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『Ran ZE 8』 [三文短編小説]

(どうしたもの
せいしするかのように
いこうする
せかいには
いくつか
ごさ
おちどが

あがなうもの

ちょうげんじつ
しんじょうを
ものごとが
じだいというべきことに)


らんぜ
なんだろうな。
たとえば。
むかしだったら。

あれな
どんなかんじか?
もんだいはつげん。

らんぜ
たいどがある。
そんなことでは。
いまいち。

あれな
いっけんするとげんきそうだけど。

らんぜ
よくない。
こういうてあいは。
だらしがなくて。

あれな
やせたんじゃない?
すこし。

らんぜ
そんなの。
いくらなんでも。
じぶんてきに。
でもふりかえって。
ほんとうは『魔術師』かもしれない。
わかるかな?
それが。

あれな
それね。
けっこうそんなかんじ。
わたしってそうなんだ。
それがわからないだろうな。

(オープンカフェ『バーデン』
講座のかえり
ふたりはそれいがいのじかんはほとんどあわない
カフェラテを
ミルクにエスプレッソのショット
おうどうレシピ
そして煙草
それだけの
あくへきとはねぶかい
あまりに
ひび
ひろうかん)

らんぜ
もうかえる。
あたらしいインターフェースにもんだいはなくとも。

あれな
たぶんそうだとおもう。
わたしはいっぱいやりたくてね。
それでかえろうとおもう。
おつかれ。

(そのひインストールしたプログラム
『フリーダイバー』
おもにさぎょうようのネットワークシステム
リアルタイム
どうきするたんてきばくぜんとした
げんじょうやいんしょう
あるイメージやおとでりんじょうするもの)


ー 8 a ー

講師
ひとのせかいとはまさにばんじによります。
そこにはじかんやばしょ。
こじんというありかたにれいがいはなく。
ばあいに哲学的なものです。
そうおもえるとき。
ひとらしいにんしきというものについて。
かりに物理学を。
アイザック・ニュートンがはっした『万有引力の法則』。
うれたりんごがきかららっかしちにおちるいっしゅん。
その万物におけることのはかなさうれいにたいし
そこに『引力』というものがそんざいするというはっそう。
ほかをかいさずじさない。
それこそがにんげんてきなけんかいけんしきである。
いらいのがくもん。
きんねんではさいだいの『相対性理論』について
それはしょしにおけるレイジ
ながらくのがくもんにおけるちんもくといきどおり
めっするというどうりに
こんわくとむじゅんにおおわれたせかい
まよいとふしんを
いっしゅんに
かんじょうもないじょうもかいさない
まっしょうすることによってふりきることでの
さいごのひととしてのてつがく
ニュートンいらいおもんじられる人間性である。
げんてん。
どうりとしたばあいに。
ちなみに『量子力学』におけるさいだいのけんいは
もちろんアルバート・アインシュタインです。
『相対性理論』におけるつどうというけいこう
それをかいめいしないかぎりたりえないものこそが
さいだいの『量子力学』それである。
そのさいごにあたる物理学者であるといわれます。
がくもんとして。
けれどなぜかひととしてのかんせいやかんがえ
そうおもえなくはないものこそがしょしんであるきがやはりします。

(ばかのようにやりすごし
このことのためにないがしろ
だったらなにが
もはや
しょうもうしきった
ついやす
ごつごうしゅぎ
じかんというさいだいのざいさん
いつだつする
いたらずの
ダメージ
ふほんいで
くつじょくてき
いたみによっての
さからいがたく
いらだたしい)

オーナー
どうぞ。
よければ。

(わけもわからず
がんぜんにこうけい)

オーナー
きょうがさいしゅうびなので。
じかんないであれば。
ほかにも。

らんぜ
ありがとう。

(しないのおおどおりぞいにめんした
そのちいさな画廊にたちよった
ゆうぐれどきでぐうぜん
めのまえにかかるおおきなカンバス
えがかれているもの
たぶんがいとうによるろじのこうけい
ぜんたいにうすぐらく
そのちゅうおうによこをむいてたつ
かみがショートカット
げんしょくけいのセーターにロングスカート
いっけんじみなじょせいのうしろすがた
それをえんけいからとらえたもの
油絵でパステル調のうすくたんせいでめいかいなひっち
てんじされたものはそれほどおおくはなく
おもてはショーケースごしにもまっさおだった)

