっていた。
とくべつなエアによって
ユーザーのかんせいにひやくてきにはんのうする
そうほうこうのスペックとポテンシャルをえる
そのかんきょうでじょうたい。
けれどいまはざんねんながら。
わたしがかんがえているのはエレクトロン。
じったいをかいせきしデータどうぜんにへんかんするテクノロジー。
このことでおおきくかわるもの。
あきらかにちがってくるもの。
とくていのものだけではなく。
ひやくてきにこうじょうするはず。

(げんじょう
ランディーはノイズをはっしつづける
『サイクロプス』と『死霊の騎士団』
がんらいイメージのはんぶんはじったいどうぜん
せいぶつがたがサイクロプス
ごうせいせんいによるせつ
きょうじんでかたいそうこうをみに
どくじのプログラムによってうごく
死霊の騎士団はオートマチックこうぞう
とくしゅなフレームとワイヤーのはいせん
ぜんしんをじゅんかんするクロノのバイパス
かたくタイトでスエードのようなしつかんのよろい
ながいサーベルをくしして
そのしゅつりょくはおおきくはかく
しないはうっそうとしたきちょう
ふかくぬりこめる)

しずな
『パッション!』

(そのときにじょうくうを
かのじょがはっする
だいようりょう
こうあつのでんりゅうがふりそそぐ
でんげきはいばらのつたのようにはい
つよくねじきるようにくいこむことでやきつく
そのいったいは
だいぶぶんはちんもく)

しずな
『タイムセット』

クレイン
『カウント』

(ランディーにビジョンをおくったしずな
かのじょがそこにいられるじかんはわずか
サンダーバードによりけいじされた
げんざいのマインド
ベルトナは
いこうする
ランディーとのディゾルブじょうたい
ベルトナというポテンシャル)

しずな
いっきにしとめる。
フルモーション。
『クロッシング・ダウン』

(さいど
けっていてき
きょくどで
じゅうどの
だげきをたたきつける
そのばにおしつけることでの
じゅうりょくによるかあつとほうでんによるスパーク
しんどうするかにふかく
こうぞうじょうのきほんたんい
つぶされまるこげになってたんかする
ここにおけるスペック
かのじょがぶぶんてきにでもあつかえたいおうできるりゆう
それはがんらいベルトナのじゅうにんでありきしつがある
せいらいの異能者であるためだった)

いずな
とりあえず。

クレイン
『セット』

(いまのげんじょう
ちんせいかした市街地
こうりょうと
もはやもえさかるひのてすらなく
ノイズはちんせい
いまはなにもうかがえず
まちはあとかたもなく
いったいはぶぶんてきはいきょだった
ちんもく)

しずな
ひかり・・・。

(そこ
わずかなそれがめに
トーチ
つよくかがやく
いってんに
いっしゅん
だがそれは
それはきゅうげき
いっきにもえあがりぼうちょうする
いっせいに
がんぜんにうつりせまりくる
ふれられるかのよう
しつりょうあるライトがおおいつくす
のみこむことでの
きょうじんな
ぜんけいへひろがる
しゅういに
むに
とりのこされたようにビジョンだけが
そのぜんぽうにあった)

しんや
『おまえだな。
まっていた。
けじめを』

しずな
いったい・・・
だれだ?

(しんやはあおいかみのロングのボブカット
きゃしゃでおおきなこっかく
タンクトップにかわのパンツ
あかいつめでりょうてにはばのひろいそうしょくのうでわ
そしておおきなさんれんのゴールドのもんようのくびかざりをする)

しずな
じかんは・・・まだ。

(ふいに
おうごんのすながまいあがる
みわたすと
のぼりゆくこうけいが)

しんや
『ここで。
そのことでのディスタンス。
またして。
こうしんする。
とどこおらず。
つねに』

(そのしゅういのパウダーはけっしょうかする
おおきないくつものりっぽうたいになってつらなる)

しんや
『きわめるべきじぶんというもの。
いまだ。
それはまだみめいに。
こんごにも。
そのきょうくん』

(けっしょうはいっせいにくだけちる)

しんや
『クラッシュ』

(ぶったい
こなごなとなってふりかかる
つうじょういじょう
こうはんい
しずなはてをこうさしフィールドをはってふせぐ
ぜんぽうにしいたえんじん
だがそのもうこうにはけおされんばかり
しょうげきはおおきくつよい)

しんや
『あまりほねがない。
いいだろう』

(ブレスがおさまり
まきあがる
ふりだしのように
ふたたびさいどけっしょうかをする)

しんや
『このできごとについて。
ほとんどはいみをもたない。
おまえをこのてでしとめればじゅうぶん。
それいじょう。
それはないだろう』
ゆう。
すがたをみせろ。

(ゆうはだまってあらわれる
すでにしゅういにじったいはなく
ちゅうにうかぶそのすがたはゆいいつ
そこは
しきさいに
そのこうけい
『ピンクフロイド』にそまりきったばしょ)

しんや
おまえは。
こんごともだな。

ゆう
たぶん。
もちろん。
そうだろう・・・

(かのじょはいったい
どこにいるのか
しんそう
げんじょうは
とおく
どうちょうする
こんなときに
じつざい
そんざいしている
いまだそのばしょに)

しずな
てもあしも。
このさき。
みおくるだけでしかない。

(たそがれどき
こちらがわ
さいごのひざし
ゆうぐれにふかく
ベルトナはやはり
そらにうかぶこうけい
すかしてランディーのじょうけいが
どうしてか
きにやむ
わからずじまいだった
なにものであって
りゆうはわかりかねる
じぶんたちというもの)

魔神
ぐうぜんではなく。
ありえず。

しずな
このまちは。
そのためだけにそんざいする。

(ベルトナの
がいとうにいる
ひとのけはいはなく
はばひろいとおりにがいろじゅ
かぜとそよぐおと
たちならぶいくつものビルディング
しひょう
てんけいてき
ぶんめいのショーケース
かたくとてもゆるぎがない
いまではそのゆうしゅうをたたえているかのように
スコールをそうきするほどにメロウな
このばしょ
ここにぶんめいがあったことがさいごとなる)


しんや
『まっしょうすることでのりょういき。
わたくしごとであれば。
なしえてこそのありかた』

(なにか
やはりいみしんに
びりょうの
いろとりどりのびみょうなひかり
ただよう
きらめきおりかさなって
けはいにきづかず)

 しんや
『おわかれだな。
これで。
むにかえす。
そうしておわるものでしかなくだ』

(ただまっしょうをとなえる
そのときぜんごして
いれちがう
どうきにだった
きらめく
むすうの
ビートによってはじける
いろとりどり
フレーバー
こうぎょくによるダスト
しんじつをとげるそのスプラッシュ!)

しずな
『FTM。
それはシフトする。
どうきにちょっけつにいれかわる』

(ビジョンは
ふかぶかと
こぶしによって
いっしゅんにしてこのきょりを
あっさり
いまはしんじがたく
しんやのはらはつらぬかれていた)

クレイン
『タイムセット』

(しゅうりょう
しずなのビジュアルはきえ
ちょくごにベルトナはあんてんしちんもく
なにものこさずすべていっせいにきえさる)

ゆう
ねえさん。
ちょっとこれはね。
しかたないらしい。

(ちょくご
ランディーはふっきゅうさいきどうした
それがげんざいにおいてなおいたるげんじょう)


あいる
あのできごとだけでも。
ただぐうぜんだったのか。
はたしていまでは。

(いまにして
おもうこと
おうおうに
むこうがわ
いんがを
ばくぜんとしていたころの
まぼろし
げんじつにはほどとおい
げんじょうとは
こんなんにたっかんはできず)


ー epilogue ー

(いちにちをへやでくさらす
じぶんのじかん
そこにどういうせつりやどうりがかいざいするものか
煙草をやって珈琲
ごぜんちゅうからごご
ゆうぐれからよるに
ぼんやりとした
よくおとがしないのか?、とおもうことが
じしつでのせいかつとはひとりであってシュール)

あれな
じぶんのはこにわについて。
わたしはどうしたものかな。
しっているひとたちに。
わすれさりそうなほどにながくいまだになにも。

エボ
じぶんではおもいあたらないのか?

あれな
どうかな。
そざつなてあいだから。
むかしから。
なにをみてもどうもいまいち。
ふつうじゃわからない。
おおよそりかいできないはず。

エボ
それでもまだなにか?
かわらずの。

あれな
なにを?
べつのばあいやそういうものがもしも。
でもどうなんだろう。
ただとおりすぎるだけで。
ちがいがなく。

エボ
うかつにはできない。
しかたがないものはひつぜんとある。
そういうものにれいがいはなく。
せいぜんとすらするもの。


(そのじだい
そのできごと
げんざい
そしてなお)

やすひろ
おもいかえしてみて。
あおじゃしんがありながらてをこまねいていた。
こんごには。
さいへんがひつようだ。
もっとブレーンがいる。
そしてはたらく。
たぼうだよ。
きりがない。

いずき
しほんのこと?

やすひろ
すべておさまるべくしておさまる。
さいしゅっぱつだ。
さいど。
しゅうたいだけではない。
いろいろうるさいこともだろうけど。

(そのひ
いつもながら
とうじのかたらい
これからのことにまたこんらん
あるじだいにはいんしょう
しかしいまにおいていちからの
ほとんどのできごと
ついじゅうしたベルトナのしょうしつにおわったせだい
そのためだけの
かりに『アスカプロジェクト』としょうし
じっさいには
こんらんとざせつ
ことのけじめ

こんかいはここまです)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


共通テーマ:blog

『Ran ZE 6』 [三文短編小説]

(てがかかる
どうしたものか
ふぐうにばかりおもえる
いらいのろうばいが
いいおよび
ちんもくせざるをえない

そうしつ
じぶんこそをとりもどす
うばわれたのち
ゆいいつてにするもの

てっそく
ひとにはかりにつばさが
おおきくいこうする
しひょうでありただいなるもの

まぼろし
せかいとは
あんしょうする
しのごとく
すくいとは
さとること
ようやく
このさがにこそゆえんがあるために)


ゆう
そのひとなしには。
いつでもそういうしんきょうだった。
しんじょうである。
なおさらいこじで。
よわねばかりを。
おくがなくおろかな。
みにくいてあいというだけだ。

だるま
よまいごとか。
きいててふゆかいだ。
しょうじきなところは。

ゆう
そうかな?

だるま
いいかげんないいぐさだ。
きはたしかか。
ふつうくちにするか?

ゆう
だったらまず。
ようけんをいってくれ。
それがまだだ。
だからだ。
なんのようだ。

(だるまはにがにがしく
こんなばしょ
そんなばあい
おおよそにきのりするあいてではなく)

だるま
きんきゅうじたいというべきだ。
だからちからをかしてほしい。
じっさいに。

ゆう
このてあいで?
いいのか。

だるま
それについてだが。
なぜいつもまるごしなんだ。
いぜんのウェポンはどうした?

ゆう
あれはなくしたんだ。
なくなくではあったがな。
いいたいのはそんなはなしなのか?

だるま
ちがう。
もんだいはじんだい。
そしてそうきゅう。
とめてほしい。
ておくれであればおわる。
れいがいはない。
よういんであるそのもののくじょ。
それいがいにない。

ゆう
・・・なるほど。
だれなんだ?

だるま
『じゅだ』
あのかただ。
それほどのこんなんにはちがいはなく。
それにかんしては。

(ランディーのきょくち
ふたりはそこに
きょうかいのはざま
ぶんめいにおけるたんてきな
いっぽうてきにはいせきされたことでの
ことなるけいじょうのきごうでピース
ばらばらによこたわりつまれる
だるまはあたまをまるがりにしたひげづらのもはやろうじん
くろしょうぞくでオーバーコートをはおる
そのあいだゆうは
煙草をふかくすってなにかしぶっているそぶり
ながねん
かもくにすごすだけで
いまいちかみあわないこのとしつきを
いまにいたって
じじょうはやはりやっかい
しかたがないのだろう)

ゆう
わかった。
ひきうけよう。


ー 6 a ー

(へいじに
あさですらあって
そのじこく
そらはくもがかりあかるくも
にちじょうでは
じしんでしいるちょうじかん
Tシャツにデニムのパンツ
オーディオはラウド
煙草をひっきりなしに
じかんだけがすべてでざいさんである
せんたくきをまわす
いるいをしつないのものほしにかける)

あれな
まったく。
しらけてばかり。
なぜかな。

エボ
ランドリーとはむずかしいものだ。

あれな
できてとうぜん。
もちろん。
なんでって・・・そりゃね。
ふつう。
うまくいかないわけがない。
うまくなんてとてもいえないけど。
まあね。
ちょっと珈琲でもいれようか。

(おずおずとゆかにおいた湯沸器をつかう
マグカップでインスタントの珈琲をつくり
もくせいのいすにすわってそれをくちにし煙草を)

あれな
まずきょうつうのにんしきがないせい。
ぜんいんがしっているはずのもの。
ぼっとうしていることがらをいまだわからず。
だから
『もうしわけありませんが。
いったいどういうことなんでしょうねえ・・・
いまだったらおそらくは』
だれが。
こまったことでね。

エボ
じつじょうとはほとんどはどうき。
ひりつやひじゅうのようで。
おおかれすくなかれこじん。
じじょうのいんしょうとはおなじだ。
はいたてきというばあいも。
そういうしんきょうであるりゆうに。
じっかんとしておもいあたらないせいで。
じぶんいがいのことを。
なにも。

あれな
そのことで。
じふをいだけないにつきる。
まけいぬいしきがぬぐえない。
へいじにいらいらしてばかり。
もっとけいもうできるよゆうとじかんがあれば。
あおくさいけどね。
しかたない。

(たとえば
おんがくがまだそこにあるにもかかわらず
おこたってきにもとめずなにもきづかない
しょうもうするえいち
ちゅうかいするばあいのこんきょ
そのいとぐちがみいだせないふがいなさ)


ゆう
閣下。

じゅだ
どうした。
ひさしぶりだな。
あいかわらずなのか。

(ここではいつも
きもくるわんばかり
はてなく
ちへいせんを
みえない
そこにぎょくざが
ながらくの『じゅだ』
せいれいしん
ここにおけるぜったいてきなありかた
そのそんざい
ランディーのれきしすべてのようだ)

ゆう
あまり・・・です。

じゅだ
みればわかる。
へいあんであるばかりに。
ただじゅうそくしているだけのてあいではな。
いったいなんのようだ?

ゆう
こんかいは。
じつはうわさがありました。
あなたの。

じゅだ
いいぐさか。

ゆう
じっさいには?

