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『Ran ZE 1』 [三文短編小説]

(ねむったまま。
いまだきづかないのはそのため?
いつわりだけでしかなかった、と。
かりにおろかだった、と。
まず悟ることこそをほんぶんとした。
あれこそが世界。
そのはず。
いうまでもない。
けれどがくぜんとする。
かりに。
まちがいだけでしかなく。
とほうにくれるばかりでしかない、と。
なんてことだ。
しかたなしの。
そのてあいのそのてはずは。
かんがえうることこそをまずはじめるというもの)


そうじ
どうする。
いまさらにだ。
ひとりにげるつもりでいるのか?
いいのがれだけで。
さいしょでさいごだ。

けいと
それはちがう。
べつに・・わたしはもう年齢だし。
いまさらなにも。
よくあるでしょ?
もんだいもなくじょうぶなてあい。
いまだ。
きじょうだし勝手なふるまいもおおいかもしれない。
それはいつでもむじょうけん。
じぶんほんいなありかたばかり。
ほかはなにもない。
むしろなにもない。

そうじ
それらしいというだけで?
はたしてそうかな。

けいと
いまはかんがえられない。
でもこのさきはちがう。
いいことがあるにきまってる。
ゆういぎでたのしみですらある。
きっとだいじょうぶなはずで・・・。
だからぎゃくにちがうとおもう?

そうじ
げんかいだ。
はんすうすることばかり。
とらわれることばかりでしかない。
いまさら。
すでにさからえない。
じもんじとうをくりかえすだけで。

けいと
しかたない。
そのはずなんでしょ?
たとえこまることだけであっても。
さいげんがなくて。
おちどだともおもっているし。
なおさらにでしょ?
しらずのままで。
ほかはほんとうにわかっているからなんでしょ?

そうじ
許しをこうべきだ。
そのうえでだまっているしかない。
れいがいなどはない。
いやになることばかり。
こうかいにすらいたってはない。


ー prologue ー

(なつかしいばかり。
それはみめいのことだった。
ひとりろじょうによこたわる。
かのじょだ。
こんわくのうえでのできごと。
いつわはかずかずあった。
いまだに。
もはや小説でこそかたられるべきことがら。
いかんであるもの。
きざし。
そんざいする。
さいごに。
ここにいたったゆいいつのひと。
いつしかきせつがおとずれた)


ー 『Ran ZE』 ー

(きにやむということ。
じびょうをしる。
もしそれにきづいたばあい。
たんてきであってさいしょ。
おそらくさいごまで。
いきさつ。
いつわでありしんそう。
さとること。
だからその器量でてんぶん。
許しがしがたくとも。
じゅうどの。
てっそくがある。
すべていんがかんけいである)


ー 1 a ー

(かのじょだってこりたはず。
ひくべきときにひこうとしない。
悪癖はしょうぶんであった。
すでにしゅういはいこうしている。
そのむこう。
質量や重力すらおぼつかない。
けれどちがいないもの。
げんじつでげんじてん。
じったいはそんざいせずホリゾンだけの。
かりにもくうかんだけが。
がんらいのようそ。
すべてはそこでおこりうまれゆらいする。
ほうじょうなる『無』の『海』。
そのうらがわにいたる。
そしてげんざい。
アンダーグラウンドとのディゾルブのじょうたいにあった)

しんや
『スターダスト』。
じつざいするこのアルテマ。
これで『根の国』ともおわかれだ。
ああ、ちがった。
ランディーだったな。
あくまでふるいいいぐさでしかなかったな。

(かつての剣伝説にゆらいした
かのじょがてにした光玉こそが
神剣スターダストのストーン。
ながらく。
すべてのおこり。
しんやはいっけんわかいむすめだった。
脱色されたロングヘアでスリムでグラマラスなたいけい。
はだは蒼白でパーカにデニムのパンツにスニーカーをはいていた。
そのかたわらにいしきなくたおれた女のすがたがある)

しんや
いったいなんのことだろうな。
あいにくとりゆうはしらない。
べつにようはない。
『れいこ』というんだろ?
どうしてそんなてあいが。

(異世界とはがんらいあいいれない。
けっしてありえないものだ。
いうまでもなく。
れいがいはないもの。
けっして。
けれどもし。
ゆらいするものであって。
だからためいきまじりにうなだれる。
なぜなのか。
りゆうだけはいまだつたえられずのままに)

