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『Ran ZE 4』 [三文短編小説]

(かのじょをしっていらい
このうつがある。
いぜん
しいていうとさんざん
それにぼっとうしていたころ
おろかで
なにもしらず
きづかず
いまだにきょくどにおちこむ
ばくぜんとして
でもいったいだれについて
そんなしんじょうだった)


かずさ
きえてしまうもの。

(なごりはぜつぼうてきな)

くれい
またなにかあったのかい?

かずさ
どうしてなにもせず
なにひとつ
わらうこともなみだすることさえ
ひょうじょうすらかたく
すべてむにかえす。

くれい
ゆるしがたい。
つみがいまだ
たりえていないせいで?

かずさ
たぶんちがう
そのいいぐさでは
たぶんそうじゃない。

くれい
ねぶかい
いまだにわかっていない。

(くれいはつかれたままいきをつく
かたまでのばしたロングヘアにうすくおおきなくちびる
シャツにくろのブルゾンにくろのコットンパンツ
いまはきょうしんてきおえつすらおぼえる。
そのかいわい
がんらいアンダーグラウンドのりょういき
市内でがいとうのたにま
なかにわのようないしだたみにきがうえられ
でんとうのあかりのもと
かねのベンチとあおいホーンブースがある
じょうくうはくもにおおわれあくまでふじゅん
ほとんどつねに。
かずさはたんぱつでめがおおきく
デニムのパンツにブラウスにベージュのハーフコート
ふたりはながらくろじょうでのちょうじかんを
すでにパターンはロードずみ
かのじょはポケットからはこをとりだし煙草にひをつける)

かずさ
かえるべきだったとおもうはず。

くれい
りゆうは?

かずさ
ふこう・・・だから。
だからせめてきがくるうまえに。

(どうでもいい。
きがかりなのはいくつかのふめいなてん
わすれたもどうぜんのふるいはなしがいまだ
ぜつぼうてき)


ー 4 a ー

(やはりいくぶんしずんでウェット
すくなくともさいていげん
それはきせつに
いまはぼうぜんとむなしいきがする。
受講のあいま
地下街のオープンカフェ『バーデン』で)

ざいぜん
このかいわいは役者しぼうのがくせいや
役者くずれがおおいんじゃないかな?
まさにやみあがりで。

あれな
りゆうなんて
べつにどうでもいいことばかり・・・
だったらどうかな
なにかしゅみとかとくぎは?

ざいぜん
あんきはとくいだけどばあいによる
でもじっさいできるの
えりごのみはしないということ
じっちょくでストレートなほうかな。

あれな
それね。
だったらどうおもうんだろう
がんらいにがてで
だからこまったことばかり。

ざいぜん
ふだんはふつうなほう
そういうもので
だからどうりやしんじょうはある。

あれな
そろそろじかん
ありがとう
またあまよろこびというべき。

(このかいわいにはじっさいにテナントでげきじょうがあった。
ちがいはなく
ぎゃくにそれいがいをどういうべきなのか)

ライ
ちんもくする
ちんもくこそを
さいあくをじゅうしゃにゆだねる
おそらく
そのこんなんにいったいだれがきづくのか。

リル
いいわけのつもりか?

ベイク
やみからやみにむにいたる
うそつきやうらぎりものにぬすっと
ことがおわったものと
だがきょうみはもはやだれにもなく
ざんねんながらてがつけられない。

ライ
ながねん
わたしたちはこうしてあらわれ
したがうものはじしんであり
ほかはのぞみえない
かりにもちえず
ここにいたることのすべてが
そのさがにこそゆらいするものである
そのために。

(ぶたいがしゅうりょうし
えんもくはかの『オンディーヌ』
午後をくだり
かえりみちであって
うごのあおざめてくらくにじんだこうけい。
れいこはそのひはうえからトレンチコートをはおり
しんやはグレーのオーバーコートを
てにはかいせつのさっしをにぎっていた。
きろにつくかんきゃくがそばでばくぜんと)

婦人
あのひとがよかった。

(たんてきないいぐさで
いまいちわかりかねる
じっさいのうわさだろうか
なにかきょうつうのいいぐさにちがいなく
またこうしんされたまちなみはそうして
たちならぶあたらしいビルディングとほどうにしゃどう
めをふせかもくにえきにむかってあるく。
おちこんだかのじょ
きょむにあいまいに
ふいにしせんをあげると
そのぜんぽうにわかいじょせいが
たぶんりょうしんと
みちすがらはなしてあるくすがたがあった。
そのてん
なぜかこまったもの)