じゅだ
いってみろ。

ゆう
それが・・・
いったいなにをかんがえておられるのか。
わかっておられますね。
かりもにてんまつ。

じゅだ
なんだ。
ようけんか。

ゆう
かんぜんなじったいをのぞむ。
こうしする。
そのばあい。
ここはひとたまりもない。
もちこたえられるわけがない。
ランディーはむざんにしょうめつするだけです。

じゅだ
なににかまけて。
ばかばかしいな。

ゆう
ここはわたしのりょうちです。
だまってみすごすわけにはいかない。
それいじょうにかりがある。
けっして。
みすみすつぶすわけにはいかない。
うわさはほんとうですね。

じゅだ
しりもせず。

ゆう
そんなことで。
なにひとつそこなわれるかたではなく。
ごじしんにたいするごかいですらある。

じゅだ
いってやろう。
ほんらいのありかたがありながらに。
だれのため。
りゆうとはなんだ。
このままいつわりどうぜんでおわるきなどはない。

(ながらく
りゅうのじょおうはくろくながいカーリーヘア
そうはくでくろいドレスのくろしょうぞく
 うすいまっかなくちびるはいきをはずませ
テンション
ねっすることのそのいぶき
まほうを
もえさかるかきゅうのたまがしゅういにひとつずつてんかされる)

じゅだ
『さっさとやけしね』

ゆう
『クロノス』

(じしんのさゆうのてのひらをゆびさきできるしぐさ
あかいふんじんがけつりゅうのようにちってまいあがる
しゅういにただよう
スパークをくりかえしリバイバルされる
にほんのかどうしきのボールのもちてのついたほんたい
ぜんたいはしろとくろのシェードによるスケルトン
カーボンせいでながいじゅうしんにはさんきのムーブメント
そのクロノによるほこさきがかがやく
ウェポンをかまえ)

ゆう
『じぶんをかえりみる。
そのことで。
いまさらむじゅんが?』

じゅだ
『いまいちだ。
おまえではだめだ』

(いっきにじゅだは
もえさかるこうおんのきゅうたいのほのおをうちこむ
こうしつでこうそくのだんどう
ゆうのてにした神剣のビーツによる
はもんのようにてんかいされたフィールドないで
つよくかたいしょうげきをもちこたえ
まほうをふせぎもみけす
かんぱつをいれず
こうしゅつりょくのロングビームをはなつ
じゅだはうえへとかわす
ゆうはウェポンをあおる
ほうしゃされたこうせんをしならせむきをかえる
ふたたび
じゅだはりょうてをのばしひろげてほこさきにあて
はんさようによってスライドさせこうせんをつたい
そのはんどうでみをかわすとふたたびまほうをとなえる)

じゅだ
『レイ・オブ・ライト』

(ダメージが
ストロボのようなはっこう
こうはんいにおいてりゅうしじょうでさくれつする
ゆうは
かわしきれずふきとばされたたきつけられる
ぜんしんをきょうだ
ウェポンはむこうにはじかれ
ショートしはっかする)

じゅだ
『これほど。
あっけなく』

(ゆうはそのばにはいつくばってせきこんだ
ないぞうをやられたらしくとけつ
たんてきにいらだちすらおぼえる
なくほどのいたみをなんとかたえ
くちをぬぐいせきをこらえゆっくりたちあがる)

ゆう
『おもうのはいつもてんまつであって・・・
ほかはあまり』

じゅだ
『いじょうだ』

(ぜんぽうにりょうてをむける
てのひらはがかがやきはじめ
きちょうを
ふかくそのいろにあんてんする
いきすら
のがれられず
むせかえる
ちっそくするほどのどすくろさ)

じゅだ
『ブレス』

(ふるえるようでおもおもしい
そのかたさにひびく)

じゅだ
『ガーデン・エンド』

(まさにぬりつぶされたこうけい
ことはそれだけのはず
とまったかのよう)

じゅだ
さてと。
それでいい。

(かんぷになまでに
ほかにありえず
こえ)

ゆう
『じつぞうこそをのぞむ。
ほんしんから。
ほんしょうを。
だったら。
どんなかくごであるのか。
閣下』

(ふいにきづくと
びりょうながらにただよう
しゅういにちったあかいりゅうし
どこからともなくひろがっていく)

じゅだ
『これは?』

ゆう
『イズ・クロノス』

(せいれいしんに
ぜんしんのろっかしょ
じったいかしたけっしょうが
かんつうしつきささる
ふとくこうおんでやけたくい
ふかくあきらかに)

ゆう
『しきりなおして』

(しゅういをおおっていたきちょうはきえる
ぜんぽうからふきつけるとっぷう
はてなく
ぜんたいにかたむいたじょうたいのあしば
ゆうはきずついたからだをりょうてでかかえそのばにたつ
じゅだはいちじるしくぜんしんりゅうけつじょうたい
りょうひざをつきちんもく)


ー 6 b ー

ゆう
『とにかく。
これいじょうは。
いわざるをえないな』

(じゅだはそのたいどに
ひつうながらもこらえきれずせせらわらう
ゆうはためいきまじりにかたく)

ゆう
『なんだ。
なにがいいたい』

(なおさらにかんだかくこえをあげてわらい)

じゅだ
『ぬけさく。
なぜあがりをいまかんがえる。
なにもよめてはいない。
ながねんのかりをかえす?
ごつごうしゅぎにきいてあきれる。
だからこそ。
ておくれだ』

(ちんもく
イメージにかわる
そのポテンシャル
しょくぶつのはつがのごとくばくはつてき
ゆれうごくエモーション
そのエネルギーはほのおのように
あっとうてきなじったい
けいじょうをかえ
りゅうのじょうおう
そのすがた
おおきくひろいつばさ
さゆうろっぽんのうで
にほんのあし
ながくのびたお
するどくふかくさけたくち
よっつのめ
ぜんしんはサファイア
かたいかっちゅうのようなそうこう
こうせいするせつはあくまでながくしなやかな
ぜんしんにわたるクロノ
ぞうふくをうながすこうぎょく
いまにおいて
げきすること
いっきにかいほうする
ほうでんされたこうあつのでんじき
しゅうへんでスパークをおこす)

ゆう
まったく・・・。

(じんだいではないじじょう
しゅういのクロノのながれ
じゅだのそのくちさきにようしをとりこむ
いっきにのうしゅくされゆうごうされた原子核
はきすてるよう)

じゅだ
『おわりだ』

ゆう
『おわり?』

じゅだ
『かけにはまけだ』

(こうのうどのレーザーのほうしゃ
こうせんじょうでふきつける
ぜんいきをやくただいなねつりょう
そのエネルギー
ゆうはとっさに)

ゆう
『イズ・デッド』

(すがたをけす
いっしゅんでたちきる
むしんに
みをひく
まっしょうする
むに
ここには
あとかたもない
きえいるもの)

じゅだ
『むようだ』

(げっこう
はげしいゆさぶり
あっとうしてしんとうする
ふかくせんぷくする
うかつ
はんぱつを
にげおおせられず
いたる)

ゆう
いってえ!

(きょうち
じったいどうぜんでゆうはふくろ
はじかれたたきつられそのばによこたわる
ちまみれにそうぞういじょうのダメージ
しくじった?
よみちがえを?
じゅだはじょうくうにあがる
てのひらへとあつまるようし
ぜんしんをかけめぐるクロノとそれをぞうふくするこうぎょくに
すべていってんにせいせいするもので)

じゅだ
『ぶたごやにはちがいない。
いみのない。
ほんとうのけつべつ』

(ぜんぽう
そのちゅうしんに
けいじょうをおびること
こうせいされたおおきなきゅうたい
げんかいをこえる
あきらかに
つなぎとまらず
たどること
ほうかい
ゆうはほとんどいしきがない
とぎれそうになりながらなんとかふるいおこす
あいかわらずとたちあがり)

ゆう
このエネルギー。
はかくであって。
なんとか。
しろくろだけでも・・・

(もういちど
ゆうのすがたはきえる
いまやりんかいてんをむかえるそのばしょ
ランディーのさいはて)

じゅだ
『スピン・オブ・デルタ』

(のうしゅくされたこうたいをはなつ
すべてをのみこむきょうだいなスペック
なにひとつのこるものはない
そのときまたしてもこえ)

ゆう
『ではげんせい。
ドラゴンスレーヤー。
リバイバルネームを』

ドラゴンスレーヤー
『レーン』

(なにか
きょだつを
きゅうげきにおとろえをおぼえる
じゅだは
めにうつるもの
ぜんしん
ラインをしくようにさけめがはしる
われめからもれるつよいひかり
うろこのようにはがれくずれゆくそのみ
これが
じしんにおいてりんじょうすることの
ほうかいするじしんのさまを)

じゅだ
『・・・わからない』

(きみのわるさ
えたいのしれぬことでのきょうふを
このこうげんとは
からだから
すぎさり
ふってんまで
いっせいにいっきに
いったいのすべてをまきこみとりこむほど
はじける
ハレーション
おおきくはっこうし
むさんしてじょうはつする
きえうせ
そのあと
ちゅうにうかぶ神剣『レーン』
トゥールビヨンをそなえたステッキ
ぜんたいはすけてモスグリーンのオリファルコン
ちょうこくのようにこうしつでまったんにもいし
ゴールドのワイヤーがもんようのようにつたう)

ゆう
かしかりはいまだ。
ランディー。
こんごはながくはない。
なおさら。
なりゆきだけがしんぱいになる。


(ふるいはなしをおもいかえした
がいというするはずが
おちどがあった
たりえておらずしりえてはいない
りゆうはながらく
きづかずそのまま
じじょうだけがとりのこされたようにあった)

あいる
PENいぜんにあった企業のはなしをきいたことある?
ぜんようはしらない。
がんらいそのぜんしんとなるものなのか。
とうじのできごとのそうかつにしてさいだいのてんまつ
『アスカプロジェクト』
そのがいようがあるはずなんだけど。

かい
どうかな。
むずかしいはなしだ。
じだいがね。
びみょうであってもけっていてき。
PENのりゆうはあくまでしんきであったこと。
それがあのとうじはさいだいのよういんだった。
『アスカプロジェクト』についてはしらない。
でもながらくはらぐろいといわれつづけたもの。
それはいちれんのけんきゅうそのものだったよ。

あいる
もっといぜんのできごと。
げんじょうではふういんされていんぺいされている。
そうやってはきされたもどうぜん。

かい
さだかじゃないとおもう。
びみょうでおもいすごしなのかもしれない。
そんなものはさいしょからない。
しんそうとは。
おうおうにさくごがあるもの。
むずかしいがきづくとそうだ。

あいる
でもおぼえていたのに。
そんないいぐさがじっさいあったはず。

(ネットワークを
ぼうだいなライブラリーをけんさく
それぞれじしつでたんまつをつかって
しようするインターフェイスはとうじからのくせが
デスクのうえのグリーンのランプシェードのもと
あいるはあいまの煙草にひをつける
うすぐらいしょさいはパイプでこうせいされたブース
ラックにはほとんどが専門書とじゃっかん古典が
PCはレトロチックなモニターいったいがたのタワー
しんみょうに
コンピューターからのアンサーがくる
いまは
いやなかんじをおぼえる
さえていない
うまくいいえない)

OS
ネットワーク。

あいる
・・・ザ・ストレンジャー。

(おもいつきだった
はなしにもならないはず
のろわしく
ぐどんすぎる
おもいあたるのはおちどばかり
げんかいでとほうにくれ
うかいばかりでことのしんいはわからずじまい
みうごきがとれないこと
むじゅんが
てまえがってなことばかり
それすらあたいしない
アンサーにたいし)

OS
PEN。
ボイス・オブ・ユーザー。
『エレクトラ』
ウェルカム。
オリジナルユーザーアカウント。
『PENネットワーク』
(プラチナム・エレクトロニック・ネットワークサーバー・
ネットワーク)

かい
うそだろ。
そんなものあるの?
それはしらない。


ー epilogue ー

(いきさきにむかう
めざしはいまやばくぜんとしておぼろげ
ふっきる
そしてかくごする
きょうずることのこころえ
じしつから
せかいのぎりぎりをこえて
はめをはずす
ねばってみせる
さらに
しゃそう
きんこうのそと
このひ
かたりのごとく
いまをにげる
のぞむところの
つうかしていくきょてん
モノローグ
むごん
すぎさる
けれども
いたらずみおとすてんまつが)

らんぜ
ここでだいたいはんぶん。

(ホームから
このさき
ろせんのぶんきてん
しゅうちゃくにはいまだ
そのひ
ローカルせん
まよいなく
あかるくどこまでもよどみがない
しゅうへんは
かんさんとしてせいぜん
ここをきちょうとする
めにうつる
にっちゅうによるひざし
そよぐきぎのひざしのゆらぎときらめき
たてものが
めいせきでたんてきなこうけい
かたく
しょしんがある
さなかにものおもう)

れいこ
まよいがない。
ゆるされることがある。
けれど。
じょうじには。
こんなんがある。
きづくはずのないもの。
はたして。
それはあいされているということでした。

れいな
それがこい。
いろこい?

れいこ
れいがいてき。
しきさいをつける。
ばしょをみつける。
きづくよちがそんざいする。
むじかくにおぼえている。

れいな
もっとおおくをしるべきだった。
とてもおいつけない。
ぜんぼうにそくど。
だまっています。
こいすることがあいのかんかくなんですね。
とりとめる。
うながすことがまだあるせいで。
つねにそんざいする。
だからなんですね。

れいこ
またかえらないと。

(いっときを
きょうずるもの
わるびれる
いどうするこのしんきょう
すこしであっても
じぶんをゆるすこと
それがあったひ)

れいな
あいたいとおもうんですね。
そしてであえない。
むずかしいことはおおいです。

(れいなはうなだれた
ホームにれいこのそばにならんでたつ
あおいかみのストレートのロングヘア
めがねをかけくろのTシャツにパンツ
ジャケットをはおる)

らんぜ
どうなのかな?
ここだったら。
たとえば。

(ものおもい
れっしゃはとうちゃくする
よていのはずのじこくには)

ブレーカー
のぞむとき。
きちじつ。
またしてもわからず。
こんらんする。
なぜかそういうことばかりがあるようだ。

(かりにまったくことなるばあい
かるがるしくも
いうべきではない
きえたものだと
すでに
とうじがしのばれる
どういうことであれ
おぼえていることがあれば

それではじかい
こんかいはここまでです)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


共通テーマ:blog

『Ran ZE 5』 [三文短編小説]

(きづかず
そのとき
いぜんのじぶんを?
はたして
かんがえてみても
しらずの
としつき

ちにおちたひと
はてなく
そこしれず
さいあくにもどこか
さいていなまで

いつわ
じじょうを
さとるものこそ
とぶという
そこにそのばしょ
さいしょ
みいだされたもの)


くれい
きがへんなのか。
いったい。
なにもしらずにあいつ・・・

かずさ
しっとを?

くれい
まさか。
ひとりそのじんせいこそをおうかしたてあいだよ。
そのあいだにいろんなやつがぬけおちていった。
まだいるだけでおかしいてあいだ。
だからちがう。
そうじゃなく。
ここのはなしじゃない。
しってるはずだ。

かずさ
いったいだれのことを?
それをはなしたことが?

くれい
あいつ。

(じかんにこそもんだいが
どこにいてもだった
しかたがないとおもっていたのか
どれほどのものだと
かりにも
たとえばわくせいかんやいじげんとのそうい
げんざいは
ふたりはそのときかつてのげきじょうにいた
うみかぜにあおられむなしくとりのこされたおもい)

くれい
なんて。
くつじょくものだ。

かずさ
それいじょうは。
もうかえろう。
またにしよう。


ー 5 a ー

(あたらしいプログラムをインストールしたばかり
いっけんそれとはべつにかんけいはなく
ふたりはティールームをおとずれる
郊外のバスみちのえんせん
なかにわのようにいくつも
どのしきちのちゅうおうにもひろばがあり
ていそうのマンションがいりくんでならぶ
そのほうしきでせいりくかくされたいったいでちいき
ひろいとおりにそって
そのいっかくのたてもののテナント
レンガばりのでまどのアーチが
てんないはせまくてうすくらく
かべがみおよびすべてのきちょうはモスグリーン
そとむきのまどにはレースにカーテンがかかる
クロスのしいたテーブルのまえのいすにすわり
かたくおもいきんぞくせいのちいさなポットのこうちゃを
おもむろにのむこうい
ざんねんながらすでにひもかたむきくれはじめるころ
なにかふくざつだった
とってのないじきのカップをりょうてでもち)

あれな
リクルートスーツをきてこんなことしてたらどうおもう?