しんや
まあいい。
でていくだけだからな。
どうなろうとかんけいはない。
おおよそにさいしゅうてきには。
おなじことでしかない。

(そのこうけいをまのあたりにするかのじょ。
みうごきできず唯ふりかえるいぜん。
出来事のいきさつ)


ー つきひ ー

(あくまで概要である。
そのこうけいはVTRによってのきろくだった。
じしつでじまえの革椅子にみをのりだしてすわる老人。
つかれはあるがしんみょうできじょうなたいど。
白髪でめがねをかけシャツにセーターにコットンパンツ。
よりぎみのぜんしんぞうでひとりカメラのまえにかたった。
そのじてんですでにほとんどはたっかんされていた。
じっさいのプロセスへといこうされていたためだった)


ー 『電気』 ー

教授
 あくまでも。
神経系のニューロンによるでんたつのしくみ。
半導体などによるデータによるはいしんと
こうぞうじょうはせいぶつによってもおなじです。
ひとはそれをつかさどるしんたいのごかんによって知っています。
じっさいビジョンとしてにんしきするからです。
いんしょうで情緒ですらある。
ひとにおいても古典的なものです。


ー 『奇跡』 ー

教授
エネルギーというもの。
せいめいによってうみだされる神秘。
しょくぶつにおいては太陽光とクロロフィルの光合成、
せいぶつではその呼吸酸素運動によっておきるきせき。
かりにクロノとよびます。


ー 『側面』 ー

教授
ふるい言いぐさです。
さしせまってすらいる。
『血糖血行悪性循環糖質コレステロール血糖症』。
ながねんのいいぐさです。
がいしてたいしつである。
そのパターンは。
れいがいはなくさがのようですらあるといえます。
こじんのキャラクターでありすべてである。
げんきょうである。
そのけいこうだけを身体にじっさい
じゅんかんするだけできまる。
それだけでけっていする。
もはやたんにたいしつというだけではない。
ばあいによってそのじんぶつそのものがある。
そのことでぐうぜんからも。
そのデータをじっさいつくりゆうこうとできれば。
かりにじじょうだけをでんたつし適応できるばあい。
まったくエラーせずじゅんのうすることから
そのことで超越的な異能者をじっさいうみだせる理論がある。
はかくのそんざい。
いつだつせずせいこうほうにかんがえうるものであればです。


ー 『原点』 ー

教授
せつりがばんじそんざいする。
超常現象などはまったくろんがいであって。
そのてんにけんきゅうをするうえできづいたこと。
ぐうぜんしったアウトサイド、
アンダーグラウンドによってゆるされる領域がある。
うらがわであってそこにおいて。
じったいとはそのてん『OSプログラム』どうぜんでしかない。
むじゅんでなくふごうりではない。


ー 『魔法』 ー

教授
たとえばひをおこす。
なにもないばしょ。
てのひらからだとか。
まるで曲芸や大道芸のようにじっさい。
ゆるされるはずがない。
だがげんてんをおもわせる。
かりに魔法だったら。
じったいとして出現する。
それをかのうにできるよういんとじだいをおもう。
魔法はそんざいしとうぜんとつかえる。
げんじつでありそのはずであるからです。
まぼろしやうそいつわりではない。


ー 『真相』 ー

教授
ふるいいいぐさです。
そのことのかくにんがいそがれました。
鍵となるもの。
ゆらいでありしんそうであるはずの。
『剣伝説』。
それをねんとうにオリジナルのデータをさがしました。
しょうさいをかくにんして。
そしてけっかをダウンロードする。
このせかいにじっさいにじったいをもちこむことをかのうとする。
そのそんざいをじつぶつとして目にして手にすること。
いまであればりゆうこそがそのゆらいです。


(きがついて。
おもいあたりはしないのか。
そう。
ゆううつだった。
れいこはロングのボブカット。
えりのおおきなしろいブラウスにくろのロングのタイトスカート。
くろのかわのおおきなジャケットをはおっていた。
雨模様の午後。
それはむかしのままだった。
市内の大通りのほどうにめんしたその喫茶室のおくのせき。
めのまえのテーブルにはおおきなカップにはいったカプチーノ。
添えられたシナモンのスティックであわだてた牛乳をかきまわす。
らんぜ、かのじょはらんぎりのロングヘア
めはなだちがあってせんがほそい
たいかく骨ばっていてかたく
まるくびのブラウスにグレーのじょうげのスーツすがた。
なにをかんがえて。
いつからじぶんてきに。
どこにいてもみおくるだけのままのじぶんが)

れいこ
もんだいだった。
おぼえてる?
いまだったらどうなの。
わからないだけとでもいうき?