しんや
やっぱり・・・
いまいちそうですか。

(ひとりであれば
とりあえずひとこきゅう
しゅういのじじょう
あたりまえすぎる
なにがある
けっしておもうことばかりではない
なにもしらない
そんなものが
めにはただ
うかつなのか
ぼんやりとさだかではなく
まえをあるくいっこうがきえたしゅんかんが
いぶかしく
ふじょうりを
こおりつくもの
ふかかいで
いきどおりが
こんなんがある)

しんや
『スターダスト』

(しんやのずじょうでスターダストがリバイバルされる)

 Vo
コネクト。
アンダーグラウンドに移行中。

(りょうてをあげ神剣をつかみかまえる)

Vo
リミット。
パターンジャスト。
アウトサイド。

(まったんのかぎのチェーンがはんのうししゅういにこをえがく
それはぼうぎょたいせいでありちょうほうのオペレーション
じじょうをさぐる
ぜんぽうにあるけはいをほそく
かのじょはオリジナルボイスによって)

しんや
『たりえていないな。
いまだそんなてあいが。
かくれてもむだだ』

(アウトサイドへのいこうご
そこはだっしょくされたかのようで
ぞうけいだけはかわらずもとかげをおとし
はいけいはきりぬかれたかきわりのごとく
そこにすいめんのゆらぎのようなノイズ
ぜんぽうにてんそうされたスーツすがたのさんにん
うでをまきつけるようにくみしんみょうに
むごんでのそうほう
ライはじしんのてをかたくかおのそばでひねる
そこにわかいむすめのすがたがうかびそしてあらわれ
かのじょはのどもとをつかまれたままみうごきできずにいた)

ライ
ようはない。
すでにおわったもどうぜんのこと。

(かみをかりあげたそうはくでたいはいてきなかおだちのおとこたち
そのきいろにかがやくかたくおおきくみひらいためがいっそうに)

しんや
『かんちがいじゃないか。
それをどうおもっているんだ?』

ライ
こんなときに
しりもせずよくいう。

しんや
『つきるというもの
それだ』


ー 4 b ー

(がんぺきにそって
ゆうほどうでありひらけたばしょ
つよいうみかぜにあおられ
すいへいせんにむかって
まっくろでなまりのようなかいめんがまさになみうつこうけい。
こうぎょうちく
がんらい
じょうとうくである
ぶんめいによるぶんぽう
ぜんぽうにこうぎょうようのてっこつのアーム
そしてならぶタンカーのコンテナ
ふりかえりこうほうのやまて
おおきなこうかのしゃどうにたてものがならび
しゅうへんはかいろうのようで
そしてあたらしい近代建築のおひざもと
いしづくりのかいだんにむぞうさにこしをおろす
ほかはだれひとり
ばあいにこのげきじょうに
いまだおとずれるものはいないとしかいえずに。
ちゅういをひくと
そのあしもと)

あいる
どこにすんでるの?
しらなくないのにね。

(けはいがあるふりをする
そのばの
たとえばいぬやねこ
あるいはなにかしらのししゃである。
めさきの
そのすみにめぶくざっそうに
しらけるようにもおもえるはず
とにかくみをかたくしていた)

あいる
おもかげ
たいど
いんしょうでわかるもの
きぐうということね。

(じょうくうを
ものおもい
てもちのたんまつをとりだしながめるこうい
 いまだにしゃくぜんとしない
いくつかのひつぜんてきことがら)

あいる
しっているはずですね
殿下。

殿下
なんだ?
だれだ。

あいる
ばあいに
いたらずとも
こんなかたちであっても
ちがわないはずのものである。

殿下
うるさい。

あいる
あのひとのことがある
あなたのかたわれであるはずの。

殿下
いったいだれなんだ?

あいる
いまはいい
いずれとうたされる
けっしてれいがいなどはない。

(それでしかない
くうろんにすぎない
はらがたつだけで
かのじょはかつてのドックをあとにした)


まり
そんなひとはいない
きおくのかぎり
ほとんどずっとかわらず。

(そのこは
うすくメイクをしボブカットであかいコート
チェックのジャケットとショートスカートのスーツすがた
いみしんにかんがえこんでいた)

しんや
なおさら
ありえない世界でしかない
だからですか。


Vo
パターンモンスター。
ゴールドのアストロン型スレイヤー。

(はかくのししゃたち
そのにたい
ちょうやくしふりおろすそのだげきはきょくど
はちょうとしんどうによってまさにすなやまをくずすかのごとく
けんせいするしんやはたいおうにてこずる。
くりかえししゅういにとりかこみピッチをあげていくてあいに
そのあしばにしいた
ぼうぎょようのサークルからでられないまま
かのじょのしゅういにオペレーションのでんこうがホロでうかぶ
こうそくされたまりはいまだ)

しんや
かこくなかんきょうとその重労働にたいおうするパターン
がんらいはきょくちむけのさぎょうようのデータ
そのプログラムをインストールしたことによってのげんじょう
けれどもまだわからない
なにかりゆうがあるのに
そのパルスがおこるとき
きどうするよういんであいずであるあのきちょうがなんなのか。

(おおきくちょうやくししつりょうをこめてふりかかる
それをフィールドによってさえぎる。
しょうげきにあしもとのほどうがくずれてめりこむほど)

しんや
もう!
なれてないせいで
でもいくらなんでもひどすぎる!