らんぜ
それはぜったいひとりのはず。

あれな
なんかふうていわるいてあいだし・・・

らんぜ
こんなときに。

あれな
おちゃはべつにきらいじゃない。
いいものとおもう。
それはいいとおもう。

らんぜ
しいていうとこれからかえるのがたいへん。
なんでこんなにゆうずうがきかないのか。
しってた?

あれな
どうかな。
はたしてそのこうけいを。
じぶんてきにじゃない。

らんぜ
こうけいを・・・いま?

あれな
どうじこく。
そんなばあいは。

らんぜ
みおくるから?

あれな
それすらしらない。
でもおうおうにそうじゃないかな。
そんなひじゃないかとおもう。

らんぜ
でもかえりは。
しょうじきなところ。
へやに。
もどらなきゃ。
ぜったいに。


(ことのいきさつ
きょうがよていび
そのひにきまったのは二、三ヶ月まえになる
じゅんびにいらいらしていた)

ゆみ
もうどうしろっていうの。
きていくふくが。

なおこ
べつにそのセーターでいいわ。
それで・・・

ゆみ
このスカート?

なおこ
そう。

ゆみ
ほんとうに・・・

(しりあいですらない
かんがえていたものは?
あてにはならず
ばくぜんと
なにかぎれいてきなそのぎょうじだけを
いやでもしかたがないとやはり
ながいボブカットのめはなだちのつよくほそいいんしょう
くろのうすいセーターにロングのタイトスカート
かがみでぜんしんぞうを
こしにりょうてのこぶしをあててみだしなみをかくにんする)

ゆみ
しかたがないか。
いつものごとく。

(そして
しんみょうさのなか
テーブルをはさみ
ひえたグラスシャンパンでうるおす
なごやかであれば
けれどもすこしピッチは)

ゆみ
はなしはどこで?

まり
わたしがかんがえたの。

(むかいのかのじょはブラウスにカーディガンにデニムのパンツ
テーブルにおいたあかいマルボロのはこから
たばこをとりだしわきのジッポーのライターでひをつける
喫煙をしながらもいんにこもったたいど
じろんがある)

まり
かんがえるさぎょうにこそいんしょうが。
それがわかるようになったの。
ようやく。
かんがえかたのこうていがてにとれるように。
はあくする。
わたしはロックアイスってかんじかな。
けずってまるくする。
とうめいな・・・わかるかな?

ゆみ
ロックアイス。
ええ。

まり
がんらいはものすごくもろいの。
おこりっぽいしすぐだんせんするかんじで。
いつだつしてふっきゅうできない
なかなか。
それでもいいときはそういうふうにおもえる。
プロセスは。
よっぱらいみたいだけど。

ゆみ
なるほど。
ものをかんがえるときの。
たしかになにかおぼえてるはずなのに。
やっぱりだめなんだ。

(しょたいめんで
ばしょは市内
おもてどおりのいっかくで市街地
ふるい貿易ビルをかいそうしたレストラン
 すでによる
てんないにきゃくはじゃっかんとおおむね
じょうちゅうのようにはいちされ
ぎれいてきで
そうほうのははおやはしりあいだった
りょうりはすでにはじまり
つきだし
ちいさなフォークでたべるらしく
ぎこちなくとも
それいじょうにウェイターにいいたいことが)

ゆみ
もういっぱいおなじものを。
おねがいしたいんだけど。

なおこ
いくらなんでもはやいんじゃない?

ゆみ
でも・・・

なおこ
ピッチがはやい。
もっとじかんをかけて。
まだだめ。

ゆみ
さいしょくらいは・・・

まい
ボトルをちゅうもんしない?
わたしものみたいし。
それだったら。

みちこ
だったらリストを。
いいでしょ?
べつにね。

なおこ
きはいいんだけどすこしね。

みちこ
むりしなければ。
すきなんでしょ。
いいことよ。
きにしなくていいわ。


(どうもじさだけがあるらしい
ふたりが講座でえたあたらしいプログラム
DSVRにおけるGPS
それをいながらにモニターできること
プログラムのきどうじにはアンダーグラウンドのイメージを
ぜんしんをはしるデータに
りんじょうをごさなくえんかくにしることができる
かのじょたち
かたやふたりはふだんどおりに
ぼうぜんともあいかわらず
煙草をすいながら)

あれな
なんだろう。
そんなにおもしろおかしいはなしなんて。
たびたびおもいつくものかな?
じぶんてきにはそんなさえもさいもないから。

らんぜ
それだけでドラマってかんじではなく。
もっとひとをみろってことでもある。
あくまで。

あれな
まあべつに。
わたしたちとはちがう。
そんなことじゃなく。
かんけいはない。

らんぜ
しょくじはたのしいけど。
じっさいになにかたべたいきが。

あれな
たしかに。


(あたたかいりょうりとフルボディーのあかワイン
そしてグラスのみずをピッチをあげて
こんわくすることも
シュールがある
それでもまだ
だされたりょうりをたべおえるたびにまいかいと煙草をやる)

まり
いつもかたときも。
いわばいっしんにおいてみをとうずる。
それが・・・どうも。

ゆみ
なにかとうすいじょうたいみたいなものが。
きのもちようだけはきっとすばらしいはず。
だから・・・それだけじゃないのか。

まり
まったく。
じぶんがペットみたいなてあいでは。
ちがうけど。
だれかをいしきするとはそうでない。
もっとべつだとおもう。

(はなしはできた。
けれどもくたびれていた)

ゆみ
ことのてんまつは?

まり
あまりだった。
いいわけがない。

(ゆみがワインクーラーにてをのばすと
まりがさきにボトルをとってかのじょのグラスについだ
そのグラスをてにおもむろにくちにする)

ゆみ
どうして?

まり
しかたがない。
むずかしいとばかり。
ただとおりすぎるだけのてんまつ。


ー 5 b ー

(いろんだ
どうする
さだかではない)

エラン
こうしてもどれなくなった。
すむばしょやひとびとがきえてなくなる。
じきにわかる。
じぶんが。
だったらなぜ。
ろくにりかいできないことへのりゆうがある。

ダーナ
しかたがない。
やめよう。

(てんじょうのくずれたがれきからひざしがさしこみ
きぎのものおとととりのさえずり
そこにみをよせたふたり
ダーナはながいカーリーヘアであおいひとみ
そうはくであかいくちびる
ブラウスにチャコールのスーツすがた
まわりをみまわしこしをおろしかたくしんみょうだった
エランはかみはグレーでシャツにコットンパンツにかわのオーバー
かのじょをみながらたちつくしゆっくりと煙草を)

エラン
どうしてか。
どうしてもわからない。
なぜあんたとこうなった。
しりあいなんかじゃない。
いぜんのことはなにもおぼえてすらいない。
それをきょうしんてきに。
どうおもう?

ダーナ
それはしらない。
きづいたときすでにいいえないものが。
よくないとおもった。
でもきみょうにしんきんかんだけをおぼえた。

エラン
いつのころかそうだ。
きづくと。
でもどうしてか。
それがある。
ひっかかるのはそれだ。


あれな
これはさくげきなの?
もうそうと・・・いうかな?

らんぜ
べつに。
だってこれは・・・
あのふたりはあいかわらず。
しってかしらず。

あれな
たしかに。
なぜかな。
アンダーグラウンドのいこうでぼうちょうを。
やっぱりもんだいがありそうね。

(らんぜは煙草をくわえたままポットをつぎ
ゆびにはさんでカップのこうちゃを)

らんぜ
このままどうすべきか。
やはりながいはどうもね。

あれな
たしかに。
でもかくしんがある。
ぜったい。


(なにかのしんみょうさ
すこしかんがえた
いっしゅん
おなじばしょ
そのばにはエラン
ダーナはすわりこみからだをかかえこむ
こんわくしながらもまったくふがいがない)

ダーナ
きっとおわる。
だからなんだ。

エラン
いまはいい。

(そのばしょ
しゅういはフェードアウトするようにあんてん
いあわすことのなまなましいまでのシュール
いれかわるディゾルブのじょうたいに
まっくらでなにひとつそんざいしないばしょ
あっとうてきむにおいてそのみをおく
そしておもくるしく
いらだちを)


おまえか。
ようがあるのは。

エラン
だれだ。


むすめをころす。
そのためのてあいが。
そうだろ。

(おもわずくびをふった)

エラン
しるか。


なにをあそんでいる。
いたたまれず。
おまえのてにかかるはずがない。
だからこそ。
『そいつがそうだ。
せきねんのぶがいしゃだ。
おまえはじぶんがあのおんなのむすめとおもうはず。
そういうことだ』

(そのときすでにはんかんをおぼえ
かのじょはふいにつよきでひるがえす
めをかたくいきどおりをこめたくちょうで)

ダーナ
『なんのようだ。
わたしをうちとるきでいたのか。
おまえなんかが。
つまらないものだ。
くだらない。
よくそうおもうんだ。
なにもたりえてはいない。
だれも』

エラン
ごかいだ。

ダーナ
『もうおわる。
そうでなければ。
くつじょくてきうかつさがまだある。
わたしにはだ』

(こしをおろしていたダーナ
こうせんてきにみをかまえていたが
つぎにすがたがきえる
それは
すでにずじょうにあった
じょうくうにひとしく)

ダーナ
『そのおろかさこそを』

(ひざしをせに
せんこうをみる
がんぜんにかがやきしかいをさえぎる
ふりかかるかのじょのぎゃっこうせんのかげ
けれどもうごけず
みうごきがとれないエランにむけ
それが
きづくとちょくぜん)

ダーナ
『なんだ。
どういうてあいだ』

(エランのひたいにチャクラのもんよう
すいれんのようにがんぜんにひろがるフィールドに
ダーナのそのけんさきはふせがれる)

エラン
『サードアイ・エクスプレッションズ』

(ストロボのようなはっこう
それにはじかれるかのじょ
エランはまあいをとりかまえる)

エラン
『ふじょうをけす。
めっする』

ダーナ
『なんだ。
えらく。
きにくわない』

(ふきげんそうにたいを
そのウェポンをかたくかまえるかのじょ)

ダーナ
『であうということですでにおわるもどうぜん。
どうほうどうぜんであってもさいごはおなじだった』

(リバイバルされたおおきなむそうの斧
サファイアのようにとうめいでワイヤーのそうしょく
えはばいいじょうにながくまったんにもほこさき
むそうのはさきのちゅうおうにおさまるみどりのこうぎょく
ムーブメントによって
ぜんたいをクロノがじゅんかんしはしる)

エラン
『いまでは。
かりにも。
悪をしんぽうするということに。
よくしらない。
じだいのりゆうでしんきょう。
わるさをきどることの。
だからりかいできることがある?
そこにすくいがあるとおもうえるばあいが?
ながねんのかんがえかただ。
あくとくをしり。
そんなてあいはやはりいるのか』

ダーナ
『いきもの。
しこうするものとはむしんなものだ。
がんらいよちがないほどにあいまいだ。
むじょうにうごく。
なにをいうかとおもえば。
くだらない。
なにをたちどまっている。
さっさとしろといいたいな』

(そのじゅうりょくをかいさぬ
ヘビーなウェポンをかかげたダーナ)

ダーナ
『このリザードでしとめるのみ』

エラン
『たたきのめす』

(エランのぜんしんのチャクラはすでにてんかじょうたい
りょうてのこぶしをにぎりしめる
むしんでかいする
すべてはそのまま)

エラン
『サードアイ』

(ほそくはかんりょうしていた)

ダーナ
『ストーン』

(そのきょうい
えたいのしれぬかげ
どすくろいすがたなきもの
けはいこそがきょうき
とらわれる
おもおもしくそれはめがけてくる
きあいこそをうちに)

エラン
『レイジングブッカーズ』

(こんしん
じったいなきものにはなたれるソウル
きょくどのはきにくりだされるれんだ
そのみえざるこぶしによって
じゃあくなそのかげはこなごなにはかいされつぶされる
けれども
じっさい
リザードをかかげせまりくるじったい)

ダーナ
『もうおわるぞ!
でくのぼうが!』

(そのときに)

エラン
『フリーズ・ザ・ブロークン』

(たいしょうに
ぜんしんにいたる
すべてにいっせいにたたきこむ
しゅんじでせいかくきわまる
かんりょうするときすべておわる)


ゆみ
ふだんはどうしてるの?

まり
あまりなにも。
じかんだけで。

ゆみ
じかんがあるなら。
さいきんはそれだけがきびしいきがして。

まり
むずかしいのね。

(チェックだった。
せきをたつ)

みちこ
きょうはありがとう。
よかったとおもうわ。

なおこ
ほんとうに。
あまりね。

まり
またはなしをしましょ。
ちかいうちにでも。

ゆみ
ありがとう。

(すこしめいていぎみであるのかもしれないが
みせをあとにする
とりあえずそのぎょうじだけはおわった
もんだいなくやりすごして
じっさいおもてにでてきたくするだけのこと)


ー epilogue ー

(エランとのかくとうにからだをはかいされたダーナ
いまは
いしきもとおのくばかりだった
そのばに)

ダーナ
これでおわりだ。
そうらしいな。

エラン
いんがなものだ。
けっきょく。

ダーナ
なにもおもわない。
それにはちがいない。

エラン
そんなの。
なぜ?
ばかなはなしだ。


それがな。

(いまだすがたはなく)

エラン
なんのようだ。
えらくこだわるな。


ひよっこがな。
そのままようなしだ。
じゅうぶんだ。
もういい。

ダーナ
そのウェポンを。
これがさいご。
そいつのことはしらない。
ほんとうに。

(そばにころがるリザード
それはエランがてをのばすとあっさりとはじかれる)


だめだ。
『おまえはもはやひつようではない。
ちんもくすべきものにこそあがなわれろ。
 いけにえだ』

(しゅういのやみはいまだ
そのこうだいなスペースをやはりいしきした
あまりにかぼそいひんじゃくなこのみへのふがいなさ
あおにさいであること
ちのけがうせふるえるおもいを
つのるようにじょじょに
ぼうりょくへのきょうふがそのときにはあった)


『さいごだ。
なにかいってみろ。
いえるものなら。
どうだ』

あれな
『レザード』

(おおきくじゅうせい
エランのはいごから
とつぜんそのぜんぽうにおおきなかざあながあく
それはふかくひびわれる
ひびわれはぜんたいへといたり
くうかんはほうかいしなだれおちる
かのじょがてにした『エボ』はリボルバー式のガン
こがたでじゅうしんのしたにジョイントのアームがあり
ことなるにほんのつつのレンズがかどう
ほんたいのじょうぶにはひらたい
アナログしきもじばんのナビのコンパスをそなえる
ざいしつはオリファルコンでかきいろ
グリップにトゥールビヨンがおさまり
ワイヤーでクロノがじゅんかんする
かまえながらじゅうこうをあげ)

あれな
ねぶかき異分子。
そのいったん。
いうところの。
これでしゅうりょう。


(まさにまっさおで
きろにつく)

らんぜ
まったく。
なんだったんだろう。
ぬけさくってこと?