らんぜ
ばくぜんとしてえんもなかった。
はなしだけがあって・・・
そのけんきゅうにさんかしていらいだった。
べつにそれだけで。
あるときようやくとせいかがあがった。
それはあきらか。
あたらしいテクノロジーにおわらぬせかい。
さいこうほうでさいぜんのはずだった。
まさに一喜一憂のできごと。
じゅうぶんのとしつきのはずだったのに。

(むかいにすわるれいこ。
そのゆびにかがやくまるでローターのような指輪。
それはいっていにときをきざんでいるようだった)

れいこ
でもどうして?

らんぜ
ぐどんだった。
でもいかれてるってかんじがする?
じぶんてきであって。
そうおもうからでしょ?
さえてないってかんじ。
へんけんよ。
そんなの。

れいこ
おかしいわ。
いいことのはずがないもの。


(おもいだした。
いつからだった?
そのとき。
めにするできごと)

教授
せいかか。
なるほど。
すごい。

らんぜ
ほんとうに。
インターフェイスもさどうしてる。
すでにじつげんしたもどうぜんなんだ。

(せかいを。
どうおもうべきなのか。
ガラスごしに実験室のないぶのようすがみえる。
データじょうのプログラムから
じつぶつだいの神剣スターダストのデザインがうかびあがる。
たちあう関係者はしんみょうながらもはきがあった)

教授
これこそがまさにこんごのかぎとなるできごと。
がんらいはじんかくすらあるといわれる。
スターダストのパターンこそがさいこうほうのもの。
それをすでにここまでじつげんできた。

らんぜ
いよいよというわけなんだ。
わたしではそんなしんきょうなんてわかるわけがない。
どういうことか。
なにがおこる。
このさき。
みらいかもしれない。

Vo
カウント。

(とまったような・・)

らんぜ
え?

Vo
カウント。
ユーザーID。

(無音じょうたいかもしれない。
ぞっとするほどれいたんでシュール。
けんきゅうしつのブースにいたかのじょは)

らんぜ
これは・・・
システムによるインターフェイスのまあい。
コマンドのにゅうりょくじのラグ。

(そくどにごさがある。
まさににゅうりょくのためのかんかく。
めのまえのこうけいはたしかにじっそくだが
しかしそのいんしょうはじぶんてきにちがう。
さくごがある。
へいじのごとくではない。
こてんてき物理のほうそくによるかんかく。
りきがくとはそのいったんかもしれない。
よういんとはじっさい。
ばあいにプログラによってのものだった)

らんぜ
これがそのあたらしいシステムじったい。
でもなぜわたしにいまわかるんだろう。

Vo
ユーザーID。

スターダスト
ようやくだ。
りゆうをだな。
らんぜ。

Vo
ユーザーID『らんぜ』。
かくにん。
登録中。

スターダスト
おろかなことばかり。
このさきもつづく。
げんかいだけがあるわけだ。
途中乗車や途中下車がほとんどで。
それがふほんいであっても。

Vo
登録終了。
ユーザー、らんぜ。
ようこそ。
アカウント『DSVR』。
(『デジタル・ステレオ・ビジュアルレコーダー』)
(双方向エモーションオリジンイメージプレイヤー)

スターダスト
さっそくだが。
かんげいしよう。


ー 1 b ー

(たしかに。
かのじょはこおりついたように沈黙。
けっかは。
みわたすかぎり。
たんに意味ふめいなだけだとでも。
おおきなりったい
かすんでてんめつするだけのおりかさなったイメージの残骸。
かんじんのスターダストは。
ぼうぜんと。
なぜかまったく。
てにおえずにまったくどういうことなのか。
いちどの閃光のあと。
いちどにそこはふうかしあれはてた。
ほうちされたように。
そのしんきょうのさなか。
よていがい。
だったらなにものなのかがきにかかる。
そのてあいが。
ぐうぜんいあわしたばかりに。
じかいするとだった)

しんや
まったく。
このてあいだからか?
こんかいのわたしは。
わかいむすめではあるものの。
ふだんはどんな女なんだ?
いったいどういうことだ。
こたえろ、神剣スターダスト。
わたしをえらんだはずだろ。

(沸点をこえる)

らんぜ
え?
わたしは・・・。

(摂氏ゼロというきょうち。
いっしゅん、きるということ。
それがじょうたいでこのりゆう)