スターダスト
かいじょだ。
いまならだせる。

(いっしゅん)

しんや
『ドール』

(しゅんぱつ
いっきにカードがはずれ
まりをそのままこちらにひきこむ。
しゅつげんしたさんたいのかげ
しろいシャツにくろのズボンにブーツ
めもとにかめんをつけ
きょうぶにむねあて
うでにはひじまでのこて
そしてひざまでのすねあて
てにけんさきのほそい長剣をもち
ぶぐはすべてプラチナせいで
ひとしくゴールドのほうしょくがほどこされている。
すばやいししゃたちのうごきにたいしほとんどどうき
すでにドールたちはそれいじょう
かんぜんにほそくしたじょうたいで
こうそくいどうによるざんぞうにくりだすけんげきは
ししゃをなんじゅうにもたたみかける。
それはアイフィールドのうえであってもふせぎきれず
かれらはておいのままなんとかふりきり
こうほうにちょうやくしかまえる。
やむをえず)

ライ
『バンズ』

(プログラムのきどう
そのパターンはとくせいからあるきょうちにいたる
あるいわばせいたいへいきのげんじょう
こうげきのさいかい。
きょうしんてきな
そのビートに
くりだすなまりのごとく
もはやどんきである
おうだすることで
そのそれいじょうのうごきに
はじきとばされるドールたち
さんたいのモンスター
ぜんしんのせつはきょうじんにしてしなやか
ひふはかたくびりょうにしんどうして
きょうぼうにしてせいちなしんけい
それをぎょすれいてつなせいしん
マインド
しんやはゆっくりいきをつく)

しんや
『まったく・・・
どんなきぶんだ?
それにたいしてはどうだ』

ライ
なにを
もうおわりだぞ。

(いっきにのしかかる
プレスする
そのしゅつりょく
じゅうりょくをかみしてなおさら
きょうこうなまで
せっこうやブロンズのちょうこくのごとく
らっかするかのようにたんてきなぶったい
いまのげんじょう
このまま
おしつぶすといういこう
モンスターのはっするはちょうにフィールドがしんしょく
フィールドのうちがわからそのはどうのひずみがほおにたっする
どんどんしんしゅくされていくぼうへき)

しんや
・・・これほどのしゅつりょく
これほどのスペックをはっきする
けれどいくらなんでも
あくまでもなまみであることにちがいはなく
いっかせいでしかない
それをはっきすることでのけっかは
かりにこきゅうをおこたることによって
せいめいがしょうもうしつづけくちるだけのくだり。

(アストロンはこうせんじょうたいにあったはず
あきらかに
ふどうに
あっとうてき
けれどリミットにたっしたとき
げんかいにいたったとたん
さんたいはいっせいにほうかいしてしょうめつした)

しんや
それだけ
よういんだけはたしかだった。


ー epilogue ー

(講座のかえりに
あたらしいプログラムのインストールをうける
それがすこしブルー
こんごのかだいである
からだにデータのでんきょくをとおすだけで
あとはてきせいになるまでのあいだ。
ファミリーレストランのボックスせきにむかいあってすわり
生ビールのジョッキでうるおす
煙草をくちにひをつけ
つかれてろうばいしかねないしんきょうだった)

あれな
あれこれとは
べつにかまわない
いいぶんやスローガンはとりあえず。

らんぜ
うん・・・
それね。

(やはりしんみょう)

あれな
ざっくばらんにいきたい。
ゆめとかじゃなくふつうでいい
そんなてつがくてきなじんせいかんはしらないし
もういいかげん
そんなじんせいだし。

らんぜ
なまぬるくともおんびん
そんなじじょうだったら。

あれな
しらない
いまは・・・こんごのことがある。
それをなんとかしろということで
ほかには。

らんぜ
なやむこと
じぶんでわかっていないとか
さいきんのできごと
おもしろおかしくもないこと
そんなものが
つまり
せかいがね。

あれな
むじゅんがある
でもいっときだし
こんごはちがう。

らんぜ
かいほうにむかってすすむ。
びとくやひんせいに
いいことだってあるわけだし
そのはずで
はかりしれない。

(いまだいんしょうはかわらず
おうおうに
そのひそのよはくれた。
ばくぜん
でもよくあるきがした
おうおうにしてそうあること。
こんかいはとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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