ブレイカー
まだいたらないな。
たぶんほんねがないにひとしい。
むなしいだけで。

(どれほどであっても
ならぶこうそうのマンションぐん
そのとおりぞいのショーケースはどれもすでにクローズ
ひろいしゃどうはていきてきにくるまがおうらい
えきまでのみちのり)

らんぜ
どこにいてもふかしぎにちがいはない。
ぐうぜんにでも。
あのこもこのあたりにくらしれるそうね。

あれな
あのえいがだめだった。
もうはじまるな。
ざんねん。
かえってみたかった。

らんぜ
またやるんじゃないかい。
リピートほうそう。
それともいまがきになるのかい。

(たびたびではなく
ふがいないきがただする
つみすら
まだいたらずにあって
いまであれば
こんかいはとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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『Ran ZE 4』 [三文短編小説]

(かのじょをしっていらい
このうつがある。
いぜん
しいていうとさんざん
それにぼっとうしていたころ
おろかで
なにもしらず
きづかず
いまだにきょくどにおちこむ
ばくぜんとして
でもいったいだれについて
そんなしんじょうだった)


かずさ
きえてしまうもの。

(なごりはぜつぼうてきな)

くれい
またなにかあったのかい?

かずさ
どうしてなにもせず
なにひとつ
わらうこともなみだすることさえ
ひょうじょうすらかたく
すべてむにかえす。

くれい
ゆるしがたい。
つみがいまだ
たりえていないせいで?

かずさ
たぶんちがう
そのいいぐさでは
たぶんそうじゃない。

くれい
ねぶかい
いまだにわかっていない。

(くれいはつかれたままいきをつく
かたまでのばしたロングヘアにうすくおおきなくちびる
シャツにくろのブルゾンにくろのコットンパンツ
いまはきょうしんてきおえつすらおぼえる。
そのかいわい
がんらいアンダーグラウンドのりょういき
市内でがいとうのたにま
なかにわのようないしだたみにきがうえられ
でんとうのあかりのもと
かねのベンチとあおいホーンブースがある
じょうくうはくもにおおわれあくまでふじゅん
ほとんどつねに。
かずさはたんぱつでめがおおきく
デニムのパンツにブラウスにベージュのハーフコート
ふたりはながらくろじょうでのちょうじかんを
すでにパターンはロードずみ
かのじょはポケットからはこをとりだし煙草にひをつける)

かずさ
かえるべきだったとおもうはず。

くれい
りゆうは?

かずさ
ふこう・・・だから。
だからせめてきがくるうまえに。

(どうでもいい。
きがかりなのはいくつかのふめいなてん
わすれたもどうぜんのふるいはなしがいまだ
ぜつぼうてき)


ー 4 a ー

(やはりいくぶんしずんでウェット
すくなくともさいていげん
それはきせつに
いまはぼうぜんとむなしいきがする。
受講のあいま
地下街のオープンカフェ『バーデン』で)

ざいぜん
このかいわいは役者しぼうのがくせいや
役者くずれがおおいんじゃないかな?
まさにやみあがりで。

あれな
りゆうなんて
べつにどうでもいいことばかり・・・
だったらどうかな
なにかしゅみとかとくぎは?

ざいぜん
あんきはとくいだけどばあいによる
でもじっさいできるの
えりごのみはしないということ
じっちょくでストレートなほうかな。

あれな
それね。
だったらどうおもうんだろう
がんらいにがてで
だからこまったことばかり。

ざいぜん
ふだんはふつうなほう
そういうもので
だからどうりやしんじょうはある。

あれな
そろそろじかん
ありがとう
またあまよろこびというべき。

(このかいわいにはじっさいにテナントでげきじょうがあった。
ちがいはなく
ぎゃくにそれいがいをどういうべきなのか)

ライ
ちんもくする
ちんもくこそを
さいあくをじゅうしゃにゆだねる
おそらく
そのこんなんにいったいだれがきづくのか。

リル
いいわけのつもりか?

ベイク
やみからやみにむにいたる
うそつきやうらぎりものにぬすっと
ことがおわったものと
だがきょうみはもはやだれにもなく
ざんねんながらてがつけられない。

ライ
ながねん
わたしたちはこうしてあらわれ
したがうものはじしんであり
ほかはのぞみえない
かりにもちえず
ここにいたることのすべてが
そのさがにこそゆらいするものである
そのために。

(ぶたいがしゅうりょうし
えんもくはかの『オンディーヌ』
午後をくだり
かえりみちであって
うごのあおざめてくらくにじんだこうけい。
れいこはそのひはうえからトレンチコートをはおり
しんやはグレーのオーバーコートを
てにはかいせつのさっしをにぎっていた。
きろにつくかんきゃくがそばでばくぜんと)

婦人
あのひとがよかった。

(たんてきないいぐさで
いまいちわかりかねる
じっさいのうわさだろうか
なにかきょうつうのいいぐさにちがいなく
またこうしんされたまちなみはそうして
たちならぶあたらしいビルディングとほどうにしゃどう
めをふせかもくにえきにむかってあるく。
おちこんだかのじょ
きょむにあいまいに
ふいにしせんをあげると
そのぜんぽうにわかいじょせいが
たぶんりょうしんと
みちすがらはなしてあるくすがたがあった。
そのてん
なぜかこまったもの)

しんや
やっぱり・・・
いまいちそうですか。

(ひとりであれば
とりあえずひとこきゅう
しゅういのじじょう
あたりまえすぎる
なにがある
けっしておもうことばかりではない
なにもしらない
そんなものが
めにはただ
うかつなのか
ぼんやりとさだかではなく
まえをあるくいっこうがきえたしゅんかんが
いぶかしく
ふじょうりを
こおりつくもの
ふかかいで
いきどおりが
こんなんがある)

しんや
『スターダスト』

(しんやのずじょうでスターダストがリバイバルされる)

 Vo
コネクト。
アンダーグラウンドに移行中。

(りょうてをあげ神剣をつかみかまえる)

Vo
リミット。
パターンジャスト。
アウトサイド。

(まったんのかぎのチェーンがはんのうししゅういにこをえがく
それはぼうぎょたいせいでありちょうほうのオペレーション
じじょうをさぐる
ぜんぽうにあるけはいをほそく
かのじょはオリジナルボイスによって)

しんや
『たりえていないな。
いまだそんなてあいが。
かくれてもむだだ』

(アウトサイドへのいこうご
そこはだっしょくされたかのようで
ぞうけいだけはかわらずもとかげをおとし
はいけいはきりぬかれたかきわりのごとく
そこにすいめんのゆらぎのようなノイズ
ぜんぽうにてんそうされたスーツすがたのさんにん
うでをまきつけるようにくみしんみょうに
むごんでのそうほう
ライはじしんのてをかたくかおのそばでひねる
そこにわかいむすめのすがたがうかびそしてあらわれ
かのじょはのどもとをつかまれたままみうごきできずにいた)

ライ
ようはない。
すでにおわったもどうぜんのこと。

(かみをかりあげたそうはくでたいはいてきなかおだちのおとこたち
そのきいろにかがやくかたくおおきくみひらいためがいっそうに)

しんや
『かんちがいじゃないか。
それをどうおもっているんだ?』

ライ
こんなときに
しりもせずよくいう。

しんや
『つきるというもの
それだ』


ー 4 b ー

(がんぺきにそって
ゆうほどうでありひらけたばしょ
つよいうみかぜにあおられ
すいへいせんにむかって
まっくろでなまりのようなかいめんがまさになみうつこうけい。
こうぎょうちく
がんらい
じょうとうくである
ぶんめいによるぶんぽう
ぜんぽうにこうぎょうようのてっこつのアーム
そしてならぶタンカーのコンテナ
ふりかえりこうほうのやまて
おおきなこうかのしゃどうにたてものがならび
しゅうへんはかいろうのようで
そしてあたらしい近代建築のおひざもと
いしづくりのかいだんにむぞうさにこしをおろす
ほかはだれひとり
ばあいにこのげきじょうに
いまだおとずれるものはいないとしかいえずに。
ちゅういをひくと
そのあしもと)

あいる
どこにすんでるの?
しらなくないのにね。

(けはいがあるふりをする
そのばの
たとえばいぬやねこ
あるいはなにかしらのししゃである。
めさきの
そのすみにめぶくざっそうに
しらけるようにもおもえるはず
とにかくみをかたくしていた)

あいる
おもかげ
たいど
いんしょうでわかるもの
きぐうということね。

(じょうくうを
ものおもい
てもちのたんまつをとりだしながめるこうい
 いまだにしゃくぜんとしない
いくつかのひつぜんてきことがら)

あいる
しっているはずですね
殿下。

殿下
なんだ?
だれだ。

あいる
ばあいに
いたらずとも
こんなかたちであっても
ちがわないはずのものである。

殿下
うるさい。

あいる
あのひとのことがある
あなたのかたわれであるはずの。

殿下
いったいだれなんだ?

あいる
いまはいい
いずれとうたされる
けっしてれいがいなどはない。

(それでしかない
くうろんにすぎない
はらがたつだけで
かのじょはかつてのドックをあとにした)


まり
そんなひとはいない
きおくのかぎり
ほとんどずっとかわらず。

(そのこは
うすくメイクをしボブカットであかいコート
チェックのジャケットとショートスカートのスーツすがた
いみしんにかんがえこんでいた)

しんや
なおさら
ありえない世界でしかない
だからですか。


Vo
パターンモンスター。
ゴールドのアストロン型スレイヤー。

(はかくのししゃたち
そのにたい
ちょうやくしふりおろすそのだげきはきょくど
はちょうとしんどうによってまさにすなやまをくずすかのごとく
けんせいするしんやはたいおうにてこずる。
くりかえししゅういにとりかこみピッチをあげていくてあいに
そのあしばにしいた
ぼうぎょようのサークルからでられないまま
かのじょのしゅういにオペレーションのでんこうがホロでうかぶ
こうそくされたまりはいまだ)

しんや
かこくなかんきょうとその重労働にたいおうするパターン
がんらいはきょくちむけのさぎょうようのデータ
そのプログラムをインストールしたことによってのげんじょう
けれどもまだわからない
なにかりゆうがあるのに
そのパルスがおこるとき
きどうするよういんであいずであるあのきちょうがなんなのか。

(おおきくちょうやくししつりょうをこめてふりかかる
それをフィールドによってさえぎる。
しょうげきにあしもとのほどうがくずれてめりこむほど)

しんや
もう!
なれてないせいで
でもいくらなんでもひどすぎる!

スターダスト
かいじょだ。
いまならだせる。

(いっしゅん)

しんや
『ドール』

(しゅんぱつ
いっきにカードがはずれ
まりをそのままこちらにひきこむ。
しゅつげんしたさんたいのかげ
しろいシャツにくろのズボンにブーツ
めもとにかめんをつけ
きょうぶにむねあて
うでにはひじまでのこて
そしてひざまでのすねあて
てにけんさきのほそい長剣をもち
ぶぐはすべてプラチナせいで
ひとしくゴールドのほうしょくがほどこされている。
すばやいししゃたちのうごきにたいしほとんどどうき
すでにドールたちはそれいじょう
かんぜんにほそくしたじょうたいで
こうそくいどうによるざんぞうにくりだすけんげきは
ししゃをなんじゅうにもたたみかける。
それはアイフィールドのうえであってもふせぎきれず
かれらはておいのままなんとかふりきり
こうほうにちょうやくしかまえる。
やむをえず)

ライ
『バンズ』

(プログラムのきどう
そのパターンはとくせいからあるきょうちにいたる
あるいわばせいたいへいきのげんじょう
こうげきのさいかい。
きょうしんてきな
そのビートに
くりだすなまりのごとく
もはやどんきである
おうだすることで
そのそれいじょうのうごきに
はじきとばされるドールたち
さんたいのモンスター
ぜんしんのせつはきょうじんにしてしなやか
ひふはかたくびりょうにしんどうして
きょうぼうにしてせいちなしんけい
それをぎょすれいてつなせいしん
マインド
しんやはゆっくりいきをつく)

しんや
『まったく・・・
どんなきぶんだ?
それにたいしてはどうだ』

ライ
なにを
もうおわりだぞ。

(いっきにのしかかる
プレスする
そのしゅつりょく
じゅうりょくをかみしてなおさら
きょうこうなまで
せっこうやブロンズのちょうこくのごとく
らっかするかのようにたんてきなぶったい
いまのげんじょう
このまま
おしつぶすといういこう
モンスターのはっするはちょうにフィールドがしんしょく
フィールドのうちがわからそのはどうのひずみがほおにたっする
どんどんしんしゅくされていくぼうへき)

しんや
・・・これほどのしゅつりょく
これほどのスペックをはっきする
けれどいくらなんでも
あくまでもなまみであることにちがいはなく
いっかせいでしかない
それをはっきすることでのけっかは
かりにこきゅうをおこたることによって
せいめいがしょうもうしつづけくちるだけのくだり。

(アストロンはこうせんじょうたいにあったはず
あきらかに
ふどうに
あっとうてき
けれどリミットにたっしたとき
げんかいにいたったとたん
さんたいはいっせいにほうかいしてしょうめつした)

しんや
それだけ
よういんだけはたしかだった。


ー epilogue ー

(講座のかえりに
あたらしいプログラムのインストールをうける
それがすこしブルー
こんごのかだいである
からだにデータのでんきょくをとおすだけで
あとはてきせいになるまでのあいだ。
ファミリーレストランのボックスせきにむかいあってすわり
生ビールのジョッキでうるおす
煙草をくちにひをつけ
つかれてろうばいしかねないしんきょうだった)

あれな
あれこれとは
べつにかまわない
いいぶんやスローガンはとりあえず。

らんぜ
うん・・・
それね。

(やはりしんみょう)

あれな
ざっくばらんにいきたい。
ゆめとかじゃなくふつうでいい
そんなてつがくてきなじんせいかんはしらないし
もういいかげん
そんなじんせいだし。

らんぜ
なまぬるくともおんびん
そんなじじょうだったら。

あれな
しらない
いまは・・・こんごのことがある。
それをなんとかしろということで
ほかには。

らんぜ
なやむこと
じぶんでわかっていないとか
さいきんのできごと
おもしろおかしくもないこと
そんなものが
つまり
せかいがね。

あれな
むじゅんがある
でもいっときだし
こんごはちがう。

らんぜ
かいほうにむかってすすむ。
びとくやひんせいに
いいことだってあるわけだし
そのはずで
はかりしれない。

(いまだいんしょうはかわらず
おうおうに
そのひそのよはくれた。
ばくぜん
でもよくあるきがした
おうおうにしてそうあること。
こんかいはとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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『Ran ZE 3』 [三文短編小説]

(だまってはんすうしていた。
ベットでよこになりながらにかんがえる。
いぜんなら。
あったはず。
そんなじきそんなじだいとは。
おぼえているかぎり。
ものぐさにする。
なにかしんみょうでありものものしいものとする。
せいじつではありいまだじゃくねんのようでもある。
それとべつだん。
きままさ。
かりにもしんみつ。
じびょう。
しんそうにおよばず。
いっとき。
いかん。
わすれていること。
わからずときづかない。
ただちんもくしているだけのいまのしんじょうだった)


あれな
しってる?
ほんせつほんだいについて。

らんぜ
え?