ブレーカー
ほっさだ。
まだばかをみているからで。
はちあわせしたばかりにこまったことだったな。

(よていがいにでくわす。
ふいに。
自問自答がつづく)

しんや
やっとのこと。
すでに。
このかいほう。
ようやくのきちじつを。
だがなぜトラブルが。
あの田舎もの。
どこでまぎれこんだ。
そこのてあいといい。
どうしてだ。

スターダスト
いんがなものだろ?
じぶんのつごうだけでは。
ながねん。
そのうさだろうがトラブルだ。
わたしはべつにおれたつもりはない。
なにもしなかっただけだ。
みおくるつもりだったからだ。

しんや
それはでは。

スターダスト
ようすをみるべきだ。
まだちょうじかんは、そのじょうたいはむずかしいはず。
げんじょうでは。
はたしてこのスターダストがひつようなのかはぎもんだ。
まだほんせつとはちがう。
だからだ。
いまはだまっているべきだ。
おおよそあいいれないものこそがそうであって。
ぎれいてきにでもそうするべきだ。

しんや
だったらひこう。
ゆずるきはないが。
じきがわるいそうだな。
そういうことか。
どこのだれかしらないがいつわがまだのこっているらしい。
ついでにわたしのはなしはしっておけよ。
そのごのせかい。
しるよしもなくではないだろう。

スターダスト
さいしょになまえだけはしっていた。
こんごはともかく。
かりにまたあおうというだけのことだ。

(アウトサイド、アンダーグラウンドがかいじょされる。
いっしゅんでむになる。
すべてがあんてんした)

ブレイカー
そのひとだったなら。
むかしかもくだった。
ゆうべんだったことも。
あまりいいてあいじゃなかった。
れいけつかんだったのか。
がんらいはしひょうが。
だったらそのために。
そのためだけに。
すべてではなく。
それだけのれいがいのため。


ー epilogue ー

(きがつくとびょうしつで。
たぶんそのはず。
げんじつてきにおもうはず。
しゅういはこおりついたようにかたいいんしょう。
のりのきいたシーツがしかれたベットにいる。
まだわからない。
りゆうがいまいちおもいだせない。
みをおこしあたりをみまわす。
そばにぐうぜんいた看護師がきづいてようすをみにきた)

らんぜ
ごめんなさい。
ここは・・・
いったいどういうことですか?

看護師
ここにかつがれてきました。
おぼえていませんか。
たいへんでしたね。
みなさん。

らんぜ
なにがあったんですか?
ほんとうになにも・・・

看護師
みなさんがおられた施設が全焼しました。
すぐけいほうそうちはさどうしたはずですが
かけつけても殆どなにもなくどなたもおられなかったそうです。
すでにそのじょうたいでした。
げんいんはわかりません。

らんぜ
なにもなかった?

看護師
おどろくほどのひのてにいったいはとうかいしていたそうです。
げんばはすべてもえつきていた。
ただ数名のかたがぐうぜんのようにたおれていたそうです。
となりにねむっておられるかたがそうですね。
おふたり。

らんぜ
責任者のかたは・・・
そうだいです。

看護師
みもとのわかるかたはほかにいません。
というよりもだれもげんばにはいませんでした。
まったくこんせきもなかったそうです。
ほかにはだれもいなかった。

(それはたしかにあったらしく。
かのじょに。
なごりのよう。
へいじにもどるとしてもこのふじょうりだけは。
たががふれたように。
ばくぜんとしていながら。
なおさら不明なてんばかりだった)


らんぜ
なぜ?

れいこ
じじょうがのこっているあいだはそう。
もちろんきまってる。
でもそれいじょうにだめなことがおおい。
だれがだれかもさだかでなくこんわくするばかり。
まずはじょうせきにいたるいぜん。
しょうじきどうなのか。
なにがそこであるのか。

らんぜ
さっぱり。
異常だと?
そうでしょ。
そうおもうはずでそのはず。
かんがえてみても。
そういうときはふつうとするのかな。
じぶんてきにきりかえるとおもいあたる。
よくあるいいぐさで。
たぶんヒーローがあらわれたってかんじがする。

れいこ
だれのこと?
ほんとうにふつうのやつなの?
いかんだわ。

らんぜ
そのはず。
いかれるってかんじの。
ほんらいであればけっしてちがいはないはず。

(かのじょについてこんご。
とどこおるりゆうがもしもあるのなら。
いたらぬというのは唯それだけにちがいはなく。
こんかいとりあえず)


ー 『Ran ZE』 to be continue ー


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