らんぜ
なるほど。
タイトルは『さりがたき家』。

えいら
おぼえているか?
なぜだった。

(いっせんを
そのとおり
めにした
やはり
ひきこまれたということだった)

えいら
いまいち。
そうではないはずのものが。
しょうじきにも。

(それについて
まったくアンラッキー
すでにては
どろねんど
ぬかるみくずれそうな
まのあたりにして
いま
いくじはなく
おもわぬこと)

らんぜ
『ブレーカー』

えいら
キャンセルだ。
けんがい。

(なぜ
いきなりエンディングとおもわざるえない
そのいんしょうがぬぐえず
はたして
このまま
そうならざるをえない)

らんぜ
やはり。
おわり?
ここで。

(よくわすれる
そうぐうし
きはくの
そんざい
いみ
べつに
いこうが
おぼえていられるはずのものではなく)

いざなみ
どうするつもりだ?
またしてもだな。

(げんてん
おおまかに
ただ
りんかくを
ねなしぐさ
かりにこじん
きょうゆうできず
いわざるをえないじじょう
とろうばかり
むしけら
あくじゅんかんである)

いざなみ
わこうどの。
まるで。
このうえになにを。

いざなぎ
しにんにくちなし。

(だったら
そんなはこにわ
ろうごくだった
でていってとうぜん)

らんぜ
いつわりのため。
どれほどにつみが。
もくてきとは。
いったいなにをかんがえて。

いざなぎ
はなしをしよう。


ー 8 b ー

(ちかてつのれっしゃない
つりかわをつかみぼうぜんとしていた
となりにたつスーツすがたのおとこ
かみをたんぱつにかりあげめはほそくやせこけてたんせい
おおきめのくろのじょうげにまるくびのしろのシャツ
そしてむかいのざせきにすわるおんな
おなじくじょうげのスーツにブラウス
みどりいろのロングヘアでメイクをしかたく)

いざなぎ
ふぬけみたいだな。
だからか。
しかたがない。

いざなみ
むりのようだ。
そうおもいこんでるみたいで。
じぶんてきに。
まったくなにもしらずわかってはいない。
わからないということのために。
むじゅんにきづかない。
ほんらい。
ちがうはずが。

いざなぎ
こんなてあいじゃだめだ。
たっかんしそうだ。
もうなにもたりえておらず。
どうりはそこにおいてありはしない。

いざなみ
あたらしいひとならそれでいい。
べつにそれいじょうおもわない。
ひげきだったら。
たぶんぜんいん死刑。
のがれられず。
てんまつは。

いざなぎ
はなしをかえよう。
べつに。
かんがえてみてもいい。
ぜんいんについて。
そうすると。
もういない。
いなくなっていた。
すでに。

いざなみ
そうだった。
ばかなはなしではある。
きょうげん。
いっかいの。
だれも。
しんじようともせず。
かりに。
そういうものだった。

いざなぎ
むざんにも。
つみをおぼえる。
さからいがたい。
じしんではたりえない。

いざなみ
きがくるう。
『ああ、しまった。
なんてことだ』
あまりに。
れいがいはなく。

いざなぎ
ておくれ。
てんまつとする。

いざなみ
かわらず。
ごつごうしゅぎに。
まにうけず。
くうろんであって。
むかしばなしがあった。

いざなぎ
いつおこったものか。
はたして。

(ひとはどこまで
ゆうこうをしめす
あくまで
ぶんめいが
おうおうにして
ありえず
おりあいがつかない
ドグマが
なにをいだかせる)

いざなぎ
かくしんではなく。
あくまでも。

(そのとき
ぼんやりと
らんぜはすざくのへやできづく
たちつくし
すぐにきをとりもどす
ふるめかしいひろいまどりのアパートのいっしつ
たかだいのおくまったばしょ
みなみむきのへやからはうみが
ひはくれて
すかしたガラスどからそよぐがいき
しつないはねんだいもののシャンデリアのだんしょくあかり
おおきなもくせいのしょくたくとサイドボード
べつにひくいソファーとテーブル
オーディオとかびんにはいったせいか
かべにはがくぶちのしゃしん
そしてしろもののまあたらしいでんかせいひん
くろいカバーのかかったボックスのピアノ
すざくはとしいきのろうば
ながいむねまでのはくはつのかみ
やせこけめがおおきい
ブラウスにベストにデニムのパンツ)

すざく
どうしてか。
どうして?

(すざくは煙草にひをつけた
ふかくひといき
うでをくんでたらしらんぜをみる)

すざく
いつからだった?