あれな
どういうことというのかな。
りゆうは。

らんぜ
かりに。
だったら。
講習をうけなければすくなくともはなしにならない。
だからしかたがない。
きちんと受講しなければ・・・いけない。
そんないいぐさじゃないかな。

あれな
うん・・・
まるでたんなるおちこぼれみたい。
しかたないけど。
それはなんなのかな。

(講座のかえりだった。
げんざい。
地下街。
ずじょうのふきぬけのアーチ
つうろをはさんでむかいあわせにショーケース
そこにカフェのけいしきでつくえといすがならぶ。
給仕がひかえるてんないのおくはカウンターごしにかがみばり
たんてきにおおきなスチーマーとスピリッツのボトルがならぶ。
ふたりともつかれてようやくのクーリング。
ことのかいほうとちんせい。
しゅうかんであるあくへき。
すべてこうろうによるものとだけにみなすのか。
らんぜはふちのまるい色眼鏡をかけてみつぞろいのカレッジスーツ。
ロングのカーリーヘアをむぞうさにてでなでつけながら
煙草をすってグラスでチンザノを。
あれなはかたまでのびた髪をうしろでたばねて
ふちのちいさな眼鏡に革のパンツとニットのセーター
おおきなワッペンがうでとむねについたアーミーコートをはおり
グラスビールをのんでフライドポテトを。
このじかん。
たたみかける。
つね。
いっていのきちょうでかつどうする街のこうやく。
じこく。
ざっくばらんに。
しゅうい。
それで。
じぶんてきになにかちがうのか。
さえてない。
煙草をくゆらすことでのつね。
そのこういとは。
きそくてきにそのピッチそのテンション。
なにかをたどりかんがえながらのさぎょう。
ぼうぜんと)

らんぜ
さいきん・・・
こじれたはなしなんてなかったけど。
どうだったかな?

(そのはずで。
ものぐさなたいどではあるけど。
けれども。
きづくとじじょうはすでにうごいていた。
いしきとどうさにおいてごさがでている)

らんぜ
またDSVRが起動している。
例の『まあい』。
ラグ。

Vo
カウント。
らんぜ。

らんぜ
ネットワークにせつぞく。
アンサー。

Vo
ブレーカー起動。

(そのときあれなはそれにきづかず。
へいじのままに)

あれな
やっぱりきになるな。
なにかあるはずじゃないかな。
おかしい。
それが・・・
くらいてあいはさえてるぞってやはりおもうはずで。

(そうして煙草をとりだしくわえてひをつけた)

Vo
検索中。

ブレーカー
状況。
ことはすでにじっさいてきに。
どういうわけかくるぞ。
タイプはモンスター。
はっしんげんはユーザーによる。

らんぜ
りゆうは?
たんにこじれたから?
なぜそれが。

ブレーカー
たしかに。
こんかいはかいじょされたな。
しんがたのプログラム。
あるしゅのけいこうにはんのうしてうごく。
パターンがある。

らんぜ
うちらだったら・・・

ブレーカー
スレイヤー。
おうおうにいろいろとある。
ウェポンやまほう。
がくめんだけでもはんのうしさどうする。
そしてせいかとしてそれをかいしゅうする。

らんぜ
じかんはないけど・・・ありうるもの?

ブレーカー
けっきょくランディーのいこうがうごいたせいだ。
アンダーグラウンドとのけいこうがふかまったせいでそうなった。

らんぜ
かりにモラルなんて・・・

ブレーカー
おりあいをつける。
そうやっててきおうしていく。
それがつねだ。

あれな
こんやのテレビばんぐみ。
このあいだのぞくへんでたしか・・・そのはずだったけど。
いまからでもまにあえばみえたいな。

 ブレーカー
らんぜ。

(いっしゅんであんてん。
ディゾルブはかんりょうしていた。
まるですいそうのなかのように。
めにするデザインはすべてゆがみ
しきさいはネオンのようにはっこうしている)

らんぜ
そくどが。
すごい。
このはんしゃ。

(しりうるかんじうるそのばのふうきは
むしろいんしょうとしてはかたくこうしつ。
ブレーカーがリバイバルされる。
あくまでヘビーなさおのような銃火器は重力をかいさない。
うすくすけたダークグリーンのカーボン製で
クロノをでんたつするはいせんがゴールドの紋様ようにほどこされ
ほんたいのかたがわのそくめんにこをえがくように半月状のループ
銃身はみじかくそうほう高出力にたいおうする銃口があり
ながくことなるはわたりのオリファルコンの銃剣がそれぞれ
それをりょうかたをおとしてをたらした状態でつかんでかまえる)

ブレーカー
サーチ・・・ロック。

らんぜ
『ランチャー』。

(あっしゅくされたクロノによるこうせん。
その高出力のだんがんがはっぽうされる)

Vo
たいしょうにダメージ。
ヒット。


講師
『ドラグーン』
竜騎士とはがんらい銃火器をもったへいしのそうしょうです。
みなさんにはせいらいウェポンがそなわりあんじされている。
このことこそをぜんていにはなしをすすめます。
ウェポンこそがけっていてきなよういんでししつである。
そのりゆうであるからです。

(さいしょ。
あいまのきゅうけいじかん。
かのじょは煙草をすってかおをしかめていた。
講座は市内のビルのテナントのいっしつの講堂でおこなわれ
受講生はふたりだけ。
喫煙ばしょはそのべっしつにありさっぷうけいでまさにふきさらし
なにもなくかんさんとはいざらだけがおかれてあった。
しばし。
ようすをみてつぶやくようにいった)

あれな
なんのことかしらない。
まほうとかそんなはなしはきょうみあるけど。
このテクノロジーにたいしてじぶんではどうもね。
なぜいまさらかなとかおもうんだ。
はらがたつんだ。
わるいけどそう。

(きょむ。
すいさしの煙草をてさきでりきかえしてみた。
なにもない。
おもむろにひといきつく。
そしていってみた)

らんぜ
『らんぜ』。

あれな
え?

らんぜ
あなたは?

あれな
『あれな』。
べつにてきとうでいいけど。
はなしにならないてあいだから。
あなたはウェポンをしってるの?
じまえの。

らんぜ
うん。

(すこししぶった)

あれな
わたしはよくわからないんだ。
だからだめなんだ。
どうしてか。
ここでこうしていることすらむずかしい。
あおにさいで・・・
だったらどうかな?
どういうの?

らんぜ
あおにさい・・・
そんなてあい。
いろいろとね。
そんなかんじか。
きょうみぶかい。
どうかん。
わかるきがする。

(あれなはみじかいすいさしの煙草をはいざらでけして)

あれな
かわってるね。
そろそろじかん。

(そのまま講座のある講堂にもどっていった)

らんぜ
いうね。
いまどき。
それほどにたいどがわるいとおもうのかい。


ー 3 a ー

(だんがいされるおもい。
それはかこく。
じたいはせいきゅう。
ものものしく。
けれどきづかないものかもしれない。
それいじょうには)

やすひろ
ぜったいにだめだからね。
これいじょうのできごとはない。
だからにげきるんだよ。

あいる
だめ。

やすひろ
いいかい。
かんがえるよちはない。
しかたがない。
せつめいもままならないけど。
でもゆずるきはけっしてない。
このことだけでもおぼえておきなさい。
しらないだけのことでもんだいなんてかんけいない。
ひけめなんてけっしてないんだ。
ふつうにいきていける。

いずき
もういきましょう。
おわかれね。

やすひろ
げんきで。

(ことのじじょうはともかく。
そのじたいはにがにがしくまさににげるだけでしかない。
ゆいいつそれは『にかい』あるかもしれないとだけいわれた。
なおさらこんなんとおもうだろう。
それがあのえいがをほこったとうじしゃのさいご。
そうしておわったことがひにくげにきこえおもうだろう。
やはりあるしゅのぼうりょくにはちがいはないものであった)

かい
そうしておわったのがめいもんといわれた『PEN』。
とうじ最大手だったネットワーク企業のてんまつ。

あいる
かんけいしゃだったひとは?

かい
むずかしい。
みんなふつうじゃいられなかった。
ほうぼうにちってにげていったよ。
ぼくはまだよかったけどね。
わかかったしべつだん。
たんとうはメインだったし。
それいがいはだれもおぼえてすらいないだろうね。

あいる
主任がいたでしょ?

かい
しってる。
でもなんでそんなこと?
どういうこと?

あいる
いいから。

かい
それがどうも。
つかまったともいわれてるしちがうともいわれてる。
どうころんでも。
りゆうはししつにある。
すべてはてきせいのきかくにまにあうもの。
そのパターンがゆいいつのてきせいならほかはぜんぶおなじ。
ゆいいつであるそのパターンそれだけでまかなえる。
いちれんがしゅうそくしたのはそれがすでにそんざいするからだ。
もうほかにようはない。
ひつようでない。
そんなよみになるね。
つまりはそうだ。

あいる
なるほど。
だいたいのはなしはそうね。

かい
いまさらふるいはなしだ。

あいる
わかった。

かい
うん。
それで例の・・・

あいる
もちろん。
『RMT』のオリジナルしようのラップトップ。

かい
そうそう。

あいる
これよ。

(革製のキャリングケースをテーブルのうえにおいた。
ひるすぎのくもりぞらあるカフェダイナーのフロアーのにかい。
うみべにめんした公園のしきちないにあり
ぜんたいがガラスばりでそとのけしきにすいへいせんがうかがえる。
ゴシック調でつられたランプシェードにテーブルとふかいソファー。
かいはそのストラップのついたケースをあけ
なかからカーボン製のラップトップパソコンをとりだすと
さっそくコードかいじょしたちあげる。
コンピューターのアナウンス)

OS
ユーザーネーム。

かい
『アー・サー・ベー』。

OS
ネットワーク。
OK。
おしさしぶりです。
ボイス・オブ・ユーザー。
『RMT』ネットワーク。

かい
やったね。
これでいい。
らくいんきょできる。

あいる
じゃあどうも。
これで。

(むじょうけんにせきをはずす。
あかいロングヘアのめがふたえでほそくたんせいなおもかげ。
デニムのパンツにみどりのブラウスにあみこみのおおきなジャケット。
かいはそのばでRMTのそうさにぼっとうする。
たんぱつでがんぶち眼鏡をかけひげづら
シャツにツイードのスーツすがた)

かい
なるほど。
うまくいくな。
それでだ。
どうも・・・あのこはなにかあるようだ。
むかしそんなこいたよね。
すこしかんがもどってきた。
いまはとりあえず。

(それが。
それはいまだ。
いまだに。
さいごはじじょうにこそある。
いらいめいせきでない。
めいかくではなくまだおぼろげで。
つきひとは。
ゆううつなけっしてふっきれないしんじょう。
そこからあるいて。
かのじょはランディーの波止場ふきんにいた。
路地にはいるとふるい倉庫街でそれと商工会のたてものがならぶ。
そのいっかくであたりをみまわした。
かたいくちょうで)

あいる
きたわ。

(しばしのちんもくだった。
そのこえがはんのうした)

アルファ
なんのようだ。

あいる
すがたをみせて。

(しゅういのけいかんがかすんだ。
そのふうけい。
まるでドットがにじみしょうてんをうしなったかのように。
そのおぼろげなたんてき
この街に
ものおとはたかくはんきょうしてひびきわたる。
あるいっせん
このよではなく
『スペクトル』における
かりにゆうれいが?)

アルファ
どうした。
あいる。

(アルファがそのばにひずみうきあがったようにあらわれる。
ショートカットでめがあかくかおにおおきくもんようがある。
くろのパンツにしろいTシャツ、ウールのロングコート。
やせほそりおとろえたようで。
みためにはわかいせいねんではあるが)

あいる
いぜんにきいたはなしをもういちどきくけど。
どうほうはいるんでしょ?

アルファ
なんだ。

あいる
いまはしらないそぶりでむししているだけで。
そうでしょ。

アルファ
なんのことだ。
とうのむかしにだな・・・

あいる
ふだんはそう。
へいじをよそおっている。
だれもきづかない。
けれどもけいこうがあって・・・

アルファ
なにを。
しりもしないやつが・・・

あいる
そうじゃない。

(アルファはコートのうちポケットからかみばこをとりだし
煙草をくわえてライターでひをつけた。
そしておおきくけむりをはきいきをついた。
てに煙草をしんけいしつそうにうごかし)

アルファ
おまえがいったいなんのようだ。
そんなもの・・・

あいる
きづいていることがあるの。
かつての『PEM』のべつぶもん
『ELG』のたんとうがまだぞんめいでいることを。
ことのちんせいにいけにえになったはずの主任が
じつはいかさまクローンだとしってる。
ほんとうのとうにんはまだひさくをねってる。
いつでもうごかせるはずなのがELGがかいはつした
新型のモデル『アストロン』。
はかくのスペックでありいわばきょくちむけの新人類。
ゆいいつそのてきおうパターンのデータをうちだし
じっさいにていちゃくをさせることにせいこうした。
そのしこうせいでそのコードがある。
それをつかうきかいをうかがっている。

(かれは煙草をとりだしあいるにさしだす。
あいるをそれをうけとりひをつけてもらうとけむりをくゆらす)

あいる
あなたもそうでしょ。
ほんとうはアストロン。

アルファ
あのな。
いうとちがうぞ。
そのてあいはいいてあいじゃない。
けっかんがあるしがんらいはばけものどうぜんだ。
じっさいそんなかんじだ。
だからな。
そんなてあいとはやりとりはしていない。
おかどちがいだ。

あいる
ばくぜんとでももんだい。
ことはかなりねぶかい。
しんこくであるとしかおもえない。

アルファ
なんでだ。
いまさらなにがある。

あいる
あなたはしってるでしょ?
じっさいに。
ことがおこる。
すべてがほうかいしいれかわるそのできごと。
そのさいごをしってる。
そのあともたぶん。

アルファ
だったら?

あいる
わたしもそれをしってる。
たしかに。
おそらくじぶんじしんで。
たちあったはずだから。

アルファ
それならなおさらだ。
かしんするな。
やめておけ。
わかさにかまけてしりょをなくすな。
いつだつしてはだめだ。
それではなにもかんがえてはいないもどうぜんだ。

(どうしてだ。
むしりょ。
なにもかもすべてがそうあるのか)


あれな
さいきんとくにたいどがわるい。
はんせいしてるんだ。

らんぜ
たいど?

あれな
いろいろとかんがえてみて。
むかしみたいに。
だからちょっとおかしいかもしれない。
ぎゃくに。

らんぜ
まあべつに。
そんなことは。
よくおかしいとおもうけど。
じぶんてきにじぶんをだけど。

(じかんは。
もうかえるべきで。
いぜんよりへんぴなばしょにいまのへやが。
すでにじじょうはへいじによるをむかえるはず。
そのひとびとはいれかわりたちかわり
いちれんのわだいはそのままにかそくする。
じかんはけいかしそのころラジオでは
けだるいボーカルによるテンプルのしんずいにいたるころ。
たいようのかたむきにいろづくそのさいごのそらのもよう。
あれながもったいぶってさいごの煙草をすってもみけす)

あれな
かえる。
じゃあ。

(むぞうさにたちあがりさっていくかのじょ。
いつものごとくのじぶん)

らんぜ
なんなんだ。
だったら。
うちはただイモということだけなんか。
いつでもなんでや。
そうおもうわ。

ブレーカー
 モンスターのユーザーがわかったぞ。
すじょうだ。
かいわいのがくせいのようだ。

らんぜ
なるほど。
でもそれでいったい?
なにかとくべつな・・・

ブレーカー
いいや。
もうかえれるんだぞ。
またなにかあったんだろうな。
そのつどそのつどきまってあるものだ。

らんぜ
だったらもうかえろう。

(かのじょがせきをたった。
あいもかわらず。
しばし。
そのあと。
そばのせきでタブレットをてにだまっていた
わかいおとこがこらえきれずこえをあげてないた)

学生
ひどかった。
おれのモンスター!
さいしんさくにしてけっさくのきわみ!
くろうした。
ほんとうたいへんだった。
あしらいやがって・・・
ふつうそんなことそこまでするかよ。
もういやだ・・・
あっさりと!
むごかったぞ。
あんなん・・・
あんなんがなにをするんだよ。


ー 3 b ー

(テナントを。
地下街。
フロアをとおる。
ホールはひろくせいぜんと
つうろはしほうにのびてりょうがわ
ばあいにエスカレーターによるのぼりとくだり
ふきぬけはにかいだてそれいじょう
しょうめいのトーンは暖色のグラスでたようでかたい。
あれなはつかれたように。
ばくぜんとつうこうにんたちとすれちがう。
ためいきまじりに)

あれな
ほんとう・・わけがわからない。
ここにきてさいきんだし。
でもどこあるいてるんだろう?
いまだによくしらないな。

(まだ。
それに。
超現実。
そのハイウェーのようなこうけい。
そのあゆみ。
とまっているかのようにやはりおもえる。
とおりこす。
みみにする。
めに。
きんちょうかんをいだく。
そくぶつてき。
いとがとぎれそうなあやうさだけがつねに。
コンディション。
このしゅきおびに。
しんじょうだけ。
けれどことのいみがある。
どうしようと)


すでにそのとき。
かのじょはいばらにつながれたかのよう。
それはたしかだった。

(ほちょうをおとしてそのさなか。
こえはふいにめいりょうに
みみもとでかのじょにだけきこえた)


かんけいなどはないはず。
すべてがすべてばんじ。
おもうはずだった。
あのこはいったいどういうことなのだろう。
なぜ。
すでにそのしんじょうにあるはずだった。
そのわだち。
しっている。
あくまでもはかなくむじょうでしかない。
そのことにぜんいんがとらわれるりゆうがあった。

あれな
なに・・・いったい。
なにかのすんぴょう?
しらない。

ざいぜん
そのとおり。
それはいい。

(きづくとアンダーグラウンドのりょういき。
ふうけいはかわらずともあくまでげんじつにとおく。
ひとびとはすでにきえていない。
てんけいてきな。
しょうてんはままならない。
めのまえ。
ぜんぽうにすがたがみえる。
くりいろのロングヘアでめがおおきくねむたげで
くろのパンツにうすてのセーター
うでをむねのしたでこうさしてくんでいた)

ざいぜん
あなたのはなし。

あれな
わたしの?

ざいぜん
それをどうおもうのか。
ほんしんから。
はたしてたりうるのか。
いったいのぞみはなんなのか。
なぜそうなのか。

あれな
いや・・・なにも。
ごかい。
そんなそぶりしたかな?

ざいぜん
まわりくどい。
そんなてあいがきらいなんだ。
それだけだ。

(いんさんに。
つよいいたみがしんけいにはしる。
あくまでつよくいらだちだけをいだくそのいたみ)

あれな
いばらが・・・

(まのあたりにするこうけい。
からだのひょうめんにワイヤーのきれめがはしる。
それはそれぞれぶんかいしてうきあがりブロックのように
たがいにはんぱつしたままほじしてうごかない)

ざいぜん
だいちのごとく。
あのハイ。
こうきなるもの。
きしつ。
がんらい。
こんらんにこそきょうじんなるプロメテウス。
きょうじることでの
たましいのゆらぎにこだまするちせいのねいろ。
そのきょうちにはんきょうするこのテンション。
せきららで
どのようにあがなうべきとするものか
それをみいだすにいたったひとにこそを。

あれな
これはシュール・・・なのか。
うかつ。

ざいぜん
おわりだ。
べつにいうべきこともない。
おおよそやくにもたたない
ゆいいつの『オメガパターン』もこれでさいごだ。

(ざいぜんはゆびをならした)

ざいぜん
『イズ・デッド』。

(さとりかける。
やはりいっしゅんぞっとするもの。
あれなはもんどうむように
ブロックのしゅうごうたいとして
そのじょうたいからしほうにばらばらにはれつした)

ざいぜん
まったくたやすいもの。
これでかまいませんね。
殿下。

(すがたはなくこえだけがきこえた)

殿下
なにをしたのかしってるか?

ざいぜん
『オメガ』をまっしょうしました。

殿下
そのてで。
ほんとうか?

ざいぜん
そうです。

殿下
では・・・

(いっしゅんのひずみ。
そのひずみがふっきゅうするとすでに殿下が。
あかいロングヘアのそうはくのかたいかおだち
色眼鏡をかけあかい革のジャケットをきて
ダークシャツにネクタイとコットンパンツ。
そのそばにいぶかしげにたっていた)

ざいぜん
殿下。

殿下
たずねる。
それはもういないということだな。

ざいぜん
はい。

殿下
しとめたということだな。

ざいぜん
そうです。

殿下
たしかに。

ざいぜん
はい。

(殿下はかたほうのてのひらをざいぜんのかおにそわせ)

殿下
あれをしまつをしたのならいまはおまえがゆいいつのこうたい。
なにごともうかつにはできない。
どうでもいいとばかりいってはいられない。
おこたらず。
てっそくは。
つねにかたくで。
しんみょうにこそつきる。
だからこそそうなる。
ひつぜんてきにそうなる。

(ゆらぎ。
たんてきな旋律)

殿下
ごくろうだったな。
おわりだ。
アストロン。
しゅうりょうしろ。

(かいたい。
そのプログラムがさどうする。
しこうせいから異能者となったかわり
あきらかにてんまつがよういされのこされる。
さからえないというこのやくそくごと。
そのばあい。
しばらくのちんもくがあった。
かのじょのかおをうかがうがなぜかへんかがない)

殿下
なんだ?
どういうことだ。

ざいぜん
なにものだ?

殿下
ばかな。

(はっするという。
それがしんどうする。
おおきな質量にはたかれたようだ。
つよくつきとばされる殿下。
そのさいにかたほうのてをうしなう。
ショック。
よそうがいにこんらん。
きずぐちをおさえてみをおこす)

ざいぜん
やはりアストロンらしいな。
うわさどおり。
せんぷくしているようだがいったいもくてきは?
それはたしかにあるようだが。
ぐうぜんでもなく・・・

(そのときに。
そのパターンはいっきにきりかわる。
すべてをじしんあれなによってかきかえられた)

殿下
そんなものか。
おまえというものがだ。
だがはなしにはならない。
いくらなんでもな。
ちがうんだぞ。

あれな
はやくリセットをしろ。
そうでないとばかなさいごだ。
ふほんいなだけだぞ。

殿下
くだらない。

(ふきとんだてのひらがアンダーグラウンドじょうで
原子レベルからデータによりさいこうせいしかんぜんにふくげんした)

殿下
もちろんしまつするにきまってる。
じゃっかんのごさはとうぜんであってけっかはおなじ。

(りょうてをむねにゆびをたててあわせる。
しゅうちゅう。
きゅうそくにかがやきはじめたきせき。
しゅういに球体のこうおんのほのおがたちならぶうかぶ。
まほうだった)

殿下
『ドライ』。

(かいほう。
ちゅうにうかんだほのおがはんのうしいっきに。
それは球体から放射状にひろがりめのまえにおおいかぶさる。
こうおんで高濃度のそのおおきな質量がまさにふりかかる。
そのもよう。
だからおわったものということか)

殿下
もはやきゅうたいぜんとしたものばかりだ。
じじょうはどれもてがかかりすぎる。
おそろしくできがわるすぎる。
だからこそのけじめだ。
とりあえずこれでまんりょうとだけにする。
ほかのことはいい。
わたくしごとすらとうぜんだ。
けっきょくはなにもなく。
まあそういうことだろう。
これでいい。
あまりかんしんはないがこれでぜんぶの・・・はずだ。
だがまだなにか?

(しゅういにかがやくたいきのけはいが。
めにすらうつった。
いてつかんばかりのじゅんど。
そのいわかんみめいのこのしんきょう)

殿下
なぜだ。
うかつすぎたか。
ながいをした?
このクロノのながれ。
じんじょうではないこのテンションはいったい。

れいこ
たちされ。

(きづいた)

殿下
ふざけるな。
おまえになにが!

(むにいたること。
かがやき。
せんこうによって。
まさにおしよせてそしてひきさがる。
いっしゅんのラグ)


ー epilogue ー

(自室。
いつものようにものぐさに煙草にひをつけた。
そのくせ。
啓蒙によるものとおおよそにいえないしだいで。
おそろしくじかんだけがかかるいつものさぎょう)

らんぜ
いまのデータパターンはどこがおやもと?
しらなかったはずだな。

(ものしずかにはちがいはない。
ここはあまりひとのけはいはないのかもしれない。
まんせいてきそのきょくどのろうどうにたいし。
ボトルのバーボンをグラスにつぐ。
ためいきまじりくちにしてしぶるようにあじわう。
あんどする?
きょくどにくずれてかんじがわるい。
そんなばあいといえるのか?)

ブレーカー
ほうぼうに。
こんらんのままだ。

らんぜ
DSVRはまだ機能してる。

ブレーカー
ほとんどはけんがいだ。
まさにまれなはなしだ。

らんぜ
そんなの。

ブレーカー
そろそろかんがえどきだ。
あたらしいものこそをのぞめばだ。

らんぜ
だったらなにを?

ブレーカー
こんごドラグーンとしてどうやっていくか。
てきせいであってもまだだめだ。
いろいろとおちどがある。

らんぜ
もっと・・・ひとにあうべき。
せまいせかいではいけない。

ブレーカー
それがわかるようになる。

(ラジオはへいじのごとく。
つねにチューンはもんだいいしきをとおまきにでもふる。
むかんしんにであってもやはりうごきをしるもの。
どうじてきどうじこく。
そのよも。
ばんじそのならいだけでおわってしまう。
おぼえてすらいない。
こんかいはとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


共通テーマ:blog

『Ran ZE 2』 [三文短編小説]

(それいぜん。
このとうじにならってのもの。
あるしんじょうがあった。
そのいきさつについて。

『すべてはたっかんされた。
とくにわたくしごと。
さいていげん。
ていせつはすでに。
ぶんめいはとどこおらず
とくにひびはひとびとをうるおした。
だがふぐうがある。
しっていながらいまだであえないじじょう。
そのひとはすぐれた
たぶん女性であり
ひつぜんてきさがにこそゆらいする
『ウォーター・ブレット・リング』によって
えらばれみちびかれるべきひと。
沈黙こそをかいじょすべくあらわれる。
いまであればとうぜん
おそらくいだいな大魔導師にちがいない』

すべてをていさいすべく。
だがじっさいてきにはおおよそ難航するばかり。
げんかいのさなか。
いまだひそうなとしつきにあった。
れいがいはありえないはず。
そこにようやくしょうじたある空白)


ー もういっぽう(とうじのかのじょ) ー

(そのとうじには。
こどもじだい。
ご都合主義に。
ぐうぜんめにしたあるこうけいでドラマ。
それはレジスタンスの抵抗をえがいたもので
ヒロイシズムで象徴的いんしょうにつきるもの。
さいごはけっしてむくわれないもののようにえがかれた。
ばくぜんと。
いったいそのじじょうは?
どういう世界をおもうべきで。
そのしんいとはしるよしもない。

たぶん。
かんがえてみても。
それは。

おそらくは軍国主義のじだい。
警戒中の。
まさに非常事態。
戒厳のさなか。
かたいてっそくのうえになにもかたらずいきをひそめる
ちんもくするだけのひとびと。
意見のそうい。
考えの不一致。
市民とのあしなみにぼろだせば
しゅうへんしょこくの軍事的制裁によるばっそくを
無条件にこうむるじこくの政情。
運命共同体にあったひとびとに
抵抗などおおよそありえるはずのないできごと。
そのきょくちに異端分子などありえない。

めいだいだけ。
じだいにおいての。
がんらいなにをほんせつとするのか。
この世界にはとうぜんべつにりゆうとじじょうがある。
それこそがしんじつでありしんりである。
あくまでも。
だからこそげんじつというものだ。
ドラマはそのさなか。
レジスタンスによるこうけいは
たぶん悲観論者のおわらぬひびとナルシシズムだったはず。
あくまでふるいいつわのはずで。
もちろん。
そしてつきひが)

しゅう
かみとそのすくいのぬしというものはきっとむくわれないはずだ。
おそらくじぶんてききびしさにしじゅうするばかりで。
うたわれるようなてあいじゃない。
けっしておだやかなわけがなくじぶんをゆるすはずがない。
ぎゃくにばかなひけめなんてないはずだ。
ぐちってばかりなんてものじゃない。
おうおうによそでかんちがいをしているだけのはなしであってだ。

あれな
よのなかって。
やっぱりいじょうなきがするよね。

しゅう
あきらかによういんはちがう。
たとえばみはからってかってにほっつきあるく。
だれのはなしなんだ?

あれな
みんなそんなかんじかな。
いろいろときままなことばかりだったし。

しゅう
みさげはてたことだとすらいったひとびと。
じぶんいぜんに世界がいじょうだ。
もんどうむようのあまりまったくはがたたない。

あれな
どうなるんだろう。
このさき。

しゅう
りゆうもなくおわる。
たぶん。

あれな
いつ?

しゅう
わからない。
よくある。
おもうだろ?
どうあってもおおむかしからそうだ。
ほかにりゆうはみつからない。
まさにそうだ。

あれな
こんなばしょやこんなよのなかとちがって
ばあいによればだけど
がんらいまったくことなっていたはずの
そんなきがする
ほんらいすべておなじぶんぽうのうえでなりたつ
とどこおらぬこうどぶんめいでそのさなか。
いっていのものこそをこうしんつづけるもので
いまだにおおきくちがっている。
おもわないかな?
そんな世界。

しゅう
どうして。
いいぶんなんてそうだ。
わからないか。
みんなそうやってじんぎするだろ?
そういうものだ。
さいごにはいなくなる。
なにものこらない。

あれな
とりのこされてしまってはこんなんばかりじゃないか。
そうでしかないのに。

しゅう
できごととけいかがある。
まずものがかんがえられるようになってからだ。
そういうことじゃない。
いまがだめなわけではなく。
あくまでばあいによる。

(あまりおぼえてはいない。
たしかにしっているはずがない。
それすらとうじとおなじわけがなく。
あまりにこんらんして。
へいがいがたたあった。
ただおわるだけとおもえた。
けれどきがつくと)


らんぜ
まったくはんてんした?
すべて。
とうにんいがい。

ブレーカー
きがつくとすでにランディーのじゅうにんだった。
いまのじしつにいてじじょうすらある。
いっしゅんにしていわば世界がかんぜんにいれかわっていた。

らんぜ
それが・・・

ブレーカー
『あれな』
かのじょだ。
あのどうきでしりあいの。
いうまでもない。

らんぜ
たしかに。
あのひとはそうだけど。
そうなんだけどしらない。

(郊外。
ふだんはじしつのそのへやでじかんをつぶした。
おもての廊下にめんしていてまどがある
ずっとテーブルのまえにすわってこんをつめる。
たばこやばあいにさけをやってのちょうじかん。
げんざいのじじょう。
いったいはあくまでまあたらしい車道とくかくされた更地がならぶ。
こうばいがありたかだいでとりのなきごえすらきこえた。
たてものはにかいだてでぜんたいにいりくんだつくり
いしがきのへいにかこまれていてちゅうおうになかにわがあり
へやはすべてうちむきにろうかにめんしていた。
ホールでしょうめんのおおきな木製のとびらががんらい表玄関。
しゅうへんに地下鉄とバスのアクセスはあった)

らんぜ
あしたは講義。
なぜかそのじじょうだけは。
『ドラグーン』。
竜騎兵というんだけど。
いまさら。
きのりもせずあくまでゆううつで。
そういうものとしかおもえず。
いぜんだったら。
そのたいどでこりたことがあった。
じぶんてきにおてんであったはず。


ー 2 a ー

(市内。
えんせんの地区。
ちゅうおうにながれるかわべりにそった住宅地。
にっちゅうでもひざしはとてもおだやか。
そのりょうがわのほどうはせいびされ街路樹がたおやかになびく。
しゅういにならぶ近代建築による住居のかずかず。
そこに。

タイルばりのまどりのひろいていそうのマンションのいっしつ。
あれいらいだった。
いらいふたりはぐうぜんからもどうきょしていた。
そのひもおなじく。
いつものようで。
リビングでしょくじをしながらに。
それはひろい採光のみなみむきのおおきなベランダにめんする
キッチンとカウンターテーブル
おおきなサイドボードにしょくたくのためのつくえ
つくりつけのたながあり
オーディオとデスクトップのコンピューター
かべにはキルトのフラッグがかざってあった。
ふだんはだまっていた。
きにかかるそのことをおもむろに)

しんや
みなさんはどうしてるんですか?