らんぜ
さすがには。
とてもはなしにはならない。

すざく
いわれたせいで。
それともてまえがって?

らんぜ
そうおもっていた。
なにもできないことがりゆう。
あきらかなざせつ。
それいらい。
ほかはかわらず。
あまりそうじゃない。

すざく
だったらいまさら。
まだあるとおもう?

らんぜ
どがすぎる。
ぬけさくで。
いたたまれず。

(すざくはれいぞうこから缶ビールをとりだしせんをぬく)

すざく
くいているつもり。
そればかりで。

らんぜ
それですらない。

(すざくはビールをくちにする)

すざく
かわらず。
あきらかで。

らんぜ
まるでみなしごみたい。
つたない。
そのせい。
いたたまれず。
そんなばあいにあるのか。

すざく
ておくれで。
きまっていたはず。

(らんぜはしょくたくのうえのカンパリのボトルをてに
そばのグラスにそそいでのむ)

らんぜ
つかれた。
もうしょうじき。
おしまい。

(すざくは
煙草をふかくすってはいざらでもみけす)

すざく
だめなものは。
もののかんがえかただとおもわない?

らんぜ
でくのぼうで。
そんなてあいじゃなかった。

(ゆっくりと
おかれたバナナのパウンドケーキをナイフできって
スライスしたパテのソーセージといっしょにたべる
煙草にひをつけ)

らんぜ
はずべき。
おかどちがいにいろんはない。

すざく
まったくこりつむえんなきがする。
こどくでこどくでしか。
そのことだけでも。

らんぜ
かぞくがいれば?

すざく
ちがう。
しこうせいで。
わからなくはない。
たぶんそういうもの。

(やはり)

すざく
かえるばしょ。
やはりどうあっても。
かならず。

らんぜ
きづかずのままで。

すざく
でもほんとうだった。

(とりもどす
さきほど
こうけいはいま
そのじてん
いこうして
ふうけい
しきさい
びょうしゃは
おもくるしくへいさてきなビルのたにま
ほどうにがいへき
みあげる
しゅうい
えいらとはここのぜんいき
すがたはなく
おもわすものは
あるぜつぼうてきなはいかい
なんどくりかえそうと
てんまつにはいたらず
しいられ
ぬけだせず
はやくかいしゅうしなければ
このあくじゅんかんから
じぶんを)

 Vo
プログラム。
『ブレイバー』をインストール。
『DSVR』アカウント。
らんぜ『ブレイバー』をアップグレード。
『ブレイバー』のしようをきょか。

(ふがいない
なんどもやぶれる
おこたる
おちど
そればかり
なおさらに
またふりだしに
こんなん
ちんもくについて
みおくる
いつでも
おなじてんまつ
いちどもいだけないこと
それはかくしんだった
いまだ)

らんぜ
『サードアイ』

Vo
サーチ。
たいしょうをかくにん。
ほそく。

らんぜ
『FTM』

(いちれん
そのプログラム
じしんのじったいを電子化することによって
そのためにゆうこうとなったショートカットのキー
いこうする
いっきにずじょうたかく)

らんぜ
『ブレイバー』

(でんげきが
ロックオンしたちゅうすう
たいしょうを
こうでんあつのやいばがつらぬく
じょうくう
こぶしによってたたきつける
じったいはなく
ほそくされた
すでにふかぶかとうもれる
やけてたんかした
えいら
そのくだけちったビジョン)

Vo
『ブレイバー』しゅうりょう。
らんぜ。
『ブレイバー』グレードアップ。
『2ステージ』。
『DSVR』アカウント。

らんぜ
どうにか・・・まだいきていられる?

(かわらず
さきほどの)

らんぜ
ありがとう。

オーナー
いえいえ。

(画廊をあとに
おもてをあるく
あたまをひやし
ただ
いまは
かえろう)


ー epilogue ー

(そのじだい
『おうこく』とは
けいけんではなく
なにもおもわず
すたれ
なやみだけは)

れいこ
くさったな。
いまになってどうして。
まださとれてはいない。
よわねを。
なにがいまだ。

(ふうけいだった
たんてきで
つよくいんしょうを
かんじるものは
せんりつのように
ホリゾン
かたく
おぼろげで
いつからか
きちょう
ばあいによって
かわらず
ばしょは
こうしんする
おもかげ
さいしょに
めに
みみにした
あのこうけい
しょうしつするほど
そんざいした
かたくなの
げんてん

こんかいはここまでです)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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