れいこ
ん?

しんや
わたしはあまり。

れいこ
どうしたの。
なんのこと?

しんや
べつによくはしりません。
しらないんです。
どうかんがえてもわからないし。
こまります。

れいこ
うん。
そうよね。
でもどういうことかな。
いったいなんねんくらいなのか。
それすら・・・しらない。

(れいがいはなく。
じっさいにはまだ数ヶ月。
そのひの献立は主菜はいためもの。
主食はおかゆだった)

しんや
もういいです。
ごちそうさま。
へやにいます。

れいこ
はいはい。
どうぞ。

(しょくじをおえてせきをたつ。
じしつにもどってそのままベットのへりにこしをおろす。
いつものようにへやぎすがたで。
まったくしょうじきいって。
ひびおちこむばかりのノイローゼ。
モノトーンのくらい基調
カーテンをとざしたダウンライトがともるそのへや。
つくりつけのパイプのデスクとほんだなのあるしょさい。
そこにすえられたコンポのオーディオでオンエア中のラジオをきく)

ラジオ(DJ)
ええ、名演でした。
ジョン・コルトレーンの『ブルートレーン』をお送りしました。
ゆいいつほんにんによるブルーノートレーベルからのおんげんです。
やはりジャズというとそれだけでみょうりですね。
リスナーならまさにつきるとしかいいえないものです。
ひつようにせまられたじだいから
れきしてきにみて
せんじんがのこした
ふるくからのジャズというがいねん
ばくぜんとしたていぎをどのようなかいしゃくをしたものか。
てらうということでもあって
あくまでもスタンスはムードミュージックにたいしブルース。
じっさいきゅうそくにはってんをとげたジャンルです。
とうじからねっきょうしてむじょうけんにききかじったその表現。
あるじだいにはまさしくいっせんをかくす
そのたんてきスケールとビジョンをつよくいだかずにはいられません。
れいがいなくそのこうどなえんそうとせんりつはかんぺきに
ジャズとしかいいえないせいじゅくぶりをしめして
いまだにききつがれています。
つづいては『おおくぼ・ひでかず』のテイク
『それはゆいいつ僕らのもとをかけぬけたはず』をオンエアします。
へんせいはアルトサックスとテナーサックス、トランペット、
ベースにピアノとドラムです。
おおくぼ・ひでかずはおもにアンダーグラウンドシーンでかつどうし
ジャズマンとしては古典的なソロによるフリーの演奏形式がおおく
ほとんどのばあいアルトサックスをたんとうします。
こんかいのおんげんはとくべつへんせいのもので
いにしえへのとむらいであり
詩をいんようしたろうどくばめんもあります。
それではどうぞ。
かいせつはまたそのあとでします。

(なにをどうしたものか。
みききすること。
ぼうぜんとするだけできょむがのこる。
いまいちがくぜんとするばかり。
むいにつぶやくだけで)

しんや
どうしたらいいんですか?
わけがわからないです。
こまります。

(ふいに。
きがついた。
たしかにみみにはしている。
けれどそれはおおきくちがった。
べつのじじょうがわりこんだこと。
はんきょうするように)

ゆう
おまえいったい・・・
うんざりだ。
どういうことだ?
なにさまのつもりだ。

きいち
ようなしだな。
すでにかのじょももどったことだしな。
いまさら。
べつにほかでひつようすらない。
まだあえるとでもおもってるのか?
だれがだろうな。

ゆう
あのなあ。
なんでだ。
これいじょうのめいわくはごめんこうむる。
それだけのことだ。
だれがすきこのんでこうしてるとおもうんだ?

きいち
ざんねんだが。
もうしゅうりょうだ。
みにおぼえがないわけないだろ?
それだ。

(すでにアンダーグラウンドにいこうちゅうだった。
あくまでしらけたしろのカンバスがえんえんとつづくスペースに
キッチュないんしょうのかきわりがはてなくおかれたホリゾン。
ものおとはむじょうけんにしゅういへ。
ゆうはそのばでなにももたず無防備ながらにかまえる。
くろの上下のスーツにしろいTシャツにブーツ
ライスボールカットでぶしょうひげをはやしたとしいきのてあい。
きいちはみをひくくてにしたアーリーランスをかまえた。
かみをかきあげなでつけたチャコールのスーツすがたで
おおがらできゃしゃなたいくのおとこ。
やりのほこさきがかがやく。
しゅうちゅう)

きいち
そいつ!

(いっきにそのままのたいせいでぜんぽうにいこうする。
しゅんじでかくじつ。
たしかに
たしかにそのたいしょうのはらをつらぬいた
もんどうむようのけっちゃくだったはず。
けれどそれはちょくぜんでガードされキャンセル
ぎゃくにこうほうへとはじきとばされ強打をうってたおれた)

きいち
なんだいったい。
そんなはず・・・

(シュール)

しんや
え?。

スターダスト
そのウェポン。
それがはっしたために。

アーリーランス
・・・もうぜつぼうてきだ。
もはやみこみはない。
おわりだ。

きいち
なんのはなしだ。
ようやくおいつめたんだぞ。
あいつ。
すでにこのてにかけたもどうぜんのはずが。

(スターダストがリバイバルされていた。
神剣jはかのじょのずじょうにうかぶ。
それじたいがりきがくのエネルギーである
クロノによってさどうしきのうする。
ぜんたいのざいしつはすべてプラチナ。
そこにエメラルドでもんようがきざまれる。
ひしがたのつばはそれじたいムーブメントでありあおい光玉をすえる。
はばのひろいながくなみうったはさきは
鏡面でオリファルコンでできていてゆうにたけをこえる。
ふといつかはながさがにばいちかくあり
まったんにかぎのついた
シルバーとゴールドであみこまれたチェーンがながくのび
ワームのようにちゅうにういてかまえる)

スターダスト
けじめをだ。
それをおぼえておくことだ。

(しんやはりょうてをのばしつかむとおもむろにかまえた。
おおきな神剣はそれじたいむじゅうりょくであつかえた。
かのじょはからだをきつくしならされ
そのはさきをななめにかたむけしゅうちゅうする)

きいち
むだだ。
いくらなんでも。
このごになにもできるわけがない。

(しんやはぜんぽうをみすえ)

スターダスト
そのとおり。

しんや
『ザ・オーバー』。

(つよい閃光がとうしんからはっせられる。
そのゆらぎ。
つよくゆさぶりほうかいをうながす。
ぶんかいしむにかえすのははどうでありしんどう。
それにてらされそれをこうむることをさとる。
けっしてにげられず。
ただあっけに)

きいち
いったい・・・それは。
もう・・・あんまりなんだ。

(たいしょうはしょうめつした。
いまだにわけがわからない。
もうしらなくもないはずであっても。
かのじょはばくぜんとただみおくように。
とおまきでのこうけいだった)

ゆう
ひょっとして、姉さん?

(ふいにしゅういがあんてんしてきがつく。
すでにアンダーグラウンドはかいじょされていた。
もとどおりへやにひとり。
へいじのままに。
みうごきすらしていないかのよう。
きおくをたどってこうどうをおもいかえしてみて)

しんや
しらない・・・。
なんのこと?
だって・・・
ああ、もうごめんなさあい。
ゆるしてください。
どういうことだったんですか。
こまります!


らんぜ
なるほど。
『すさのお』の御身。
それがしゅごしんであるかた。
『ゆう』とよばれている。
そしてべつに姉である『あまてらす』のかみ。
それが『しんや』?
あの女のこか。

(またいちにちをぼうにふった。
ほかになにひとつせずひとりでそうしてすごしただけで。
まどのそとはすでにひがくれていた。
いつもこのじかんにはおおむね。
マイブームのバーボンできんちょうとつかれをうるおす。
みょうりな『ヘンリーマッケンナ』をグラスでストレートで。
それのみをひびくりかえすこのあくじゅんかん。
ただものもしらずただこまったものでしかないひびがいまだ)


ー 2 b ー

(しごとをおえて。
あたりはすでによるをむかえまっくらだった。
19じをすぎて20じ。
停留所でかえりのバスをまつ。
年末年始のこのきせつ。
ただみをかたくしていた。
いつものようにきたくのとにつく。
どうりょうのふたり。
むごんのまま。
バスはじかんどおりにとうちゃくした。
のりこんだしゃないに乗客はほとんどがいないのがつね。
電灯はうすぐらくそとのふうけいはなにもみえず。
せきにならんですわった。
おもむろにだった。
きをぬいておもったこと)

れいこ
もうもんだいなんてないはずよね。
すくなくともしごとがあるうちは。
いつまでこうしてはたらけるものかとかんがえるわ。

あれな
それはよくおもいます。

れいこ
かりにやめてしまったら。
きっとなにもしなくなるのかもしれない。
それでもいそがしいとおもうけど。
でもいまのじじょうだったらげんかいがある。
はたらいていてもついていけなくなるものかもしれない。
まだなんとかできるうちはね。
ふるいひとはきっとそう。

あれな
じぶんてきにこうえいとおもってます。
けんきゅうはすばらしいです。
あこがれです。
さいごまでいられたら。

れいこ
たしかに。
そのはずよね。
そういうときはよくそうおもうしそうらしいんだけれど。
しんじょうでしょ?
きっとだいじょうぶなはずなんだけど。

(工業地帯いったいはきぎょうの研究施設だけがたちならぶ。
ひろいしきちにていそうでせいぜんともうけられたきかんの建物。
がんらいは市内のはずれのおくまった地域。
そこをバスがていきてきに循環する)

れいこ
しごとだったらぜったいに。
いいとおもう。
ゆうのうだったらなおさらだし。
いんしょうだけでもちがうとおもう。
わかるとおもうな。

あれな
おりあいがつけばですよね。
しんみょうです。

れいこ
もちろんがんばらないとね。

(いっしゅん。
ほとんどラグすらなくにきづく。
ゆかにしいたマットのうえでめをさます。
それはいまのすまい。
へやのよすみにすえられたすうだいのおおきなスタンドのあかりのなか
じかにおかれたデッキのチューンがちいさなボリュームでなりひびく。
やまての住宅地。
ゆるやかなはばのひろいさかみちにそってたちならぶ
おなじほうしきによるねんだいもののマンションのいっしつ。
そとがわにまどがあってがいへきのうちがわ
しつないにベランダスペースがあり
そのうえさらにへやとのしきりにガラス戸がある。
あれなはみをおこしてかんがえた。
そばにあるブリキのはいざらにきづき
あけさしのかみばこからたばこをとりだしてくちにし
マッチばこからマッチでひをつけひといきつく。
かのじょはめはおおきくふたえで
かみはみどりでかたまでのロングヘア。
ニットのしたぎすがたでたいかくはほそくかたい筋肉質。
もうふにくるまりぼうぜんとしていた。
どういうことか。
あの世界はいったい)


ー epilogue ー

しゅう
もうすぐだろ。

(郷愁だけなのか。
いまさら。
ふがいなくただとぼけているだけ?)

しろう
あいいれない。
けれどぎゃくにあまりじぶんをはじないだろ。
それはわからないせいか?
やっぱり。

しゅう
おうおうに。
おわるべくしておわる。
しかたがない。
つねにとうじしゃだけの。
それいがいすべてちがう。
じっさいかんけいがない。
じだいやことのひつぜん。
ごつごうしゅぎにだけかわるものであるわけだし。

しろう
とむらうひともいないはずだ。
だったら。
だれをみおくったうえでかんどころにするのか。

しゅう
あくまでこんなん。
どれだけいたらぬものであったのか。
だからだ。

(しっていた。
まるでいんしょうはやはりスロー。
わずかすうびょうのできごと。
すべてがとうかいしことごとくほうかいするこうけい。
そうしてむざんにぶんめいはおわるはずといわんばかりで。
なすすべもなく。
そのきょうだいさからも。
そのうえで。
じょうくうにふくすうのきたいがみえた。
おどろくほどていくうでひこうしていることがわかる。
にくはくする。
その世界はおわる)

しゅう
おまえはこのことをしらない。
もうすでにいない。
たぶんしらずじまいだ。
いまはそんなしんきょうというだけで。
手もあしもでずもにふくす。
ここにえんがあるわけでもなく。
むしろしらけて
いまはまだおだやかだというべき。
だからだったんだろ?
りゆうがだ。
ことなったありかた
けれどそういのないものにこそいたるみちすじがあればだ。
かならずとうぜんしんじられるものにこそ
ゆいいつきづかされるはめになるからであって。


(よだん。
ことのなりゆきだけでなぜかいつでもながされているようだ。
みつからずまだなにひとつみえてはいない。
だからすでにあきらめていたものがあった。
しかたがないというだけなのか。
こんかいはとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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『Ran ZE 1』 [三文短編小説]

(ねむったまま。
いまだきづかないのはそのため?
いつわりだけでしかなかった、と。
かりにおろかだった、と。
まず悟ることこそをほんぶんとした。
あれこそが世界。
そのはず。
いうまでもない。
けれどがくぜんとする。
かりに。
まちがいだけでしかなく。
とほうにくれるばかりでしかない、と。
なんてことだ。
しかたなしの。
そのてあいのそのてはずは。
かんがえうることこそをまずはじめるというもの)


そうじ
どうする。
いまさらにだ。
ひとりにげるつもりでいるのか?
いいのがれだけで。
さいしょでさいごだ。

けいと
それはちがう。
べつに・・わたしはもう年齢だし。
いまさらなにも。
よくあるでしょ?
もんだいもなくじょうぶなてあい。
いまだ。
きじょうだし勝手なふるまいもおおいかもしれない。
それはいつでもむじょうけん。
じぶんほんいなありかたばかり。
ほかはなにもない。
むしろなにもない。

そうじ
それらしいというだけで?
はたしてそうかな。

けいと
いまはかんがえられない。
でもこのさきはちがう。
いいことがあるにきまってる。
ゆういぎでたのしみですらある。
きっとだいじょうぶなはずで・・・。
だからぎゃくにちがうとおもう?

そうじ
げんかいだ。
はんすうすることばかり。
とらわれることばかりでしかない。
いまさら。
すでにさからえない。
じもんじとうをくりかえすだけで。

けいと
しかたない。
そのはずなんでしょ?
たとえこまることだけであっても。
さいげんがなくて。
おちどだともおもっているし。
なおさらにでしょ?
しらずのままで。
ほかはほんとうにわかっているからなんでしょ?

そうじ
許しをこうべきだ。
そのうえでだまっているしかない。
れいがいなどはない。
いやになることばかり。
こうかいにすらいたってはない。


ー prologue ー

(なつかしいばかり。
それはみめいのことだった。
ひとりろじょうによこたわる。
かのじょだ。
こんわくのうえでのできごと。
いつわはかずかずあった。
いまだに。
もはや小説でこそかたられるべきことがら。
いかんであるもの。
きざし。
そんざいする。
さいごに。
ここにいたったゆいいつのひと。
いつしかきせつがおとずれた)


ー 『Ran ZE』 ー

(きにやむということ。
じびょうをしる。
もしそれにきづいたばあい。
たんてきであってさいしょ。
おそらくさいごまで。
いきさつ。
いつわでありしんそう。
さとること。
だからその器量でてんぶん。
許しがしがたくとも。
じゅうどの。
てっそくがある。
すべていんがかんけいである)


ー 1 a ー

(かのじょだってこりたはず。
ひくべきときにひこうとしない。
悪癖はしょうぶんであった。
すでにしゅういはいこうしている。
そのむこう。
質量や重力すらおぼつかない。
けれどちがいないもの。
げんじつでげんじてん。
じったいはそんざいせずホリゾンだけの。
かりにもくうかんだけが。
がんらいのようそ。
すべてはそこでおこりうまれゆらいする。
ほうじょうなる『無』の『海』。
そのうらがわにいたる。
そしてげんざい。
アンダーグラウンドとのディゾルブのじょうたいにあった)

しんや
『スターダスト』。
じつざいするこのアルテマ。
これで『根の国』ともおわかれだ。
ああ、ちがった。
ランディーだったな。
あくまでふるいいいぐさでしかなかったな。

(かつての剣伝説にゆらいした
かのじょがてにした光玉こそが
神剣スターダストのストーン。
ながらく。
すべてのおこり。
しんやはいっけんわかいむすめだった。
脱色されたロングヘアでスリムでグラマラスなたいけい。
はだは蒼白でパーカにデニムのパンツにスニーカーをはいていた。
そのかたわらにいしきなくたおれた女のすがたがある)

しんや
いったいなんのことだろうな。
あいにくとりゆうはしらない。
べつにようはない。
『れいこ』というんだろ?
どうしてそんなてあいが。

(異世界とはがんらいあいいれない。
けっしてありえないものだ。
いうまでもなく。
れいがいはないもの。
けっして。
けれどもし。
ゆらいするものであって。
だからためいきまじりにうなだれる。
なぜなのか。
りゆうだけはいまだつたえられずのままに)

しんや
まあいい。
でていくだけだからな。
どうなろうとかんけいはない。
おおよそにさいしゅうてきには。
おなじことでしかない。

(そのこうけいをまのあたりにするかのじょ。
みうごきできず唯ふりかえるいぜん。
出来事のいきさつ)


ー つきひ ー

(あくまで概要である。
そのこうけいはVTRによってのきろくだった。
じしつでじまえの革椅子にみをのりだしてすわる老人。
つかれはあるがしんみょうできじょうなたいど。
白髪でめがねをかけシャツにセーターにコットンパンツ。
よりぎみのぜんしんぞうでひとりカメラのまえにかたった。
そのじてんですでにほとんどはたっかんされていた。
じっさいのプロセスへといこうされていたためだった)


ー 『電気』 ー

教授
 あくまでも。
神経系のニューロンによるでんたつのしくみ。
半導体などによるデータによるはいしんと
こうぞうじょうはせいぶつによってもおなじです。
ひとはそれをつかさどるしんたいのごかんによって知っています。
じっさいビジョンとしてにんしきするからです。
いんしょうで情緒ですらある。
ひとにおいても古典的なものです。


ー 『奇跡』 ー

教授
エネルギーというもの。
せいめいによってうみだされる神秘。
しょくぶつにおいては太陽光とクロロフィルの光合成、
せいぶつではその呼吸酸素運動によっておきるきせき。
かりにクロノとよびます。


ー 『側面』 ー

教授
ふるい言いぐさです。
さしせまってすらいる。
『血糖血行悪性循環糖質コレステロール血糖症』。
ながねんのいいぐさです。
がいしてたいしつである。
そのパターンは。
れいがいはなくさがのようですらあるといえます。
こじんのキャラクターでありすべてである。
げんきょうである。
そのけいこうだけを身体にじっさい
じゅんかんするだけできまる。
それだけでけっていする。
もはやたんにたいしつというだけではない。
ばあいによってそのじんぶつそのものがある。
そのことでぐうぜんからも。
そのデータをじっさいつくりゆうこうとできれば。
かりにじじょうだけをでんたつし適応できるばあい。
まったくエラーせずじゅんのうすることから
そのことで超越的な異能者をじっさいうみだせる理論がある。
はかくのそんざい。
いつだつせずせいこうほうにかんがえうるものであればです。


ー 『原点』 ー

教授
せつりがばんじそんざいする。
超常現象などはまったくろんがいであって。
そのてんにけんきゅうをするうえできづいたこと。
ぐうぜんしったアウトサイド、
アンダーグラウンドによってゆるされる領域がある。
うらがわであってそこにおいて。
じったいとはそのてん『OSプログラム』どうぜんでしかない。
むじゅんでなくふごうりではない。


ー 『魔法』 ー

教授
たとえばひをおこす。
なにもないばしょ。
てのひらからだとか。
まるで曲芸や大道芸のようにじっさい。
ゆるされるはずがない。
だがげんてんをおもわせる。
かりに魔法だったら。
じったいとして出現する。
それをかのうにできるよういんとじだいをおもう。
魔法はそんざいしとうぜんとつかえる。
げんじつでありそのはずであるからです。
まぼろしやうそいつわりではない。


ー 『真相』 ー

教授
ふるいいいぐさです。
そのことのかくにんがいそがれました。
鍵となるもの。
ゆらいでありしんそうであるはずの。
『剣伝説』。
それをねんとうにオリジナルのデータをさがしました。
しょうさいをかくにんして。
そしてけっかをダウンロードする。
このせかいにじっさいにじったいをもちこむことをかのうとする。
そのそんざいをじつぶつとして目にして手にすること。
いまであればりゆうこそがそのゆらいです。


(きがついて。
おもいあたりはしないのか。
そう。
ゆううつだった。
れいこはロングのボブカット。
えりのおおきなしろいブラウスにくろのロングのタイトスカート。
くろのかわのおおきなジャケットをはおっていた。
雨模様の午後。
それはむかしのままだった。
市内の大通りのほどうにめんしたその喫茶室のおくのせき。
めのまえのテーブルにはおおきなカップにはいったカプチーノ。
添えられたシナモンのスティックであわだてた牛乳をかきまわす。
らんぜ、かのじょはらんぎりのロングヘア
めはなだちがあってせんがほそい
たいかく骨ばっていてかたく
まるくびのブラウスにグレーのじょうげのスーツすがた。
なにをかんがえて。
いつからじぶんてきに。
どこにいてもみおくるだけのままのじぶんが)

れいこ
もんだいだった。
おぼえてる?
いまだったらどうなの。
わからないだけとでもいうき?

らんぜ
ばくぜんとしてえんもなかった。
はなしだけがあって・・・
そのけんきゅうにさんかしていらいだった。
べつにそれだけで。
あるときようやくとせいかがあがった。
それはあきらか。
あたらしいテクノロジーにおわらぬせかい。
さいこうほうでさいぜんのはずだった。
まさに一喜一憂のできごと。
じゅうぶんのとしつきのはずだったのに。

(むかいにすわるれいこ。
そのゆびにかがやくまるでローターのような指輪。
それはいっていにときをきざんでいるようだった)

れいこ
でもどうして?

らんぜ
ぐどんだった。
でもいかれてるってかんじがする?
じぶんてきであって。
そうおもうからでしょ?
さえてないってかんじ。
へんけんよ。
そんなの。

れいこ
おかしいわ。
いいことのはずがないもの。


(おもいだした。
いつからだった?
そのとき。
めにするできごと)

教授
せいかか。
なるほど。
すごい。

らんぜ
ほんとうに。
インターフェイスもさどうしてる。
すでにじつげんしたもどうぜんなんだ。

(せかいを。
どうおもうべきなのか。
ガラスごしに実験室のないぶのようすがみえる。
データじょうのプログラムから
じつぶつだいの神剣スターダストのデザインがうかびあがる。
たちあう関係者はしんみょうながらもはきがあった)

教授
これこそがまさにこんごのかぎとなるできごと。
がんらいはじんかくすらあるといわれる。
スターダストのパターンこそがさいこうほうのもの。
それをすでにここまでじつげんできた。

らんぜ
いよいよというわけなんだ。
わたしではそんなしんきょうなんてわかるわけがない。
どういうことか。
なにがおこる。
このさき。
みらいかもしれない。

Vo
カウント。

(とまったような・・)

らんぜ
え?

Vo
カウント。
ユーザーID。

(無音じょうたいかもしれない。
ぞっとするほどれいたんでシュール。
けんきゅうしつのブースにいたかのじょは)

らんぜ
これは・・・
システムによるインターフェイスのまあい。
コマンドのにゅうりょくじのラグ。

(そくどにごさがある。
まさににゅうりょくのためのかんかく。
めのまえのこうけいはたしかにじっそくだが
しかしそのいんしょうはじぶんてきにちがう。
さくごがある。
へいじのごとくではない。
こてんてき物理のほうそくによるかんかく。
りきがくとはそのいったんかもしれない。
よういんとはじっさい。
ばあいにプログラによってのものだった)

らんぜ
これがそのあたらしいシステムじったい。
でもなぜわたしにいまわかるんだろう。

Vo
ユーザーID。

スターダスト
ようやくだ。
りゆうをだな。
らんぜ。

Vo
ユーザーID『らんぜ』。
かくにん。
登録中。

スターダスト
おろかなことばかり。
このさきもつづく。
げんかいだけがあるわけだ。
途中乗車や途中下車がほとんどで。
それがふほんいであっても。

Vo
登録終了。
ユーザー、らんぜ。
ようこそ。
アカウント『DSVR』。
(『デジタル・ステレオ・ビジュアルレコーダー』)
(双方向エモーションオリジンイメージプレイヤー)

スターダスト
さっそくだが。
かんげいしよう。


ー 1 b ー

(たしかに。
かのじょはこおりついたように沈黙。
けっかは。
みわたすかぎり。
たんに意味ふめいなだけだとでも。
おおきなりったい
かすんでてんめつするだけのおりかさなったイメージの残骸。
かんじんのスターダストは。
ぼうぜんと。
なぜかまったく。
てにおえずにまったくどういうことなのか。
いちどの閃光のあと。
いちどにそこはふうかしあれはてた。
ほうちされたように。
そのしんきょうのさなか。
よていがい。
だったらなにものなのかがきにかかる。
そのてあいが。
ぐうぜんいあわしたばかりに。
じかいするとだった)

しんや
まったく。
このてあいだからか?
こんかいのわたしは。
わかいむすめではあるものの。
ふだんはどんな女なんだ?
いったいどういうことだ。
こたえろ、神剣スターダスト。
わたしをえらんだはずだろ。

(沸点をこえる)

らんぜ
え?
わたしは・・・。

(摂氏ゼロというきょうち。
いっしゅん、きるということ。
それがじょうたいでこのりゆう)

ブレーカー
ほっさだ。
まだばかをみているからで。
はちあわせしたばかりにこまったことだったな。

(よていがいにでくわす。
ふいに。
自問自答がつづく)

しんや
やっとのこと。
すでに。
このかいほう。
ようやくのきちじつを。
だがなぜトラブルが。
あの田舎もの。
どこでまぎれこんだ。
そこのてあいといい。
どうしてだ。

スターダスト
いんがなものだろ?
じぶんのつごうだけでは。
ながねん。
そのうさだろうがトラブルだ。
わたしはべつにおれたつもりはない。
なにもしなかっただけだ。
みおくるつもりだったからだ。

しんや
それはでは。

スターダスト
ようすをみるべきだ。
まだちょうじかんは、そのじょうたいはむずかしいはず。
げんじょうでは。
はたしてこのスターダストがひつようなのかはぎもんだ。
まだほんせつとはちがう。
だからだ。
いまはだまっているべきだ。
おおよそあいいれないものこそがそうであって。
ぎれいてきにでもそうするべきだ。

しんや
だったらひこう。
ゆずるきはないが。
じきがわるいそうだな。
そういうことか。
どこのだれかしらないがいつわがまだのこっているらしい。
ついでにわたしのはなしはしっておけよ。
そのごのせかい。
しるよしもなくではないだろう。

スターダスト
さいしょになまえだけはしっていた。
こんごはともかく。
かりにまたあおうというだけのことだ。

(アウトサイド、アンダーグラウンドがかいじょされる。
いっしゅんでむになる。
すべてがあんてんした)

ブレイカー
そのひとだったなら。
むかしかもくだった。
ゆうべんだったことも。
あまりいいてあいじゃなかった。
れいけつかんだったのか。
がんらいはしひょうが。
だったらそのために。
そのためだけに。
すべてではなく。
それだけのれいがいのため。


ー epilogue ー

(きがつくとびょうしつで。
たぶんそのはず。
げんじつてきにおもうはず。
しゅういはこおりついたようにかたいいんしょう。
のりのきいたシーツがしかれたベットにいる。
まだわからない。
りゆうがいまいちおもいだせない。
みをおこしあたりをみまわす。
そばにぐうぜんいた看護師がきづいてようすをみにきた)

らんぜ
ごめんなさい。
ここは・・・
いったいどういうことですか?

看護師
ここにかつがれてきました。
おぼえていませんか。
たいへんでしたね。
みなさん。

らんぜ
なにがあったんですか?
ほんとうになにも・・・

看護師
みなさんがおられた施設が全焼しました。
すぐけいほうそうちはさどうしたはずですが
かけつけても殆どなにもなくどなたもおられなかったそうです。
すでにそのじょうたいでした。
げんいんはわかりません。

らんぜ
なにもなかった?

看護師
おどろくほどのひのてにいったいはとうかいしていたそうです。
げんばはすべてもえつきていた。
ただ数名のかたがぐうぜんのようにたおれていたそうです。
となりにねむっておられるかたがそうですね。
おふたり。

らんぜ
責任者のかたは・・・
そうだいです。

看護師
みもとのわかるかたはほかにいません。
というよりもだれもげんばにはいませんでした。
まったくこんせきもなかったそうです。
ほかにはだれもいなかった。

(それはたしかにあったらしく。
かのじょに。
なごりのよう。
へいじにもどるとしてもこのふじょうりだけは。
たががふれたように。
ばくぜんとしていながら。
なおさら不明なてんばかりだった)


らんぜ
なぜ?

れいこ
じじょうがのこっているあいだはそう。
もちろんきまってる。
でもそれいじょうにだめなことがおおい。
だれがだれかもさだかでなくこんわくするばかり。
まずはじょうせきにいたるいぜん。
しょうじきどうなのか。
なにがそこであるのか。

らんぜ
さっぱり。
異常だと?
そうでしょ。
そうおもうはずでそのはず。
かんがえてみても。
そういうときはふつうとするのかな。
じぶんてきにきりかえるとおもいあたる。
よくあるいいぐさで。
たぶんヒーローがあらわれたってかんじがする。

れいこ
だれのこと?
ほんとうにふつうのやつなの?
いかんだわ。

らんぜ
そのはず。
いかれるってかんじの。
ほんらいであればけっしてちがいはないはず。

(かのじょについてこんご。
とどこおるりゆうがもしもあるのなら。
いたらぬというのは唯それだけにちがいはなく。
こんかいとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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